★国連人口基金は、10歳の少女に焦点を当てた2016年版の「世界人口白書」を発表した。
「何百万人もの10歳の少女は権利保護も福祉も乏しい人生で終わる」と指摘。
途上国を念頭に、10歳の少女の多くが教育の機会などを得られず、人身売買、児童婚などに直面している。
★心の病のある人は100万人を超え、深刻な社会問題になっている。
心の健康をサポートする質の高い人材の確保が求められている。
公認心理師の創設により、心理職の社会的評価の確立が期待される。
待遇の改善も求める必要がある。
★学問の専門分化が進み「同業者相手」の狭い分野でものを考える「専門バカの世界」になることを数学者・森毅さんは嘆じた。
教養とは何か?
「教養」とは単なる物知りではない。
★東京女子医大は1900年、29歳の吉岡弥生によって創設された。
8年後、たった1人の卒業生のため開かれた卒業式で、政界、財界、教育界など大勢の祝辞は4時間のわたる女性医師の是非と「亡国論」に終始した。
その時、出席した大隈重信侯が「弥生さんは良いことをした女性は優しいので医師に向いていると思う。本当に適しているかはどうかは10年、15年先を見ようではないか」と卒業式を締めくくった。
日本人女性医師の留学第1号とされる岡見京(けい)は、江戸末期に生まれ、医師になるため渡米し、1889年にペンシルベニア女子医大を卒業、医学博士の学位を取得した。
帰国後、東京慈恵医大を創設した高木兼寛に認められ、慈恵医院婦人科主任になった。
まさに開拓者である。
私は、現代を生きる女性医師たちに、先輩たちの努力の積み重ねを学ぶとともに、これだけは誰にも負けないという専門性を身につけ、グローバルに通用する人材になってほしいと願っている。大森安恵・東京女子医科大学名誉教授(日本糖尿病・妊娠学会理事長などを歴任)