ジーコ寅の「鹿島アントラーズよ永遠に」

昨年四月まであった、ジーコ寅の「名曲探偵アントラーズ倶楽部」に続いて開設したブログです。音楽部門は今回はやめました。

ドビュッシー 「子供の領分」より  「雪が踊っている」

2012-02-29 22:30:36 | 日記
 アジア三次予選のウズベキスタン戦はどちらがホームなのかわからない試合になってしまった。ウズベキスタンは体が強く、ボ

ールへの寄せも早い。とにかく球際での競り合いで完全に負けているので、日本の細かいパスワークが封じられてしまった。前半

20分あたりの岡崎のシュートが惜しかったが、それ以降は主導権をウズベキスタに握られ、日本らしいサッカーは最後まで出来

なかった。
 
特に弱いのはゴール前に出る最後のパスだ。ピシッとした正確なパスがFWに出るシーンはほとんどなかった。遠藤、長谷部も

ほとんど機能していなかった。先発のハーフナー・マイクも足元の技術がしっかりしていない。これで海外で通用しているのかと

疑わせるプレーばかりが目立った。内田は後半、非常にいいクロスを上げたが、いかんせんゴール前の統率が取れていない。
 
 まるで悪い時のアントラーズを見るような内容で、これではアイスランド戦の方がましだった。アジアカップで優勝した時のサ

ッカーはどこに行ったのか?とにかく戦術というものが感じられず、どういうサッカーをしたいのか見えてこない。ウズベキスタ

ンの方がはるかに一貫したサッカーをしていたし、闘志にも溢れていた。
 
これでは宮市でも使った方がましだったと言うのが正直な感想だ。










今日は関東地方はかなりの大雪になった。雪国の人はうんざりするくらい見ているだろうが、関東地方の人間には少なくとも景観

的には美しい。

ドビュッシーは、一人娘をシュウシュウという愛称で呼んで溺愛したが、まだ四歳の娘のためにピアノのための組曲「子供の領

分」を書いた。この作品は6曲から成るが、その第4曲が「雪が踊っている」である。
 
窓辺にふってくる雪を眺めている子供の気持ち。冒頭に単音で弾かれる四つの音は、チラチラと舞うように降る雪を表しているよ

うだ。サンソン・フランソワの演奏を探したがなかった。富田勲のシンセサイザーの編曲のドビュッシーもすごく面白い。
  

岩政 「増田君、今日は出番がなかったね」

増田 「長谷部さんと遠藤さんがいたから・・・・」

岩政 「二人とも全然見えなかったじゃん」

増田 「ウズベキスタンが想像以上に良かったすね」

岩政 「君が出たほうがましだったと思うよ」

増田 「そうっすか?」

岩政 「ほら英語の助動詞ってあるでしょ」

増田 「え?なんすかそれ?」

岩政 「高校の時、習ったろ。男同志と女同士をつなぐ助動詞だよ」

増田 「そこまでひねられると・・・・・can?must?」

岩政 「実は、今、探しているいるところだ。新しい数学の方程式のようなものを・・・・」

増田 「先輩ってやっぱどうしようもないっすね。東京学芸大学ですけど」

岩政 「Let it be!」 

岩間芳樹  廣瀬良平  「海はなかった」

2012-02-28 23:14:04 | 日記
 今日はなんだかひどく疲れてしまい、朝から見ようと思っていた、クローズアップ現代の前にウトウト眠ってしまい、目が覚め

た時は、初音ミクに関する番組はほとんど終わりかけていました。僕は初音を「はつね」ではなく、「はつおん」と読むのだと思

ってました。もう番組は終わる頃で、ヤマハのVOCALOID2を使った音声合成システムが、運動ニューロン疾患で発音が困

難な人たちの通常の声を再合成して再生しているシーンを寝ぼけまなこで見て、思わず拍手していました。科学技術の善用の素晴

しい一例でしょう。


 そして、ヤフー掲示板で、昨年の4月28日に、福島県立安積女子高校の演奏で、「海はなかった」という曲を、ヤフーの掲示

板にアップしたのを思い出して、初音ミク版はないかと探したら、やっぱりありました!

 合唱がとても盛んでレベルが高い福島の女子高生の合唱を聞きながら、いつも福島の女の子は綺麗だなって思って、テレビを見

ていたのを思い出します。NHK学校音楽コンクールで番組が終わる時に、全参加校の名前が出るのですが、福島の学校の数の多

さは小学校から高校まで飛びぬけていて、しかも原発事故があった今年もずらっと名前が並んでいたのを見たとき、思わず涙が

こぼれたのを覚えています。


 You Tubeの安積女子高校の合唱は埋め込み不可なので、ご自身で探してお聞きください。

この曲は詩も音楽も素晴らしいです。私は海の近くで育ったわけではないのですが、海辺の入り江の陰りとか、潮風の匂いや、そ

れを見つめる若い心が伝わってくる、「うた」の力を感じる名曲です。


 
  どの風待てば、飛べるのだろうか?

  
  どの風待てば、飛べるのだろうか??

