母が亡くなって4度目の夏。辛くて悲しかった夏の思い出も、幼いムスメたちと過ごす賑やかな夏休みの思い出に塗り替えられてきている。
父と兄の男所帯となっている実家は、チビ2人を連れて行くには難しく、なかなか足が向かない。この夏、姉が来るタイミングに合わせて、1泊だけ、お盆に顔を出した。
実家は、母がいた頃とは全く姿を変え、居心地がいい場所とは言い難いものとなってきた。20年以上一人暮らしをしていた兄が、父の為に家に戻ってきたが、すごい量の荷物で、あちこちが雑然としている。兄も必死で家事をしてくれているけど、仕事もしているので、行き届かないところはそこら中。部屋の埃は湿気も吸って、かなり頑固な汚れと化し、ハウスダストアレルギーの私と喘息持ちの姉の娘は、鼻水ダラダラのゼイゼイになってしまった。
父は認知症がゆっくりと進行している様子が、一日半の滞在でも垣間見えた。私のことを姉の名前で呼んで、違うことを指摘してもあまり腑に落ちない様子だった。お風呂もトイレも、あまり上手にこなせていないようだったし、記憶も曖昧ですぐに言われたことを忘れてしまう。昔、家族に起きたであろうことを聞いても、思い出せないようで、父と思い出話を(もともとする人ではなかったけど)することも叶わなくなった。
ああ、ここはもう私にとって “戻ってくる場所” ではないな…と、痛感した。
かつて私の部屋だった場所には、今もたくさんの物が残っていて、それは確かに今の私をつくった過去で、私を懐かしい気持ちにはさせてくれるけど、またここに戻って来たい、という程の想いまでは掻き立てない。
母親の死は、つまりは帰る場所をなくした、ということでもあった。時々、途方もない寂しさに襲われる。
父と兄の男所帯となっている実家は、チビ2人を連れて行くには難しく、なかなか足が向かない。この夏、姉が来るタイミングに合わせて、1泊だけ、お盆に顔を出した。
実家は、母がいた頃とは全く姿を変え、居心地がいい場所とは言い難いものとなってきた。20年以上一人暮らしをしていた兄が、父の為に家に戻ってきたが、すごい量の荷物で、あちこちが雑然としている。兄も必死で家事をしてくれているけど、仕事もしているので、行き届かないところはそこら中。部屋の埃は湿気も吸って、かなり頑固な汚れと化し、ハウスダストアレルギーの私と喘息持ちの姉の娘は、鼻水ダラダラのゼイゼイになってしまった。
父は認知症がゆっくりと進行している様子が、一日半の滞在でも垣間見えた。私のことを姉の名前で呼んで、違うことを指摘してもあまり腑に落ちない様子だった。お風呂もトイレも、あまり上手にこなせていないようだったし、記憶も曖昧ですぐに言われたことを忘れてしまう。昔、家族に起きたであろうことを聞いても、思い出せないようで、父と思い出話を(もともとする人ではなかったけど)することも叶わなくなった。
ああ、ここはもう私にとって “戻ってくる場所” ではないな…と、痛感した。
かつて私の部屋だった場所には、今もたくさんの物が残っていて、それは確かに今の私をつくった過去で、私を懐かしい気持ちにはさせてくれるけど、またここに戻って来たい、という程の想いまでは掻き立てない。
母親の死は、つまりは帰る場所をなくした、ということでもあった。時々、途方もない寂しさに襲われる。