カイオの移籍に思う

　昨日、正式にアントラーズ側から、カイオが、UAEのアル・アインに移籍する発表がされた。ツィッターでは午前中から、カイオがクラブハウスに来ていると

いう情報が流れ、目を潤ませたカイオにサインをもらったなどというサポのツイートがあったので最後の１パーセントの確率も消えたんだなと覚悟はしてい

た。しかし、正式に発表されるとまた新しい衝撃がやってきて、昨夜はずっとYou　Tubeでカイオの二年半のプレーを見続けた。

 

　やっぱりいい選手だよなぁ・・・・・特に瞬間的なスピードの加速とか、ボール扱いのセンス、トリッキーな感覚は、日本人選手にはないものがある。見れば

見るほど引き込まれていって、やっぱりカイオはＪリーグレベルの才能じゃないな、という思いにとらわれた。今回はたまたまアル・アインからオファーが来

て、受けてしまったけれど、遅かれ早かれヨーロッパの強豪クラブからもオファーが来たと思う。それまで待っていても良かったようにも思うが、とにかくこの

ままアントラーズに居続けるには、ちょっと才能があり過ぎるように思った。

 

 

　今のアントラーズの第二列、遠藤や中村、杉本や優磨とは言っちゃ悪いが、モノが違うと言うか、同等には比較できないレベルのプレーをしている。アシス

トのパスなんかもすごく球筋が綺麗というか、精度も高くて、やっぱりこれはワールドクラスに成長していく選手だと思わざるを得なかった。今回の移籍はや

はり経済的な要因が大きかったのだろうが、カイオくらいの才能があれば、アル・アイン程度のクラブに家族の生活の保障をしてもらわなくても、自分の実

力だけでヨーロッパの名門クラブを渡り歩いて、がっぽり稼ぐことは可能だと思う。むしろここで大金を手に出来てしまって安心してしまい、サッカーに必死

に打ち込まなくなることが不安だ。正直、日本代表レベルでももったいない、やはり数年後はセレソンを狙って欲しい。

 

　逆に言えば、カイオがアル・アインで安心しきってしまい、伸び悩んで、またアントラーズのお世話になる、なんてことが起こった時には、カイオのサッ

カー人生としては失敗だったとも言えるのかもしれない。それくらい高いレベルまで行ける才能を持っていると思うので、移籍後は決して気を抜くことなく、

アントラーズ時代のように必死にサッカーに取り組んでほしい。とにかく大金を手にしてしまったので、ドバイのような超未来的な都市で遊び呆ける・・・・

なんてことが起こらないとも限らない。少なくとも茨城の田舎の鹿島よりも金を使って遊びまわる誘惑ははるかに多いだろう。カイオの才能が順調に開花

してきたのは、アントラーズのストイックな指導方針があったからこそとも言えると思う。UAEのサッカーは日本では見ることができないけれど、カイオが

ちゃんと努力しているのか、ずっと見届けていたい気持ちだ。

 

 

 

　　アントラーズにとってはカイオがいなくなることは大きな痛手だ。ほとんどのサポはずっといてアントラーズの中心になる選手だと信じ気って疑わなかっ

たところがあったのではないか？もしかしたら多くのサポはカイオの才能の凄さをまだ過小評価していたかもしれない。カイオ自身もそのことを感じていた

ような気がする。時々、イライラしたり、交代に不服そうにして不機嫌になったりするのも、今思えば可愛かった。正直、Ｊリーグに埋もれさせるのはもった

いない才能だと思う。UAEは外国人が八割だそうで、もう差別的なツイートなどはないだろう。この移籍を生かしてさらに大きく飛躍できるか、あるいは悪

い結果に終らせてしまうかは、これからのカイオの努力次第だと思う。とにかく慢心することなく、鹿島アントラーズが育てた、初めての世界の超一流の選

手になってほしいものだ。そして、アントラーズサポはいつも遠くからカイオのことを思っていることを忘れないでほしい。

 

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