ジーコ寅の「鹿島アントラーズよ永遠に」

昨年四月まであった、ジーコ寅の「名曲探偵アントラーズ倶楽部」に続いて開設したブログです。音楽部門は今回はやめました。

ドヴォルザーク   弦楽四重奏曲  「アメリカ」

2013-02-09 21:30:17 | 日記

  このところずっと柔道の女子日本代表選手への暴力問題が大きく報道されている。最近の日本柔道界の体質や、何かあっても表沙汰にしないで隠蔽して

しまう、日本社会のあり方を思うと、15人の選手がはっきり園田監督の暴力行為や、全柔連の姿勢を告発したのは当然だし、そうあるべきだと思う。

日本のスポーツ界でこういうことが起きるのは、体育会などに入った人などから見ると、「そうだろうな」と説明もなしに、納得してしまうような問題だ。

日本代表レベルのしかも女子が告発したとなれば、マスコミも大きく取り上げるし、暴力行為は良くないという当然な主張の味方になる人は多い。

 しかし、見ず知らずの他国で、東洋人であるというだけで、プロサッカーの試合中に人種差別を受けたら、こういう問題とは同列には考えらえない。

先日、ネットで、スロバキア二部リーグのリマフスカ・ソバタに所属する、中村祐輝という選手が、試合後に明らかに人種差別的な扱いを受け、チームメイトも

誰も助けてくれず、チームを退団したという記事を読んで、暗然とした気持ちになった。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130206-00000003-sbunshun-spo

 

 日本社会の中のいじめなら、どうしてそういうことが起きるのか、経験的にすぐに想像がつく。しかし、見知らぬ異郷の地で自分がどう扱われるかどうか

ということは、行って見ない限り全く想像がつかない。中村選手の場合は日本人だからという理由だけだったのかどうかは、ブログだけでははっきりしな

い。プロサッカー選手として、どれくらいチームに貢献していたのか、チームメイトとのふだんのコミュニケーションはどうだったのか?はっきり言ってお金

をもらえるようなプレーを続けていたのかは、彼のプレーを見ていない人には判断がつかない。

 ただ、そういう場所でも、プロサッカー選手なら、誰にも言わせないだけのプレーを続けていれば、それほど人種差別的な扱いは受けなかった可能性

はある。何かチームに溶け込んでいない、あるいはチームの足を引っ張っているように見えた、ということはあるかもしれない。少なくともプロのチームで

得点をバンバン取る選手を叩くということは、通常はあまり考えらない。

 中村選手への攻撃が明らかに人種差別的な感情をむき出しにしたものでも、それを取り巻く全体的な状況がわからないと、第三者には判断でいない

部分もある。だから、中村選手は自分のプレーの質やチームへの貢献度とは全く別のレベルで、人種差別的な攻撃を受けたというのなら、公式にでも

ブログでもいいから、その状況をはっきり説明し、サポーターの行為がおかしなものであることを説明する必要がある。

 http://ameblo.jp/yuki-nakamura64/

 

彼のブログを読むと、スロバキアの他のチームではそういうことはなかったからまた挑戦する、ということになったようだが、これだとスロバキアの国民に

人種差別の根があるのか、そのクラブチームの状況がそうさせたのか、あるいは彼個人のプレーも影響があるのか、たぶんどれもが複雑に絡んでいる

のかもしれないが、文章だけでは彼の置かれている状況がわからないのだ。

 あの川島選手でさえ、「カワシマ  フクシマ」とコールされて激怒したというから、ヨーロッパサッカー界全体に人種差別の根は間違いなくあるのだろう。

ただ、日本選手がこれだけヨーロッパで活躍している現状を考えると、「しょうがない」では済まされないものを多く含んでいる。

明らかにおかしいことは、どんな形でもいいから、「おかしい、間違っている」と抗議しないと、相手を認めることになってしまう。特に黙っていても相手が

気持ちを察することのない外国では、言葉にして自己主張しないと相手の言い分を認めたことになってしまう。

 確かに、中村選手がいた、リマフスガ・ソバタはチームとしても、サポーターとの関係も問題があったのかもしれない。チームメイトが誰も助けなかったの

も、ふだんのコミュニケーションがうまくいっていなかったせいもありそうだ。ただ、そういう状況から生まれるおかしさと、明らかに人種差別的な感情を剥き

出しにした攻撃とは、はっきり別のものだと本人が強く感じたなら、自分でそのことについて言葉で説明し発信しなければいけない。

 サッカーはうれしいことに音楽同様、世界共通の言語だから、誰が見てもいいプレーは、いいプレーだ。そういうプレーをしてもなお、評価してくれない

ということはあり得る。アントラーズサポでもアントラーズの選手や監督の評価が大きく別れることはよくある。しかし、誰が見ても素晴らしいプレーを続け

てもなお、理不尽な扱いをうけるようなら声を上げなければいけない。でないとまた同じ状況に出くわす可能性があるからだ。

 アントラーズに毎年、いい選手が入ってくるという事実は、そのあたりの信頼関係がしっかりしてるということだと思う。単に強いだけでは本当にいい選手

は入ってこない。勝つことはプロスポーツの世界では重要だが、クラブチームのサッカーで単なる勝利を超えた何かを示せるチームは、鹿島アントラーズ

だ。去っていった興梠や新井場、増田や岡本はそのことを時間とともに知るに違いない。今期は内容と結果が伴ったいいサッカーをシーズンを通してやっ

て欲しいと願います。

 

 

 

  

 

  

 

 わざとスロバキアのお隣のチェコの大作曲家、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲のアメリカを。

サッカー選手だって、ヨーロッパでプレーをするということは、日本の文化も背負っていくということです。そしてスロバキアの文化や国民性と交流すること

ですから、当地の文化や歴史に無頓着では、軽く見られて当然です。 チェコスロバキア時代のサッカーや体操の思い出はない世代でしょうが、そこで生

きる限り勉強しないで、人間として認められえることはありません。サッカー以外のことも必死で勉強してください。

 中村選手がスロバキアで成功することを祈って・・・・・

 

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