ぼけの花

のらりくらり日々感じたこと。
自分のための記録。

なくなってしまったもの のこりつづけているもの

2017-11-08 00:32:38 | にっき
小中学生時代を宮城県名取市で過ごした。

昨年大ヒットした映画「君の名は。」の新海監督は震災後の名取市閖上を訪れて、
「ここに自分がいてもおかしくなかった。
もしも自分があなただったらという入れ替わりの作品をつくろうと思った。」
…というようなことを今年の3.11のテレビで言っていた。

わたしは名取市でも住所に「丘」という字が付くぐらい小高い地域に住んでいたのだが、わたしにとって閖上と言えば朝市とサイクリングロードである。
毎週日曜開かれる朝市がうちの両親は大層お気に入りで、小学生のわたしは寒い中気が進まなかったがボリューム満点で美味しいお好み焼きを楽しみに眠い目を擦りながら付いて行っていた。
サイクリングロードは自転車を借り、今思えば何が楽しかったのだろうか、海沿いをただひたすら往復するというだけなのだが当時老若男女皆こぞって自転車漕いでた。
前出の友人ともよく走ったものである。

その閖上は今、市営住宅や水産加工工場がいくつか新しく建っているのみで、後は防潮堤の建設やかさ上げ作業の為ダンプカーがひっきりなしに走っていた。



(日和山より閖上を見渡す)
なーんもない。
なんにもなくなっちゃってる。

地震発生直後、名取に住む友達に大丈夫?とメールしたら
「大丈夫 閖上やばい」
とだけ返信が来て、その後もうメールは電波混乱で通じなくなってしまった。

(上:震災前 下:震災後)
こんなにも海や川に近かったんだね。
なんとも言えぬ気持ちになり鼻の奥がつんと痛んだ。
もっと早く来たかったけど現実を目の当たりにするのが怖かった。
忘れてはならぬ。この光景。

母校にも行ってみた。

小学校。
ボロい!
30年前と変わらずボロい!

人数も減ったのであろう、この学校に閖上の小学校が間借りしているようだ。

調べてみたら来春開校目指し小中一貫校として現在閖上に建設中との事。

今時珍しく校庭がオープンだったので入ってみた。

変わらない。
さすがにプールと体育館は新しくなっていたが校舎は当時のままだ。
小学3年生の頃、暗くなるまで逆上がりの特訓を母とやったなぁ…(大運動音痴)。

こちら中学校。
わたしが中学2年の時この校舎になったので比較的きれいには見える。

音楽室の窓に日焼けた千羽鶴がたくさんぶら下がっているのが見えた。
吹奏楽部のコンクール金賞祈願だ。
昔は本当に鬼のような先輩がいっぱいいて、ここでわたしは忍耐と意地の強さを身に付け、そして音楽を知ったのである。
ふふ。懐かしい。

大好きな場所であるはずなのに、時間がないを理由にして本当はいろいろ苦しくて来られなかった宮城。
沿岸部の復興を祈ると共に、ようやく来る事ができてちょっと肩の力抜けた。

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