辰年とConfucianism

2007年01月05日 | 政治学


たら~ん。このチャイニーズレストランでもらった辰年カレンダー、めっちゃめちゃ日本のカレンダーじゃないです?!漢字の「福」と、めでたい干支イラストのせいか、アメリカのカレンダーとは全く思えない雰囲気です。中国の「辰」は「イノシシ」ではなく「豚」だとどこかで知りましたが、ほんとに豚さんなんですねぇ。(感心)

さてさて、こういった「干支」は日本ではそこそこ気にされるものですが(何年生まれ?とか)、アメリカに干支の慣習はありません。もちろんこれは文化や歴史の違いからきてるんですが、日本は中国文化の影響を多大に受けてますから、中国の慣習の一つ、干支も長年使われているわけですよね。そして干支と同じく中国から受け継がれた慣習と言えばConfucianism(儒教)!
▼参照Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%84%92%E6%95%99

な~んて、何か特別なことを知っているかのような言い方ですけど、このConfucianismはアメリカ留学で学んだことの一つで、実は大学で履修した「Politics of China and Japan」のクラスでちょっとばかり教わったんです。詳しい思想は良く知りませんが、「年輩を敬う心」というのは孔子の教え:Confucianismの一つで、この思想は日本にも昔からあり、そのため日本人は相手の年齢をとても気にするんではないかと思います。つまり、もし相手が自分より年上であれば、それなりの敬意を表意しなければ!と考えるんですよね。(違う?)

「年輩を敬う心」というのは特に誰に教わったわけではないと思うんですけども、このパッパラパーな私にもしっかり身に付いてます。ま、時と場合によっては、年上だろうがなんだろうが態度はそう違わないかもしれませんが、私は基本的にある程度年上にはそれなりに気をつかいます。アメリカの場合どれだけ年が離れていようが、立場の違いがあろうが、ファーストネームで気軽に呼び合いますから、日本にありがちな「年齢差の壁」はほとんどみられません。でもそういうアメリカ社会にいても、やはり年下と年輩に対する自分の心境の違いは何気に感じるんです。たとえば、職場で年齢が離れた人には気持ち「受身」で話をしますし(ほんとに気持ち程度ですけど)、その仕事歴の長い人に対しては(よほどのことがない限り?)口答えやわかったような口は利きません。これって絶対にConfucianismの影響だと思うんですよねぇ。だってアメリカ人にはそういう部分はほとんど見られませんし・・・。

Confucianismの思想を少しでも知っている大学生や教授などで、ふとしたことで日本人の私の言動に対し、「それはConfucianismだよね」と言った人がいて、大学で(ほんの少し)日本政府を学んでいるときも、授業やテキストで日本人や日本政府に見られるConfucianismの影響について何度か触れられました。が、当の日本人である私は長年Confucianismなんて知りませんでしたし、年上を敬う心が中国の教えだなんて考えた事もありませんでした。

年齢差の壁のないアメリカ社会の空気は大好きですが、年輩や老人を敬う気持ちを大切にする中国や日本の慣習も大事だな、と思います。なぜならば誰も無駄に歳を取っていないから!こういうのは個人差が当然ありますけども、たとえば自分の10代の頃と比べると、やはり今の30代の自分のほうが知識も経験も豊富で多少なりともマシな人間に近づいている・・・はずなんですよ。そう考えると、きっとどの年輩からも学ぶ点はかなりあるはずだと・・・。でも当然若い人たちから学ぶこともたくさんあって、実際この留学中に知り合った年下の子達の中で感心させられる面を多少なりとも見てきて、年上が年下より勝っているとは一概には言えないんですけども、とりあえず、年輩を敬う気持ちは忘れずにいたいな~と。