裁判官失格 法と正義の間(はざま)で揺れ動く苦悩と葛

2019年12月19日 12時05分27秒 | 社会・文化・政治・経済

 高橋隆一 (著)
 

内容紹介

悲しみ、涙、嘆き、苦悩、葛藤、温もり、想い、怒り、悔しさ……。 

法律に基づいて客観的に人を裁く裁判官。よほど「私情」とは縁遠い存在に思える。 

しかしそうは言っても、裁判官も人の子。血もあれば涙もあるし、情にほだされてしまうときだってある。 
死刑と無期懲役との間で葛藤もするし、モラルのない弁護士がいれば法廷で怒るときもある。殺人犯の更生を願いもするし、逆に涙する被告人に対して非情にふるまう女性裁判官だっている。 

もしかすると、裁判官は誰よりも人間味に溢れた存在なのかもしれない。 

本書では、30年以上民事・刑事・家事・少年という多種多様な事件を担当してきた元・裁判官が、実際に体験した法廷でのさまざまな"ドラマ"を交えながら、普段はドライにふるまう裁判官の「本音」を明かしていく。 


【目次】 
はじめに 人間味に溢れる裁判官たち 

第1章 法廷はドラマに溢れている――裁判官の悲しみと涙 
・死刑にすべき犯人に無期懲役を下すということ 
・殺人を起こした少年に垣間見た心 
・平成初の少年死刑囚 
・ある死刑囚と検察官の深い交流 
・スナックのママと無理心中した裁判官 
・裁判中、何を考えているか? など 

第2章 裁判官だって、最後まで迷っている――裁判官の苦悩と葛藤 
・オウム麻原に宗教を勧めた男 
・世間が納得できない裁判についてどう思うか? 
・起訴されない以上、踏み込めない 
・闇に埋もれていく多くの事件 
・消えた原告――裁判は小説より奇なり 
・裁判所にロールスロイスで来る原告 など 

第3章 1人でも受け入れてくれるなら説諭をする、たとえ裏切られても――裁判官の温もりと思い 
・被告人の更生、説諭への想い 
・説諭をした少年からの言葉 
・少年事件に熱心だった先輩裁判官 
・右陪審でも信念を貫く裁判官 
・「有罪率99.9%」にも屈しない無罪判決の本音 など 

第4章 裁判官の胸の内――裁判官の怒りと悔しさ 
・被告人が話を聞いてもらえないことがある 
・前科をどうとらえるか? 
・モラルに反する弁護士 
・原告による証拠書類の変造 
・そもそも裁判所に来る時点で醜い など 

第5章 裁判官こぼれ話 
・三角関数で事件を証明する検察官 
・仕送り月35万円でもやめられない 高齢女性のクレプトマニア 
・裁判官はニュースを見るのか? 
・司法修習生の生活 など 

内容(「BOOK」データベースより)

裁判官といえばその黒い法服から、ドライな印象をお持ちでしょう。ただ、裁判官も人間です。血もあれば涙もある。情にほだされてしまうときだってあります。死刑と無期懲役との間で葛藤もするし、モラルのない弁護士がいれば法廷で怒るときもある。殺人犯の更生を願うときもあります。このような裁判官の本音を語ることには最初は大いにためらいがありましたが、判決の裏の真意をありのまま書いてみることにしました。

著者について

東京都生まれ浅草育ち。早稲田大学法学部卒業。 
1975年に裁判官任官後、31年間の長年にわたり民事・刑事・家事・少年という多種多様な事件を担当。2006年3月千葉家裁少年部部長裁判官を最後に退官。その後、2006年4月遺言や離婚契約の公正証書の作成などに携わる公証人になる。2016年8月退職。趣味は昆虫採集、登山、スキー、陶芸等。 
現在 弁護士(東京弁護士会所属)。


出版社より

saibankan
 
 
元裁判官が、裁判官の仕事や経験、実態を綴った本であるが、内容的にはエッセイ風で、気軽に読める本である。
 裁判官が、民事でも刑事でも、様々なケースを扱い、どのように事件を処理していくかの過程や内心の葛藤などが描かれており、興味深かった。
 裁判官を目指している人や司法制度に興味のある人にはお勧めの一冊である。
 

 

 

 
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