※2回分を1回にまとめたのでちょっと長めです
最後まで読んでいただけたら嬉しいです
しゃがみ込んで立ち上がれなくなった豚に、ほとんどすぐ、声をかけてくれた人がいました。
もしかしたら、豚がフラフラしているのを見ていたのかもしれません。
「アナタ、具合悪いんじゃないの?大丈夫?」
全然大丈夫じゃなかったけど「だいしょうぶです…」と反射的に答えてしまう豚…。
その人は給水器から水を汲んできて、「これ飲んで」とワタスに手渡してくれました。
水を飲んだらかなり気分がマシになり、ワタスはイイかっこしい(人前ではカッコつけたい困った人間。いや豚。)なので(よせばいいのに)起き上がって「すいません、ありがとうございます、もう大丈夫です」と(苦)笑い、平気なフリで着替えを続けました。
…だって、もう服を着て(多分)帰ろうとしてる人に、申し訳ないじゃないですか…。
でも今になって、こういう場合は例え見ず知らずの人であっても「体調が悪いので誰か(スタッフ)を呼んできてほしい」と素直に伝えれば良かったのです。
なぜなら、
さらに具合が悪くなって、もっと迷惑をかけてしまったからあああああああああ…!
その人が安心して去った(と思った)途端に、やはり立っていられなくなった豚は、もうしゃがんでいるのさえも辛く、イイかっこしいどころではなく…
そのままその場に倒れ込んでしまいました。
約束の30分を過ぎたのでしょう、脱衣籠の中からワタスのスマホの着信音がかすかに聞こえてきます。
きっとボウからだ。30分になってもワタスが出てこないことを心配してるだろうから、なんとかこの状況を知らせたいのだけど、とてもそんなところまで手が届きません。(籠は上の方)
そしたらさっきの人(天使さんと呼ぶことにします)が戻ってきてくれて…
「アナタ、大丈夫?!」
「…すい…ませんが、外に…むすこ…が待ってるので…もうちょっと待っててと…」
天使さんは走って行って、ボウを探して、女湯には入って来られないボウからポカリを預かって(話を聞いてすぐに自販機で買って「母に渡してほしい」と頼んだんだそう…)女性のスタッフの方まで連れてきてくれました。
その後も天使さんと、もうひとり駆けつけてくれた女性客さんと、スタッフさんとで、水を飲ませてくれたり、座布団で寝場所を作ってくれたり、服を緩めてくれたり、背中をさすってくれたり…。
見ず知らずのワタスに、ここまで一生懸命親切にしてくれることに、涙が出そうになりました。
残念ながらワタスは、天使さんや、他の二人の顔をほとんど覚えていません。
(なのでイラストはイメージです)
意識はずっとあったけど、ただただ優しい声と、温かい手と、励ましの言葉だけ…。
そのうちやっと落ち着いてきたので、3人にお礼を言って、そこで少し休ませてもらうことにしました。
3人もワタスの唇の色が戻ってきたから、もう大丈夫だろう、と言って(唇に色がなかったそうなので、貧血だった可能性もあります…)帰って行きました。
最後の最後まで、振り返っては、心配りの言葉をかけて下さいました。
それから10分か、もう少しくらいか…
横にならせてもらったことで大分良くなってきたワタスは、さすがにボウが心配だったし、時間も気になったので、そおっと起きて、貸してもらった座布団と、ボウが買ってくれたポカリと、自分の荷物を持って脱衣所を出ました。
ボウは近くの椅子に座ってスマホ画面を見てたので、「はあ、良かった。ゲームして待っててくれたんだ」と思い、「や~~、ごめんごめん、ボウ!タクシー代はワタスが払うから~~(笑)」と明るく声を掛けましたら…
初めて見るような、その表情に、胸がズキン、と痛みました。
…そうだよね…。
もし逆の立場で、ワタスが「息子さんが倒れた」なんて聞いていたら、居ても立ってもいられず、男湯に飛び込んでたかもしれない。
その場にいて、どんな状態か見ることができれば、要らない心配までしなくてもすむのに、顔も見られない状況で、どれだけの心配をかけてしまったのだろう…。
ボウは呑気にゲームをしていたのではなく、その画面は『お風呂でのぼせた時はどうすればよいか』の対処法でした…
呑気なのはワタスひとりだけでした…
女性のスタッフさんも、もちろん天使さんたちも、もういなかったので、フロントの人にお詫びとお礼を言って座布団を返すと、入り口で送迎車のおじさんが手招きをしてくれました。
「え!」と驚いてボウを見ると、ボウは「うん…」と頷きました。
なんと、送迎の時間がとうに過ぎてるにも関わらず、ワタスとボウのためだけに、急かしもせず待っていて、車を出してくれたのです…!
おじさんは運転しながら、最初に飛んできた人(天使さん)は近所の人で、ここの常連さんだということ、ここの温泉は成分が強いから、自分も10分も入ってると汗が止まらなくなる、というようなことを話してくれました。
河毛の駅から帰っていく送迎車を見送りながら、豚は思いました。
この世にはたくさんの天使さんがいるということ。
上等なお酒と上等な温泉ほど、合体するとやばいということ。
これからはうんと気をつけよう。
大好きな温泉や優しい人たちに心配や迷惑をかけないように。
二度とボウや、大事な家族に、あんな顔をさせないように…。
これで『豚、温泉でブッタおれる』はおしまいです。
最後まで読んでくれてありがとう!
明日からはGW。ダオさんが帰ってきますので(嬉!)ブログはしばしお休みします。
豚は一家でまたまた懲りずに温泉に行く予定…
次の記事が『豚、またしてもブッタおれる!』にならないように、う~~~んと気をつけて行ってきます!
