ぼけの花

のらりくらり日々感じたこと。
自分のための記録。

サロメ

2017-09-09 00:44:35 | どくしょ

かれこれクラシック音楽に長く親しんできたので、サロメと言えばリヒャルト・シュトラウスである。
むかーし演奏会でやることになり大層難しい曲だったが、当日司会の方がこの曲を紹介する時、この曲は非常に官能的…サロメの踊りがとても官能的で…と、何回官能的って言った?というぐらい熱く連呼していたことがやたら印象に残っている。

去年から「累」という漫画を読み始めた。
醜い容姿の主人公がある特殊な方法で他人の顔を奪い、そしてその人の人生を奪い、舞台女優として演劇を通し己を表現しつつもこれで自分はいいのかと悩み、葛藤しながら突き進んでく…みたいな話。
確か4巻あたりで、サロメを演じるシーンがある。

先週、図書館で原田マハのサロメが目に止まった。
この人はキュレーター…学術的専門知識を持って美術館で仕事をしていたという経歴があり、絵画に造詣が深いようで、この本は戯曲サロメを書いたオスカーワイルドと、その挿絵を描いたビアズリーの関係を中心とし史実に基づくフィクション。
…いやー、これが…とても面白かった。
これ読んじゃうと、ワイルドが書いた大元のサロメを読みたい。ビアズリーが描いた他の挿絵を見たい…となり、ついに憧れの岩波文庫を購入してしまった。
(岩波文庫の本って、本読んでる人!って感じがする…)

サロメとはなんぞや?
と言われると、こういう内容で、書かれた背景やワイルド自身の人生含めタブー要素がいっぱい。
よく、
どこまでが芸術なのか?
という論議が持ち上がることがあるけど、芸術に限らず物事って紙一重の部分が肝になると言うか、スレスレの感情のところがなんとも切なく人間らしいと言うか。
とにかく今回、サロメに関して出て来る人物、皆が皆、嫉妬に狂い遂げられない想いがある。
あぁ世の中不条理。
でも芸術ってそういう中から出てくるのも多いよな。

ビアズリーの他にもサロメを描いた人がいたり、リヒャルトシュトラウスもオペラにした訳で、それだけ多くの人を魅了するサロメってすげー。

せっかく読んだ本、時間経つと内容忘れてしまったりするから読んだ時の感想を残しておきたいんだけど毎度の事ながら語彙力不足で全くまとめられない…。
オツム弱い自分が恨めしい。

ちなみにWikiで不条理を調べると、「高度の滑稽」と記載されている。
妙に腑に落ちた。アハハ。