  











岩政  「増田君、あれからどうなったの?」

増田  「男同志、女同士」

岩政  「どうしって、どうしたのよ?」

増田  「沈黙は金」

岩政  「?????」

増田  「ウズベキスタン戦、見ててください!」

ラヴェル  「鏡」より「海原の小船」

2012-02-27 22:11:32 | 日記
 ドビュッシーが、「映像第一集第一曲」の「水の反映」で、独自のピアノ音楽を確立したのが、1905年だった。それと同時

期にこの「鏡」が完成した。ラヴェルはここで古典的な構成感で作られた、「ソナチネ」などとは違った、いわゆる印象主義的な

作風を打ち出している。この題名の「鏡」でラヴェルが何をイメージしたのかはわからないが、ドビュッシーに比べて対象をくっ

きりと明確な描写力をもって描くのが、ラヴェルだと取りあえずはいえると思う。
 
ただ、ドビュッシーは少し聞くと「神秘的」で「曖昧模糊」とした「つかまえどころのない」印象を受けるが、作曲家の武満徹

に言わせると、彼の音楽は非直線的な時間感覚と汎焦点的な空間造形感を持った、非常に新しい音響形態として見ることができる

と言う。それがドビュッシー自身が言った、「音楽で生命自体に近づきたい」という言葉にもなっている。ラヴェルの音楽は極め

て精緻でドビュッシーと似た要素も多いが、未来の音楽につながっていくのは、ドビュッシーの音楽だと個人的には思う。


 ラヴェルの「鏡」は、「蛾」、「悲しい鳥」、「海原の小舟」、「道化師の朝の歌」、「鐘の谷」の五曲からなり、一番有名な

のは、管弦楽用にも編曲されて頻繁に演奏される、「道化師の朝の歌」である。第三曲の「海原の小舟」も管弦楽用に編曲されて

いる。ピアノは絶え間ないアルペッジオが大海原の波に揺られるような小舟を彷彿とさせる、精密に計算された響きに耳を澄ませ

る音楽だ。ここでのカザドシュの演奏は、古きよき時代のフランスのエスプリと品位ある色彩感を持った素晴らしいもの。

CDの野島稔はもっとクールで知的に楽曲を再構築して、高度な技術で響きの色彩と遠近感を描くアプローチだ。




 
                                        










   
   鹿島灘の浜辺を増田と岩政が歩いている



岩政  「増田君、ウズベキスタン戦、がんばってね」

増田  「何で俺が選ばれたのかな・・・・」

岩政  「あのスローインっしょ!くるって一回転するやつ。ソルティンソンだっけ?」

増田  「あれね・・・・岩政さん、実は彼からファンレターが来たんですよ」

岩政  「えええええ!ほんとか?」

増田  「それも誰に教わったのか日本語で書いてあって、20ページもあるんです」

岩政  「マジ?どんなこと書いてあるの?」

増田  「最初の10ページはアイスランドの海の素晴らしさについて書いてあるんです」

岩政  「それで、残りは?」

増田  「愛の告白です・・・・・」

岩政  「おいおい!なんて書いてるの?」

増田  「君となら北極海に飛び込んで死んでもいいくらい好きだって・・・・・」

岩政  「それって・・・・俺も学生時代に今の奥さんに書いた台詞だ」

増田  「岩政さんの奥さんって、教職実習でナンパしたんですよね!」

岩政  「ナンパじゃないって!なんかどうしようもない絆を感じたのね」

増田  「海に飛び込んで死んでもいいって書いたんですか?」

岩政  「君と結婚できないくらいなら、この国をめちゃくちゃにしてやるって書いた」

増田  「え~~~~~!ヤバクないっすか?脅しに近いでしょ」

岩政  「しょうがないのよ・・・・ほんとの気持ちだったんだから」

増田  「俺、返事書けないっすよ」

岩政  「書かないときっと・・・・・ここまでやってくるよ。真情のこもった手紙には返事を書くこと。

     それがアントラーズが勝つ一歩につながり、日本が世界で勝つことにつながっていくんだよ」

増田  「え?そうなんっすか」


   二人が沖に目をやると、水色の小舟に乗ったソルティンソン選手が、船の上で宙返りしている。


増田  「ほんとだ・・・・・・来たよ!」

岩政  「あきらめるしかないよ。あいつと結婚しろよ」

増田  「本気で言ってるんっすか?あいつ男ですよ!」

岩政  「女だって男みたいなやついるだろ」

増田  「誰のこと言ってるんすか?」

岩政  「昨夜、9時のニュースに出てたじゃん」

増田  「たしかに・・・・男より男らしい女に見えました」


    ソルティンソン選手が、花束を持って砂浜を走ってくる。


増田  「早く逃げましょうよ!」

岩政  「いや、あきらめろよ。これが定めだ。あの水色の小舟で二人で船出しろ!」

増田  「困りますって!・・・・・でも彼の笑顔、うれしそうだな・・・・・」 

ラヴェル  「水の戯れ」

2012-02-25 21:30:18 | 日記
 昨夜のキリンチャレンジカップ戦のアイスランドの背番号7のソルティンソン選手のハンドスプリングスローの動画がアップ

されていました。3-1で勝ったものの試合内容はイマイチだったので、やはりこの宙返りスローインにはスタジアムも盛り上が

っています。新聞などをも見ると、安定していたのは「主力組」の遠藤、中村、今野などで、控え組のプレーには厳しい評価が多

いようです。そんな中、読売新聞は増田のプレーを評価していて、結局次のウズベキスタン戦にも増田選手は選ばれました!