アナタ様も楽しいGWを!ではまた~
最後まで読んでいただけたら嬉しいです
しゃがみ込んで立ち上がれなくなった豚に、ほとんどすぐ、声をかけてくれた人がいました。
もしかしたら、豚がフラフラしているのを見ていたのかもしれません。
「アナタ、具合悪いんじゃないの?大丈夫?」
全然大丈夫じゃなかったけど「だいしょうぶです…」と反射的に答えてしまう豚…。
その人は給水器から水を汲んできて、「これ飲んで」とワタスに手渡してくれました。
水を飲んだらかなり気分がマシになり、ワタスはイイかっこしい(人前ではカッコつけたい困った人間。いや豚。)なので(よせばいいのに)起き上がって「すいません、ありがとうございます、もう大丈夫です」と(苦)笑い、平気なフリで着替えを続けました。
…だって、もう服を着て(多分)帰ろうとしてる人に、申し訳ないじゃないですか…。
でも今になって、こういう場合は例え見ず知らずの人であっても「体調が悪いので誰か(スタッフ)を呼んできてほしい」と素直に伝えれば良かったのです。
なぜなら、
さらに具合が悪くなって、もっと迷惑をかけてしまったからあああああああああ…!
その人が安心して去った(と思った)途端に、やはり立っていられなくなった豚は、もうしゃがんでいるのさえも辛く、イイかっこしいどころではなく…
そのままその場に倒れ込んでしまいました。
約束の30分を過ぎたのでしょう、脱衣籠の中からワタスのスマホの着信音がかすかに聞こえてきます。
きっとボウからだ。30分になってもワタスが出てこないことを心配してるだろうから、なんとかこの状況を知らせたいのだけど、とてもそんなところまで手が届きません。(籠は上の方)
そしたらさっきの人(天使さんと呼ぶことにします)が戻ってきてくれて…
「アナタ、大丈夫?!」
「…すい…ませんが、外に…むすこ…が待ってるので…もうちょっと待っててと…」
天使さんは走って行って、ボウを探して、女湯には入って来られないボウからポカリを預かって(話を聞いてすぐに自販機で買って「母に渡してほしい」と頼んだんだそう…)女性のスタッフの方まで連れてきてくれました。
その後も天使さんと、もうひとり駆けつけてくれた女性客さんと、スタッフさんとで、水を飲ませてくれたり、座布団で寝場所を作ってくれたり、服を緩めてくれたり、背中をさすってくれたり…。
見ず知らずのワタスに、ここまで一生懸命親切にしてくれることに、涙が出そうになりました。
残念ながらワタスは、天使さんや、他の二人の顔をほとんど覚えていません。
(なのでイラストはイメージです)
意識はずっとあったけど、ただただ優しい声と、温かい手と、励ましの言葉だけ…。
そのうちやっと落ち着いてきたので、3人にお礼を言って、そこで少し休ませてもらうことにしました。
3人もワタスの唇の色が戻ってきたから、もう大丈夫だろう、と言って(唇に色がなかったそうなので、貧血だった可能性もあります…)帰って行きました。
最後の最後まで、振り返っては、心配りの言葉をかけて下さいました。
それから10分か、もう少しくらいか…
横にならせてもらったことで大分良くなってきたワタスは、さすがにボウが心配だったし、時間も気になったので、そおっと起きて、貸してもらった座布団と、ボウが買ってくれたポカリと、自分の荷物を持って脱衣所を出ました。
ボウは近くの椅子に座ってスマホ画面を見てたので、「はあ、良かった。ゲームして待っててくれたんだ」と思い、「や~~、ごめんごめん、ボウ!タクシー代はワタスが払うから~~(笑)」と明るく声を掛けましたら…
初めて見るような、その表情に、胸がズキン、と痛みました。
…そうだよね…。
もし逆の立場で、ワタスが「息子さんが倒れた」なんて聞いていたら、居ても立ってもいられず、男湯に飛び込んでたかもしれない。
その場にいて、どんな状態か見ることができれば、要らない心配までしなくてもすむのに、顔も見られない状況で、どれだけの心配をかけてしまったのだろう…。
ボウは呑気にゲームをしていたのではなく、その画面は『お風呂でのぼせた時はどうすればよいか』の対処法でした…
呑気なのはワタスひとりだけでした…
女性のスタッフさんも、もちろん天使さんたちも、もういなかったので、フロントの人にお詫びとお礼を言って座布団を返すと、入り口で送迎車のおじさんが手招きをしてくれました。
「え!」と驚いてボウを見ると、ボウは「うん…」と頷きました。
なんと、送迎の時間がとうに過ぎてるにも関わらず、ワタスとボウのためだけに、急かしもせず待っていて、車を出してくれたのです…!
おじさんは運転しながら、最初に飛んできた人(天使さん)は近所の人で、ここの常連さんだということ、ここの温泉は成分が強いから、自分も10分も入ってると汗が止まらなくなる、というようなことを話してくれました。
河毛の駅から帰っていく送迎車を見送りながら、豚は思いました。
この世にはたくさんの天使さんがいるということ。
上等なお酒と上等な温泉ほど、合体するとやばいということ。
これからはうんと気をつけよう。
大好きな温泉や優しい人たちに心配や迷惑をかけないように。
二度とボウや、大事な家族に、あんな顔をさせないように…。
これで『豚、温泉でブッタおれる』はおしまいです。
最後まで読んでくれてありがとう!
明日からはGW。ダオさんが帰ってきますので(嬉!)ブログはしばしお休みします。
豚は一家でまたまた懲りずに温泉に行く予定…
次の記事が『豚、またしてもブッタおれる!』にならないように、う~~~んと気をつけて行ってきます!
アナタ様も楽しいGWを!ではまた~