全8回のうちの 7話。
ビタースィートカフェの ブルーブルーブルー。
この間の続きです。
(ここには 福永先生の川久保拓司くんは 出ません★)
私は もう一度 てんげん堂を探した。
私がこのコンタクトレンズを入れたお店。
それにしても 街を歩くと憂鬱になる。
あんなに元気そうな人が、
あんなに仲の良さそうなカップルのうちの一人が
もうすぐ死ぬ。
行って 教えてあげたら どうだろう?
でも・・、相手にしてもらえる訳がない。
避けられるだけ・・。(りか)
誰か お探しかい?(にじこ)
にじこさん??(り)
てんげん堂のにじこさんが 街角のポストの上に座っていた。
あんまり 私の周りを うろうろしないでくれる?(に)
すいません・・、ほんとに辛いんです。
これ 外してもらえませんか?(り)
よいしょっと!(に)
にじこさんは ポストから降りた。
黒いスカートが ふわっと広がった。
そのコンタクトレンズの おかげで友達の命を救ったんだろ?
良かったじゃん。(に)
なんで知ってるんですか(怒)! (り)
へへ~(笑)、そんなことよりさー。
喉渇いた、マックで 何かおごって。(に)
え・・。(り)
喉が渇いたって言うより お腹がすいたって事ですね。(り)
うーん、このダブルバーガー 超うまい!
このチーズ 最高ー。(に)
あのー、それ食べたら はずして もらえますよね!(り)
だからー、1ヶ月は 無理。(に)
そんなー。(り)
いいじゃん、楽しみなよ、青い世界。(に)
楽しめません!(り)
ここだけの話さー、あのパブロピカソにも 貸したんだよ、このコンタクトレンズ。(に)
へぇ??(り)
彼の絵でさー、「青の時代」って あんだろ?
あれさー、コンタクトレンズから見たDEATH、つまり「死」を書いたんだよ。(に)
まさかー、からかわないで下さい。(り)
それから 北野武監督の あのキタノブルーってさ、実は・・。(に)
北野武も このコンタクト??(り)
とにかくー、一回外すと また付けたくなるよ。(に)
そんな事 ありえません。(り)
(笑)・・。何だろー、えー、人間は 自分が一番賢いと 思っているかもしれないけど、私に言わせると 大バカだよ。(に)
何がですか。(り)
人間にとっての たった一つの真実を忘れてる。(に)
えー??(り)
誰もが死ぬってこと。(に)
そんな事くらい・・、知ってますよ。(り)
そうかい?見てごらんよー。ここから見える風景をさ。
大きな口を開けて アホみたいな事で 怒って、
少しの お金の事で 争ったり、いじめあったり。
あー、あほくさ。
私には みんな永遠の命があると 思っているように見えるね。
じゃなきゃさー、そんなヒマないでしょ。(に)
いつも死ぬとか 考えてたら 生きるのが辛くなるから・・。
忘れたいから・・。(り)
忘れてなんとか なるかい?(に)
それは・・。(り)
愚かだねー。(に)
じゃー、聞きますけど。(り)
なんだい?いやに 強く出たね。(に)
そんなヒマ無いなら どうすればいいんですか?
どうせ死ぬなら どうすれば いいんですか?(り)
あんたに しちゃ まともな事 聞いたねー。(に)
答えてください、バリューセット奢ったんだから。(り)
セコイね、あ~。(に)
にじこさん!(り)
それはー、何もしなくていいの。全ては 無意味なんだから。(に)
そんな・・。(り)
ただ死ぬのを 待つのさ。(に)
嫌です!(り)
へへー、そんなに嫌なら 捜せばいいじゃん。(に)
えぇ?(り)
あんたにとって 意味のあることを。(に)
意味って・・?(り)
あーぁ、食ったら 眠くなってきたー。じゃー ごちそうさん。
あー、それさー、一ヶ月たったら 自然にとれてるから もう店にこなくていいから。(に)
そんな・・、にじこさん。(り)
よしむらりか!今日は なかなか面白かったよ。あははは。
まあ、せいぜい元気に死ねよー。ははは。(に)
にじこさんは、黒いスカートを翻して店から 出て行った。
私は すっかり氷がとけたアイスコーヒーをすすった。
意味・・? そんなこと・・。
携帯がなる。
まいこだ!
まいこ? 今 どこ?(り)
ん? 渋谷だけど。会える?(ま)
うん、いいけど。(り)
なんか 外に出るの 怖かったけどさー、やっと落ち着いたから ひさしぶりに、遊園地に行きたいなー。(ま)
いいねー、私もすっきり したい感じ。じゃ、渋谷に着いたら電話する。(り)
オッケー。(ま)
私は 化粧室に入った。そして・・、
えぇぇー!!(り)
大きな鏡に 写った私の顔は 絵の具を塗ったように まっさおだった。
終わり☆です。
一回分だけで なんか残念ですね。
再放送 ないのかな~。
前後が 気になります。