さすがにソルティンソン選手が見とれてしまうイケメンの増田選手、次の試合もがんばってください。 






 今日は水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチが行われました。スカパーで放送したのに気がつかず、Jリーグタイムで見

ました。遠藤のCKを中田が蹴り込んで一点は取ったものの、攻撃力不足の課題は昨年と同じみたいです。興梠のコロコロシュー

トもクロスバーに当たって、相変わらずの疫病神ぶり・・・・。興梠が去年を引きずっているようなら、開幕から数試合見てもう

使わない方がいいと思います。











 モーリス・ラヴェルが、ピアノによって水の様々な表情を描いた作品。アンドレ・ド・レニエの「水にくすぐられて微笑む川の

精」という詩の一節が付けられていて、1901年に作曲された。

 輝かしい澄んだ響きがちりばめられ、水面の輝きや流れが表現されている。展開部に当たるところでは、水がひときわ高く吹き

上げられる輝きを放つ見事な作品に仕上がっている。


 アルゲリッチのラヴェルは定評がある。「水の戯れ」は入っていないが、「夜のガスパール」の入ったCDの冷たい官能性が

燃え上がっているような表現が素晴らしい。

 
 個人的にラヴェルのピアノ作品が入ったCDで好きなのは、野島稔のものと、レバノンのピアニスト、アブデル・ラーマン・

エルバシャのものだ。前者の剃刀で切れるようなシャープなテクニックと音楽的知性は見事と言うしかない。水戸芸術館での

延期になったコンサートで聞いた、シューベルトの最後のピアノソナタの凄まじいばかりの名演は生涯忘れらない。

完全燃焼して楽屋から出てきた野島さんにサインをもらったのを覚えている。あまりに集中してこの世ならぬ音楽を弾いたあと

だからか、目の焦点が定まらず、宙を見ていたのを覚えている。そばで普通の奥さんが彼を抱きかかえるようにして、笑って

いた。

 エルバシャはアラブ人だからというわけではないだろうが、独特の温かみのある音色で端正な演奏になっている。彼のベートー

ヴェンやショパンは格調が高く、虚飾のない素晴らしいものだ。


U2 WITH OR WITHOUT YOU

2012-02-24 22:55:18 | 日記
アイスランドはなじみの薄い国だ。個人的には、フレドリック・フリドクリン監督の「春にして君を想う」という映画で、首都の

レイキャビックの様子や、やたらデカイアメリカ製の車が出ていたのが印象に残っている。最果ての厳しい地という感じはあまり

なく、おおらかさと人情味のある土地柄だったように覚えている。


 そんな面白さが背番号7の、ハンドスプリングスローに出ていた。どうしてスローインでわざわざ一回転するのかわからない

が、だんだん観客も喜ぶようになって、最後の方は大きな拍手が・・・・・。それを何故か増田のところへ行って、ヘディングで

クリヤーしていた。正直のところ増田で遠藤や長谷部の代役が務まるとは見ていて思えなかった。ミドルシュートが一本あった

くらいで、はやり遠藤のパスの正確さや全体を見渡す力には及ばないと思った。


 開始早々、前田がすぐに決めて楽になったものの、全体としては世界レベルの試合とは言えなかったと思う。本田や長谷部、李

忠成、長友や内田のいない日本代表ははやりつまらない。久しぶりに代表で見た、伊野波も以前の方がスピードがあった。柴崎は

日本代表として練習に参加しただけでも収穫はあったろう。遠藤のレベルにはすぐには無理だろうが、必ずや日本代表を牽引する

選手に成長してくれると信じている。


 アイスランドの音楽は知らないので、アイルランドで・・・・。むしろ緯度的には下のアイルランドの方が最果てというか、

辺境的な厳しさとパワーを持っているように感じる。1987年のU2のアルバム、「ヨシュア・トゥリー」から。









大迫  「先輩、どうでしたか?」

増田  「あのスローインね・・・・あれが面白くって・・・・」

大迫  「増田さんを狙ってましたよね!」

増田  「なんで俺のとこばかりに来たんだろう」

大迫  「彼もなんか感じてたんじゃないっすかね」

増田  「感じてた??」

大迫  「先輩、イケメンじゃないっすか・・・・」 

増田  「だから、何?」

大迫  「ほら・・・だから・・・・増田さんに見てもらいたくて彼はやったんですよ」

増田  「それはないよ・・・・でもお尻を何回か触られたような・・・・」

大迫  「そうでしょ!!先輩を見る眼がキラキラしてましたもん」

増田  「アイスランドリーグに移籍してみようかな」

大迫  「伊野波さん、クロアチアで失敗しましたね・・・・」

増田  「いやあ、彼じゃアイスランドでも同じだと思うよ」

大迫  「アフリカとかの方が・・・・・」

増田  「それ以上言わなくていいよ。言いたいことはわかる」



SOME DAY MY PRINCE WILL COME

2012-02-24 00:13:25 | 日記
昨日のマレーシア戦での大迫の怪我は頭で脳震盪だったようだ。本当に怪我が一番怖くて、バーレーン戦もあるし、リーグ戦の

