思わぬ大金を得た昭は、アンナに誘われて先輩の森田とともに、アンナの伯父が経営する錦糸町の韓国料理店へ向かった。本場の味を提供する韓国料理店だった。
定番メニューのサムギョプサルやチーズタッカルビ、キムチ盛り 、ナムル盛り、エビチーズフォンデュ、玉ねぎも焼きキムチなどをアンナが選らんだ。
チーズの美味しそうなメニューがたくさんあった。
バリエーション豊かなマッコリ、韓国酒まで豊富な品揃えだった。
塩ごま油と赤いタレがあって、どちらも美味しかった。
「とっても、おいしいよ!」アンナは満面笑みで、焼きキムチを肉と一緒にサンチュに包んで食べる。
思えば、昭と彩音は彼女の父親が経営する上野の朝鮮料理店では、一度も朝鮮料理を食べていなかった。
昭は、初めてマッコリを飲んだ。
マッコリは、主に米を原料に作る韓国伝統の発酵アルコール飲料である。
昔から農作業の合間に飲んだことから、「農酒(ノンジュ)」とも呼ばれているそうだ。
アルコール度数は約6%とビールよりも少し高いのであるが、甘みがあって飲みやすいため、女性にも人気でアンナも何杯も飲んでいた。
森田は、アルコールがまったくダメで、黙々と料理を満喫していたのだ。
飲食後は、大金を得た昭が清算した。
「あんたと、次の店ゆくよ」アンナが昭に身を寄せる。
先輩の森田は、独身である昭を気遣い「俺は、もう充分。お二人でどうぞ」と背を向け自宅へ向かう。
昭は、アンナに誘われて、韓国パブへ向かったのだ。
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