カキぴー

春が来た

「経済大国」の次に目指すもの

2010年11月09日 | 国際・政治
日本国民はいま、ある種の屈辱と苛立ちを感じているのではあるまいか? ひとつは経済大国として第2位の地位を中国に奪われることが確実になったこと、もうひとつは中国、ロシア2つの大国から領土問題で見くびられていることだ。 しかもこれららが同時進行してることで、不愉快な感情が増幅してきている。 まず後者においては日米関係を強化した上で、順序として粘り強い交渉、それで埒が明かなけれ第三者による仲介、そして最終的には国際司法裁判所において国際法にのっとった解決を、柔軟に且つ毅然として図らねばなるまい。  

前者について悲観することはない、当然のことながら国ごとに人口が違うので、各国の経済状況を比較するには通常のGDPではなく、「1人当りのGDP」で論ずるべきである。 因みに2010年4月の、IMF(国際通貨基金)発表の1人当りGDPリストによると、GDP世界第2位となる中国は世界第97位で、3678USドル(人口13億4571万人)。 一方GDPで3位に転落する日本は世界17位で、3万9731USドル(人口1億2716万人)。 但し為替レートベース。

そこで 「国民の幸福度世界第一位」にランキングされる北欧デンマークの数字を見てみると、1人当りのGDPは世界第5位で、5万6115USドル(人口551万1000人)。 北欧諸国のうち国土面積が日本より広いのはスエーデンだけ、デンマークは九州よりやや大きいくらい。 デンマークは優れた福祉国家として知られている。 充実した社会福祉を支えているのはきわめて高い税金。 世界でもトップレベルの高い課税水準にあり、個人収入の実に49・5%が所得税、また消費税は25%にも上る。 

第一次世界大戦では中立を維持したが、第二次世界大戦ではドイツ軍に占領された。 戦後「NATO」に、1973年には「EC」にも加盟し、後にNATOと対立したとはいえ「ノルデイックバランス」(北欧の均衡)を守り抜き、国連の非常任理事国も担当している。 平和維持活動にも積極的に参加しており、コソボ治安維持軍に380人、アフガニスタンに700人、海軍の最新鋭艦が海賊対策でソマリア沖に、イラク戦争では500人が戦後の復興活動に従事。 総兵力は少ないが、兵士の質の高さから国際社会からは非常に高い評価を受けている。

人口の差が大きいとはいえ、日本がデンマークから学ぶべきことは多い。 まず第一に 「自分たちの国をどんな国にしたいか」 この一点が明快であり、高福祉高負担に対する国民的コンセンサスがとれていること。 次に自国を守るため国際貢献に力を入れ、万が一他国からの侵略を受けても、国際世論を味方にできる素地を日頃から整えていること。 また教育と人材育成に力を入れ、競争力のある独自の産業育成に成功していること。 遅ればせながら我が国も今回の屈辱を機に、あらためて 「これからどんな国を目指すのか?」 これをまずはっきりさせ、国民の合意を図りながら、思い切った改革を進めるべきではないだろうか?。 それにつけても 「優れたリーダー」の出現が待たれてならない。 

 


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