開幕戦も遠くない。昨日の永井の動きを見る限り、大迫の先発はどう見ても妥当だった。永井は今あまり調子がよくないようだ。

大迫の動きは切れているし、いいコンディションを維持しているだけに、怪我で戦線離脱だけは避けて欲しいものだ。

原口は確かにゴールも決めたし、一点目でもうまくボールをキープしていたが、チーム全体から見ると彼の動きの質は、全体を

生かす動きかどうかはいまひとつ判断が難しい。

大迫はゴールが決まらなくても、うまくキーパーを引き出したりして、見えないところでゴールに貢献していた。原口のように

強引にドリブルで突破していく選手は絶対に必要だが、原口の動き全体に関してはまだまだ質を上げていく必要があると思う。


今日の東京新聞に、24日の長居陸上競技場で行われる、キリンチャレンジカップの日本代表に関しての記事が載っていた。

選ばれた増田は、「これを生かさないと次は呼ばれず、最後のチャンスだと思っている」と言う悲壮な覚悟を口にしたと言う

のだ。守備的MFは遠藤と長谷部が不動の存在となっているが、この二人を誰が脅かすのか?遠藤は怪我が多いので、26歳の

増田がポスト遠藤として期待されているという。アイルランド戦は長谷部が出られず、レッズの阿部も怪我のため、先発の可能性

もあるという。是非とも試合で結果を残して欲しいものだ。個人的には遠藤を脅かす才能は柴崎だと思う。










 ビル・エヴァンスの録音は、1959年12月。彼は、58年からマイルス・デイヴィス・サクステットの一員だった。この、

Some Day My Prince will Comeが入ったLPは、マイルスのもとを完全に離れたのちに作られた彼の第二作、「Portrait in

jazz」の中のB面のトップに置かれている。このアルバムにはAutumn Lievesが二種類のテイクで入っている。このアルバムの大

半は、スタンダード・ナンバーだが、彼らしい繊細さと品位を保った演奏は、現在聞いても魅力はあせない。


 マイルスの録音は、1961年。テナーサックスはジョン・コルトレーンだ。ジャズの歴史については良く知らないが、50年

代のハードバップから、60年代にかけてジャスのスタイルが大きく変わっていく時期だったらしい。マイルスはミュートをつけ

て、かすかに愛する人が現われる期待を吹く。「もしもピアノが弾けたなら」という曲があったが、トランペットでこういう感情

を表現できるのは素晴らしいことだ。

木村 大  「サンバースト」

2012-02-23 00:29:53 | 日記
 アジア五輪最終予選のマレーシア戦、とりあえず結果は、4-0で勝利ということでホッとした。前半の30分くらいまでは

