何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

いざ…東大寺へ5月17日再出発

2013年05月10日 10時25分00秒 | Weblog
4月29日

悲しいという思いは無かった。ただ淡々と唄い続けていた。
歌は後半にさしかかって…
〓涙は出なかった
山の麓の小さな家の~石垣の下の坂道で
きっとばあちゃんが待っているだろう~〓

頭の中の映像に母を待つ父の姿が浮かんだ。
「ふみぃ〓(母の名は文)、なにぐずぐずしとったんや、人を10年も待たしやがって、サッサと来んかい。ほな行くど。」
石垣を上っていく二人の姿が暮れゆく山に溶けていった。

悲しくは無かった、なのに声は震え涙が止めどなく溢れ思わず声をあげて泣きだしそうになった。