卒後5年は地元の医療機関で働くことを義務化したら。
志田周子を題材にした小説「風吹峠」に込めた思いを語る高橋義夫さん=西川町・西川交流センター 雪深い西川町大井沢地区で地域医療に生涯をささげた女性医師志田周子(ちかこ)の生誕100年を記念した講演会とコンサートが16日、西川町の西川交流センターで開かれた。周子をモデルにした小説「風吹峠」などで知られる直木賞作家高橋義夫さん(山形市)が、講演で「住民には相当な安心感を与えていただろう」と述べ、米コロラド州在住のシンガー・ソングライターの岩瀬明美さんは、その生き方に感銘を受けて作った「月の山」などを披露。無医村だった地域の小さな診療所で、住民たちの健康を守り続けた女性に光を当てた。
周子は1910(明治43)年生まれ。東京女子医学専門学校(現東京女子医大)を卒業後、「3年でいいから」という父の要請で、35(昭和10)年から人口1500人の大井沢地区でただ1人の医師となった。生涯独身で地域医療に尽力し、62年にがんで亡くなった。医師の傍ら、婦人会長や村議会議員も務めた。
ゆかりのある住民や各団体、町、県の関係者がことし6月、「やまがたの宝『志田周子』資源活用化実行委員会」(会長・志田義郎大井沢区長)を設立。生誕100年を契機とし、功績や魅力をまとめたパンフレットを作製し、映像化の実現や現存する診療所建物の活用などを目指して活動している。
この日、講演した作家の高橋さんは、生涯独身で地域に貢献した周子の存在について「住民には相当な安心感を与えていただろう。もし長生きしていても、ずっと小さな診療所で診察を続けたのではないか」と考察。一方で「彼女の生き方は美談にされがちだが、女性としてあまりにかわいそうではないかと思い、小説を書いた。作品には恋人が登場するが、根も葉もない話ではなく、本人が詠んだ歌に恋人の存在がうかがえるものがある」と、1人の女性としての周子像にも触れた。
志田周子 シンガー・ソングライターの岩瀬さんは、自らが作詩作曲した「月の山」を各地のコンサートで必ず歌っているといい、この日も豊かな声量をチェロの音に乗せて披露した。 (地域医療に生涯ささげた女性医師 志田周子生誕100年の講演、演奏会|山形新聞)
志田周子を題材にした小説「風吹峠」に込めた思いを語る高橋義夫さん=西川町・西川交流センター 雪深い西川町大井沢地区で地域医療に生涯をささげた女性医師志田周子(ちかこ)の生誕100年を記念した講演会とコンサートが16日、西川町の西川交流センターで開かれた。周子をモデルにした小説「風吹峠」などで知られる直木賞作家高橋義夫さん(山形市)が、講演で「住民には相当な安心感を与えていただろう」と述べ、米コロラド州在住のシンガー・ソングライターの岩瀬明美さんは、その生き方に感銘を受けて作った「月の山」などを披露。無医村だった地域の小さな診療所で、住民たちの健康を守り続けた女性に光を当てた。
周子は1910(明治43)年生まれ。東京女子医学専門学校(現東京女子医大)を卒業後、「3年でいいから」という父の要請で、35(昭和10)年から人口1500人の大井沢地区でただ1人の医師となった。生涯独身で地域医療に尽力し、62年にがんで亡くなった。医師の傍ら、婦人会長や村議会議員も務めた。
ゆかりのある住民や各団体、町、県の関係者がことし6月、「やまがたの宝『志田周子』資源活用化実行委員会」(会長・志田義郎大井沢区長)を設立。生誕100年を契機とし、功績や魅力をまとめたパンフレットを作製し、映像化の実現や現存する診療所建物の活用などを目指して活動している。
この日、講演した作家の高橋さんは、生涯独身で地域に貢献した周子の存在について「住民には相当な安心感を与えていただろう。もし長生きしていても、ずっと小さな診療所で診察を続けたのではないか」と考察。一方で「彼女の生き方は美談にされがちだが、女性としてあまりにかわいそうではないかと思い、小説を書いた。作品には恋人が登場するが、根も葉もない話ではなく、本人が詠んだ歌に恋人の存在がうかがえるものがある」と、1人の女性としての周子像にも触れた。
志田周子 シンガー・ソングライターの岩瀬さんは、自らが作詩作曲した「月の山」を各地のコンサートで必ず歌っているといい、この日も豊かな声量をチェロの音に乗せて披露した。 (地域医療に生涯ささげた女性医師 志田周子生誕100年の講演、演奏会|山形新聞)