なかなかペースがつかめず、昨年のアントラーズみたいにカウンター一発食らってやられるかと思ったが、原口に出た縦パスを

うまくキープして転がったボールを酒井が押し込んで楽になった。

 
大迫の前半終了間際のヘディングは打点も高く、うまく叩き付けた素晴らしいシュートだった。5分頃に見せた左サイドの

切り込みも確かなキープ力があって、非常にいい動きだった。ヘディングの競り合いで転倒して、肩か上腕部を痛めたようだが、

こういうのが一番心配なのだ。オリンピックは確かに大事だが、U-23で大迫と山村、日本代表で岩政、増田、柴崎と五人も

出しているチームとしては、怪我をされるのが一番困る。力のある主力選手をごっそり持っていかれて、怪我して戻って来たので

は、何のための補強なのわからない。


 今日の試合は後半はスペースも出来て自由にパスがまわせるようになり、原口や斉藤が決めて勝利は決まったものの、やはり

真剣に五点目を狙って欲しかった。マレーシア相手なら五点はとれたはずだ。大迫は途中で永井に交替したのは、怪我の影響が

あったのだろうが、もう少し大迫を見たかった。動きもいいし、キープ力もあって、去年のリーグ戦よりは状態はずっと良かっ

た。永井を押しのけて先発するのは当然に見えた。山村はいまひとつ動きが悪く、まだ万全の状態ではない。


 ここ六試合無得点だった大迫が、きっちり地面に叩き付けてくれて決めてくれたのはうれしかったが、世界レベルから見ると

こんな戦いでは世界の強豪に勝つのは難しいと思う。大迫の怪我の状態はとても気にかかる。






 木村大は、茨城県生まれのギタリスト。アメリカの作曲家でギタリストのアンドリュー・ヨークが作曲した、「サンバースト」

は若いギタリストが好んで取り上げるが、木村大が最も得意とするナンバーになった。非常に優れたテクニックと奔放な自由性

にあふれた演奏だ。村治香織の演奏と比べるとよくわかるが、骨太でスケールの大きな音楽だ。


 コンサートで聞いたときも素晴らしい演奏で好きになったが、ソニー・ミュージックの露骨な商業主義に乗せられているよう

で、気の毒だった。彼のようなタイプはあまり人気が出ない方が、いいようにおもうのだが・・・・・



曽ヶ端  「大迫、いいヘディングだったぞ!抜群のタイミングだったよ」

大迫   「やっと点が取れたんでホッとしました・・・」

曽ヶ端  「怪我の方はどうなんだ?変な倒れ方をしてたな」

大迫   「肩が痛みます・・・・・」

曽ヶ端  「あたし、実は癒し系なの・・・・あなたの痛みや苦悩を取り除きたいの!私のあごに触れてみて・・・・」

大迫   「気持ち悪いから止めてください!」

曽ヶ端  「その肩をこのあごに付けるの。そしたらあたしの愛のパワーで治るのよ!あたしの愛は深いのよ」

大迫   「もう治ったみたいです。練習があるので失礼します」

曽ヶ端  「愛の悲劇というものはない。愛がないことのなかにのみ悲劇がある」

大迫   「どうしたんっすか?突然」

曽ヶ端  「愛とは立ち込めた霧に輝く一つの星なの・・・・」

大迫   「お大事に。。。。。」


     曽ヶ端、一人つぶやく。


「愛のないことに悲劇があるに決まってるじゃないか。鹿が走り去ってから尻尾をつかもうとしても無理だ」      

Mr.Chirdren 「少年」

2012-02-21 23:20:12 | 日記

 僕はあまりJ-POPは聞かない。ミスチルの曲さえそんなに知らないくらいだ。でもこの少年と言う曲は、強烈に覚えている

る。NHK-BSでやっていた、あさのあつこ原作の「バッテリー」の主題曲に使われていたからだ。テレビドラマもあまり見な

いのだが、このあさのあつこ原作のテレビドラマは毎回見るのが本当に楽しみだった。このミスチルの音楽が流れる最初の映像で

なぜかウルウルしてしまうのだ。

 
 中学のときは野球部だったとはいえ、この手の上下関係が非常に苦手で体育会系の人間が出てくるドラマは悪い思い出が蘇るの

だが、このドラマはなぜか非常に惹かれた。才能はあるものの自己中心的で心を開かない、原田巧君のキャラクターに中山優馬君

が本当にぴったりで、あの年齢の純粋さや揺れ動く心境が実にうまく描かれていた。原作のあさのあつこさんの小説がいいのだろ

うが、脚本やスタッフの総合力の高さが感じられるドラマだった。

 
彼のボールを初めてまともに受けられたのが、キャッチャーの永倉豪君だった。彼の原田君にのめりこんでいく心境や、反発心

もうまく描かれていて、見ていて胸がキュンとなるというか、気恥ずかしさも覚えながら、中学生時代を思い出していた。僕も

ピッチャーをやっていたのだが、一年上の先輩はプロに入り、セーブ王になった。しかし二年後にはプロの世界から消えていた。

彼に買ったばかりの新品のバットで、ボール代わりに石ころを打って、新たしいバットが穴だらけにされた時の怒りはいまだに

忘れない。

 
 投手には絶対にいい女房役が必要だ。その存在なしには投手の出せる力は半減する。いいキャッチャーに恵まれることがいかに

重要か。これはサッカー選手にはあまり関係のないかもしれない。サッカーには野球のような、ピッチャーとキャッチャーの

ような関係は存在しなからだ。GKがある意味、キャッチャーか?しかしいかに決定力のあるFWと言っても、ピッチャーの

存在とはかけ離れている。ダルビッシュやマー君みたいな才能がアントラーズのFWにも欲しい。











 日本代表のキャプテンの長谷部誠が、「こころを整える」という本の中で、ミスチルへの愛を正直に書いている。彼にとっての

ベストワンは、「終わりなき旅」だそうだ。この曲の中の、「高ければ高い壁のほうが、登った時気持ちいいもんな」という

言葉が、長谷部の人生の指針だそうだ。今日久しぶりに取り出して読んでみたが、ベストセラーになるだけあってやはりいい本

だ。長谷部誠は実に魅力的な男だと思う。



曽ヶ端  「マレーシア戦、三点は取れよな」

大迫   「ハットトリックは無理っすよ」

曽ヶ端  「あたし、あなたを信じているの!あなたならきっとできるわ!きっとやれる、あたしそう思うの」

大迫   「なんっすか!!!先輩にそんな趣味あったんすか!衝撃受けました」

曽ヶ端  「お前の女房役を演じてみたんだよ」

大迫   「え!え!・・・・・・・それって俺への愛ですか?」

曽ヶ端  「もちろんだよ」

大迫   「男に生まれてきて良かったです!」


  大迫、感動して涙を流している。  

U2 OUT OF CONTROL

2012-02-20 23:58:25 | 日記
大迫 「あさってマレーシア戦なんっすよ」

岩政 「いつもどおりにやればいいじゃん」

大迫 「六戦連続して得点ないんすよ!」

岩政 「君はちょっとおとなしいから・・・・」

大迫 「えええ、そうっすか?そんな風に見えますか?」

岩政 「柴崎を見ろよ、目つきがおかしいときあるよ」

大迫 「確かに・・・・あれは野獣の目つきっすよ!」

岩政 「縄文人の狩猟時代の記憶が蘇るのかな・・・・」

大迫 「そういう岩政さんは、類人猿時代の記憶が蘇ったりして」

岩政 「・・・・・・、大迫君、いい線いってるね。試合もその調子でね!」 









U2の最初期のアルバム、BOYから。このアルバムは、子供から大人までに成長するうえでの様々な体験や、それらに対する

拒否や困惑、反抗がテーマになっている。真冬のダブリンの寒さの中で燃えたぎっている怒りや情熱がダイレクトに伝わってくる

優れたアルバムだ。このアルバムの成功によって、U2はイギリス進出を果たし、その地位を不動のもにした。しかし、この音色

やメッセージ性は明らかにイギリスのものとは違う。熱いアイルランド魂が素晴らしい。

ロドリーゴ  「アランフェス協奏曲 2 」

2012-02-19 21:02:04 | 日記
ロドリーゴのアランフェス協奏曲で有名なのは第二楽章です。

規則正しい伴奏の上に、イングリッシュホルンが夢見るようなメランコリックな主題を吹き、それはギターに渡されさらに微妙な

哀愁を帯びて展開されます。一度聞けば忘れなれないこの美しい旋律は、クラシックギターのみならず、ジャスやロック、J-P

OPにも編曲され、魅力的な音楽として生まれ変わっています。

ここでは、平原綾香、ジム・ホール・クスコを取り上げました。

井上圭子さんが、福島音楽堂のパイプオルガンで弾いた演奏も素晴らしいです。














 柴崎、クラブハウスのラウンジでテレビを見ている。


山村 「先輩!!やりましたね!日本代表入りおめでとうございます」

柴崎 「ああ・・・・・・」

山村 「先輩がテレビ見るなんて珍しいっすね!」

柴崎 「ちょっとね・・・・」

山村 「なんっすか!すごいことなのにうれしくないんですか?」

柴崎 「もちろんうれしいよ」

山村 「全然うれしそうに見えないっすよ」

柴崎 「この女性は何を考えているんだろう?」

山村 「え!このニュースキャスターですか。綺麗な人ですね」

柴崎 「この男の方はどう思う?」

山村 「すごく頭良さそうな話し方ですね。いい人なんじゃないですか?」

柴崎 「むろんいい人さ、この人は走れメロスなんだ」

山村 「先輩は太宰治と同じ青森生まれですもんね!」

柴崎 「太宰治と坂口安吾は似てるのにな」

山村 「何がいいたいんですか?」

柴崎 「メロスとアキレスはどんな関係なのかな?」

山村 「え???どういう意味っすか?アキレスには追いつけないんでしたっけ」

柴崎 「キリンカップさ、見に来てくれる?メロスはキリンには追いつけるんだよ」

山村 「アキレスはキリンより早いんですか?」

柴崎 「アキレスは靴の名前だよ」

山村 「太宰治と寺山修司を生んだ青森ってすごいですね」 

柴崎 「青空の隅から じっと眼をあけて 俺の所業を睨んでいるやつ」

山村 「なんすか、それ?」

柴崎 「寺山修司だよ」

山村 「なんか深いっすね・・・・」 

柴崎 「スペインの真っ青な空でも見たいね」 
      

ロドリーゴ   「アランフェス協奏曲」

2012-02-18 21:45:51 | 日記
 何と柴崎がザックジャパンに呼ばれた。そして増田と岩政も!日本代表の今年最初のの親善試合になる、キリンカップ2012

のアイスランド戦にザッケローニは柴崎を起用した。U-23にも選出されなかった柴崎が、A代表に選出されたのは面白い。

ザッケローニと関塚監督では、評価基準が異なっているようだ。確かにサッカー選手としての技術やメンタリティーをどう評価

するかは、監督それぞれの観点があっていいだろう。


 それではザッケローニが評価し、関塚監督が評価しないものは何なのだろうか?サッカーのセンスだろうか?チームに貢献する

度合いだろうか?私自身はサッカーをするわけではないので、細かい技術の差や戦術眼の確かさなどは、正直言ってわからない。

ただ、柴崎が関塚監督に評価されないで、ザッケローニが買うのは何となくわかる気がする。柴崎はどこか日本人らしくない、

と言っては語弊があるかもしれないが、国際基準で見たほうが真価がわかるような選手のような気がする。


 山村と柴崎なら、監督しては使いやすいのは山村だろう。柴崎のふだんの生活などは知らないが、たぶんマイペースというか

自分なりのスタイルや価値観を絶対に変えないタイプのように見える。初めてピッチに立った時もいきなり、平気で足をひっか

けてファウルしてもどこ吹く風といった感じだった。私も柴崎の性格が好きだ。ちゃんと結果さえ出せれば、無理して周囲に

合わせる必要はない。もちろんチームプレーは大切だが、本当のピンチでチームを救うのはそのような確固とした自分を持って

いて、肝心なとところでそれを表現できる選手だ。

 
 絶対にシュートを打たなければいけない状況で、小笠原や本山がパスを出せと声をかけても、自分で判断してシュートを打つ

選手にならなければいけない。日本人の悪しき集団主義は、個性的な個人の意見や自己主張を押さえつける。はっきり言って

関塚監督には柴崎は使いこなせないのかもしれない。人間としての度量が小さいからだ。勉強量も足りない。顔にそう書いてあ

る。柴崎はU-23に選ばれなくて良かった。ザッケローニのもとの方が彼の力を発揮できると思う。

 
 たぶんそれは柴崎が、ローカルに根ざしてなおかつ普遍的なサッカーセンスを持っているからだと個人的には思う。鹿島アント

ラーズが目指す方向性もそうだと思う。レッズやマリノスやフロンターレのサッカーに世界に通じる方向性はない。 













 ホキアン・ロドリーゴ(1910~1999)は現代スペインを代表する作曲家です。盲目でありながら彼は多くの作品を発表

していますが、「アランフェス協奏曲」はあまりにも有名です。アランフェスは首都マドリードから遠くない距離にあり、スペイ

ン王室が夏の離宮を建てた緑の多い土地です。ロドリーゴは心のうちにアランフェスのイメージを思い浮かべ、それに基づいて

作曲したと言われています。


 演奏は素晴らしい名演が目白押しです。永遠の名演ともいえる、イエペスをはじめ、ジョン・ウィリアムズ、村治香織、ジュリ

アン・ブリーム他、個性あふれる演奏が楽しめます。クラシック以外のジャンルでも名盤がたくさんあります。

ドメニコーニ  「コユンババ」

2012-02-16 22:46:20 | 日記
 中東のサッカーは手ごわい。独特の力強さとリズム感があって、攻撃の組み立ての感覚が東アジアとも、ヨーロッパとも南米と

違う。うまく言えないが日本人にとっては異質で得たいの知れないようなサッカーの感性だと思う。


 ロンドン五輪予選のシリア戦では、ピッチコンディションの悪さもあったろうが、日本チーム全体がどう対処していいのか、戸

惑って、自分たちのサッカーを見失っていた。今のシリア情勢のあまりのひどさを思うと、シリアチームが勝って良かったと思

う。ダマスクスでやっていたら見に来たシリア国民は熱狂して、強い希望と誇りを感じたに違いない。そんな人々さえ、平気で殺

しかねないようなアサド政権には本当に慄然とするし、国同士のバランスから傍観している国際社会の無責任さは何と言ったらい

いのか?


 
 サッカーの公式試合とは言え、ゲームが終われば同じ時代に生きる人間同士だ。U-23の若い選手達が、シリア選手に直接

シリアの現状について話を聞き、議論できたらどれほど世界に対する眼が開かれたことだろう。シリアの若い選手だって日本の

サッカー選手に訴えたいこと、聞いてもらいたいことは山ほどあるはずだ。国連があんなザマなのだから、スポーツの選手が交流

して、シリアの現状を聞くことは意義のあることだったはずだ。今すぐ何かが変わることはないかもしれない。しかし、シリア選

手の切実な声を聞いたら、日本の若い選手の中には何かが残ったはずだ。そういうものはしこりになって時とともに成長してい

く。そんな地道な積み重ねが、弾圧されている国民を平気で無視するような、それこそレッドカードにふさわしい国家間のパワー

ゲームのくだらなさをいつか変えてくれることを期待したい。


 個人的にはシリアチームは是非、ロンドンオリンピックに出て、シリア国民に希望と勇気を与えてもらいたいと思う。
 










トルコ出身の作曲家カルロ・ドメニコーニは、トルコの民族音楽を素材にしているものの、斬新な音楽的な発想を持ち込み、現代

的な美しさにあふれた作品を作って、高い支持を得ている。

1985年に発表された「コユンババ」は、中でも群を抜いた傑作として知られ、変則的に調弦されたギターで、即興的に処理し

なければいけない部分も多い、演奏者のセンスがものをいうようなタイプの魅力的な作品だ。


この二つの演奏も非常に違っている。ジョン・ウィリアムズは高度なテクニックでインターナショナルな解釈で勝負している。

昨日紹介した福田進一は、ウィリアムズのさらに上を行く、東洋人としてのインターナショナル性を示していて、驚きの他はな

い。トルコはヨーロッパ世界とアジアの接点に位置する国だが、そこの雑種性の中に才能あるイギリス人と日本人が、どのような

普遍性を嗅ぎ分けるかという作業は非常に興味深いものがある。




山村  「先輩、シリア戦ってどう思いました」

大迫  「なんつーかな・・・・国歌斉唱で何かを感じた」

山村  「どういうことっすか?」

大迫  「シリアでこの国歌を聞いたら、俺が感動しそうに思った」

山村  「え!なんかそれってすごくないですか?」

大迫  「たまには俺もいいこというだろ」

山村  「そうっすね!正直言って先輩がそこまで深い人だとは思っていなかったです」

大迫  「俺が童貞のわけないだろ。童貞にはこんなこと理解できねぇーーよ」

山村  「いやぁ・・・・そこにもっていくんですか。童貞の方が深いでしょ」

大迫  「まさか洞庭湖とか言うんじゃないだろうな」

山村  「先輩、今日はジョーク冴えてますね!でも洞庭湖は深くないんじゃ・・・・」

大迫  「洞庭湖でも、洞庭川でもいいだけど、もう一度シリアとやってみたいね」

山村  「そうっすね!絶対オリンピックでもう一回やりたいです」 
  
 
 

モンポウ   「コンポステラ組曲」

2012-02-15 22:56:33 | 日記

 スペインのバルセロナに、1893年に生まれたフェデリコ・モンポウは、最近になって注目されている作曲家である。

ピアノ作品が中心であるが、その作風は非常に繊細でポエティックなものだ。スペインの民族音楽を積極的に取り入れる点では

アルベニスやファリャ、グラナドスらと同じだが、彼らがフラメンコに注目したのに対し、モンポウは生地カタルーニャ地方の

繊細な音楽を取り入れている。


 「コンポステラ組曲」は、モンポウの唯一有名なギター作品であるが、この一曲だけでギター音楽史に名をとどめると言われる

ほどの傑作である

 弟一曲の「プレリュード」から始まり、コラール、ゆりかご(CUNA)、レシタティーヴォ、歌、水車小屋の踊りの六曲からな

る。この曲は、福田進一の「すべては薄明のなかで」というCDで知ったが、福田進一のギターの素晴らしさは形容する言葉が

見つからないほどの圧倒的なものだ。残念ながら、You tubeにはないようだ。











 スペインのバルサの強さは、パワーの強さというより、パスワークでも守備でも繊細なサッカー的な感性に支えられているとこ

ろにあるのかもれない。全体のバランスが少しでも崩れれば、アートのような感覚であっという間に修正する。アメリカなどが

サッカーが強くないのは、技術やフィジカルの問題ではなく、サッカー的な感性が国民性とそぐわないところにあるように思う。


 今期のアントラーズの、4-4-2で一番問題なのはやはり2トップのFWである。加入したジュニーニョがどれくらいやれる

のか?去年鳴かず飛ばずで終わってしまった興梠がどれくらいやれるのか?去年のような感じではスタメンは大迫の方がいいに

決まっている。興梠以上の活躍をする若手が出てくるのが一番望ましい。興梠が本当に必死になるような状況がいい。去年はあれ

ほど不調でもまだ自分は使ってもらえるんだという甘さが丸見えだった。


 山村の加入により、中心ラインは安定感を増していくと思う。やはり鍵はFWだと思う。


 
   興梠がクラブハスのラウンジにあるテレビでバラエティー番組を見ている。


大迫  「先輩、寒いっすね」

興梠  「U-23、がんばってね。期待してるから」

大迫  「本当は行きたいのと行きたくないのと半々なんっすよ」

興梠  「え、なんで?」

大迫  「だって、俺がオリンピックの予選に行ったら、先輩が試合にでちゃうじゃないっすか」

興梠  「出ちゃ悪いわけ」

大迫  「点も取らないのに出続けるのは、先輩のためにも良くないっすよ」

興梠  「あんまり本当のこと言わないでさ、テレビいっしょに見ない?」

大迫  「いいっすよ」


  柴崎、厳しい顔で向こうからやってくる。


柴崎  「興梠さん、これでも読んだ方がいいですよ」

興梠  「ん?三島由紀夫 葉隠入門?はいんって読むの?」

大迫  「はかくし入門でしょ。葉っぱであそこを隠すことですよね」


柴崎  「二人とも、レギュラーは無理みたいっすね・・・・・武士道とは死ぬことと見つけたり・・・・」        



ひまり   「まっしろ」

2012-02-13 23:06:06 | 日記
 
 柴崎、クラブハウスのラウンジで文庫本を読んでいる。


山村 「せんぱーーーーーーーい!How are you?」

柴崎 「何だよ、先輩、先輩言うなよ。俺は上下関係が嫌いなんだよ」

山村 「何読んでんですか?」

柴崎 「坂口安吾だよ」

山村 「例のヤツっすか?」

柴崎 「お前、U-23に選ばれたんだろ。こんな本読まない方がいいよ」

山村 「どれどれ??いわゆる良妻というものは、知性なき存在で、知性あるところ、女は必ず悪妻になる・・・・・

    えええ!うちの奥さん、知性ありますけど」

柴崎 「あるように見えるだけだよ、きっと」

山村 「あれ!言うじゃないですか、またU-23に選ばれなかったんで頭に来てるんでしょう」

柴崎 「ここを読めよ、男女の関係に平和はない。人間関係に平和は少ない。平和を求めるなら孤独になるに限る、そして

    坊主になるがよい」

山村 「確かに先輩、坊さん似合いそうですよ!でも俺は彼女といると平和な気分になるなあ・・・・すごく平和、永遠に平和っ

    て感じ」

柴崎 「それがお前が甘いって言うんだよ。もっと読めよ。年月も過ぎれば退屈もするし、欠点がわかれば嫌にもなり、

    矛盾をはらんでの人間関係であるから、平安よりも苦痛が多く、愛情よりも憎しみや呪いが多くなり、関係の深まるに

    つれて、むしろ対立が激しくなり、ぬきさしならぬものとなるのが当然である」

山村 「そうかなあ・・・・俺達、そうなりそうな感じ、ないんですけど」

柴崎 「今にわかるさ」

山村 「え!彼女もいないくせに」

柴崎 「ふふふふふふ、ま、女に不足したことはないから」

山村 「あのマレーシアって行ったことあります?」

柴崎 「大迫さんに聞けよ」

山村 「あの・・・大迫さんってまだ童貞だってうわさ、本当だと思います?」

柴崎 「いや、確かアルビレックス新潟戦で新潟に行ったとき、やったって聞いた」

山村 「え!マジっすか」

柴崎 「なんか色白でまっしろなニットを着ていた女の子だったらしい」

山村 「へえ、まっしろってなんか、いいですね!」

柴崎 「何が言いたいわけ?俺が雪国生まれだってこと?」  

山村 「浴衣着て 純白の帆に 射精する、でしたっけ」

柴崎 「袴着て 海の彼方に 写生する、だろ」  
  
山村 「やっぱ、先輩、記憶力悪いっすね」

柴崎 「たしかに白が似合う女の子っていいよね!」


ジーコの声 「Never give up ANTLERS!!」



 
  



ひまりは、広島の尾道出身の松瀬君と、大阪出身の門松君の路上ライブのデュオ。いつだったか、板橋区の町内会主催のコンサー

トか何かで歌ったのを聞いて、CDを買ったのを覚えている。ものすごく寒い日で、震えながらステージを見ていた。何故、その

場所に行ったのか覚えていない。そのCDには11曲入っていた。ラストの曲の題名は、「今日のこの日があなたにとって幸せで

ありますように」、だ。


鹿島アントラーズと、U-23チームと日本代表にとって、今年一年が幸せな一年でありますように!

忌野清志郎   「イヤシノウタ」

2012-02-12 22:53:51 | 日記
山村  「先輩、もうすぐヴァレンタインですね」

柴崎  「俺、あんま興味ないから・・・・」

山村  「先輩ってどんなタイプが好みですか?」

柴崎  「別に決まってないよ」

山村  「癒し系とかどうですか?」

柴崎  「俺はビシッとした女が好きだから・・・・・」

山村  「え?ビシって・・・・ひっぱたかれたかったりして」

柴崎  「俺ってMに見えんの?」

山村  「どっちかというとSに見えますよ」 

柴崎  「君の奥さんって癒し系じゃん」

山村  「そうっすね!」

柴崎  「俺は坂口安吾の悪妻論に影響されてるのね」

山村  「なんっすか、それ?」

柴崎  「夫婦はいわば弱点、欠点を知り合い、むしろ欠点において関係や対立を深めるのさ。知性あるところの夫婦の

     つながりは、むしろ苦痛が多く平和が少ないものなんだって。そしてそんな苦痛こそが人生で、夫婦は愛し合うのと

     同時に憎しみ合うのが当然で素晴らしいと言うんだ」

山村  「先輩、大丈夫っすか?飲んでます?それじゃ俺達、いい夫婦じゃないみたいじゃないですか!」

柴崎  「そういうことになるだろうな」

山村  「ジョルジーニョ監督に聞かせたくないな」
  
柴崎  「そうだね、大変なアントラーズになりそうだ。愛し合って憎しみ合って・・・・」









忌野清志郎をライブで聞いたのは一回だけ。渋谷のあるライブハウスに当時好きだった女性を誘ってみた。彼女は来なかった。

ルーマニアのジプシーバンドのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスとの共演でとても楽しいコンサートだった。

清志郎の存在感とエネルギーはもちろんすごかったけれど、「タラフはすごい!」「タラフはすごいよ!」と心から賞賛して

彼らを引き立てる心配りが忘れられない。


聞きながら普段は飲まないような強い酒を飲んだのを覚えている。

彼女が来ていれば、僕の人生はまったく違ったものになっていたと思う。

でも、今はそれで良かったと思っている。

去年のアントラーズのように僕に力がなかったのだ。