”玲瓏”管理人のつぶやき

"玲瓏:羽生善治(棋士)データベース"管理人たいがーの独り言(HP更新情報含む)

HERO'S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント

2007年08月29日 | 桜庭和志
 9月17日(月・祝)横浜アリーナで開催される。自分もチケット購入しようとしたが時すでに遅しでいい席なくテレビ観戦にします。ヤフオクでは2倍~3倍の値がついてたりしますね。

 桜庭選手のスーパーファイトの相手は、柴田勝頼(日本/ARMS)選手。船木とマンツーマン特訓の若手。総合格闘技初戦ではあの山本宣久選手をパンチで秒殺し鮮烈なデビューをかざるも2戦目ハレック・グレーシーでは鮮やかに腕関節を取られ一本負け。桜庭選手が熱くならなければ負ける要素が見当たらない。プロレス的なシナリオでは、桜庭勝ちでセコンド船木が出て大晦日を煽るという図式でしょうか?

 チーム桜畑で練習するユン・ドンシク。あれ?所属はフリーなんだ。スーパ-ファイトに登場。相手はゼレグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)。メルヴィン・マヌーフにボコボコに殴られながら、関節一本取ったときはびっくりしました。今度はどうでしょう?

 オープニングファイトでは、桜庭率いるチーム桜畑所属の高橋渉選手と、赤いパンツの人田村率いるU-File Camp所属の西内太志朗選手。これもある意味、見所満載ですね。

 美濃輪育久改めミノワマンは、ヒクソン・グレイシー柔術アカデミーのケビン・ケーシーと。何でもヒクソンがセコンドにつくようで、久しぶりに400戦無敗男のお姿拝めますね。

 山本“KID”徳郁がブラジリアン柔術の猛者ビビアーノ・フェルナンデスと対峙。こちらも今からわくわくしますね。KIDが関節とられずにパンチ、膝でKOできるかが鍵でしょう。

 ミドル級世界王者決定トーナメントは、自分の望んでいたカード、J.Z.カルバン対ビトー“シャオリン”ヒベイロ、まったく展開が読めません(^^;もうひとつのカードは、所選手を破ったブラックマンバ対宇野薫だったけどマンバが負傷のためシュートボクセのアンドレジダに変更となった模様。宇野にとってはより厳しくなった感が否めない。がんばれ宇野!

甲子園という魔物

2007年08月24日 | イチロー
 第89回全国高校野球選手権大会は、広島県代表の広陵高校と佐賀県代表の佐賀北高校の決勝となった。ボストンレッドソックスで活躍する松坂大輔選手の横浜高校ノーヒットノーラン優勝のときもそうだった。昨年のマー君対ハンカチ王子のハイレベルな投げ合いもそうだった。今回もドラマティックな展開となった。7回までヒット1本に抑えられていた佐賀北が8回逆転満塁本塁打をかっ飛ばしそのまま逃げ切り優勝したのだった。

 広陵高校エース野村投手の調子はよかった。7回まで10奪三振、被安打1、失点0。自慢のスライダーのキレがよく、佐賀北高校につけいるスキがないように見えた。誰もがこのまま広陵高校の優勝かと思った土壇場だった。

 問題の8回。布石はあった。キレのあるスライダー、この球を佐賀北選手が度胸良くか?捨てにかかった。見送る。審判はボールとジャッジ。いや、それはストライクでしょう、と思えた球もボール。それまで伸び伸び投げていたエース野村投手の腕が小さくなっていく。そして押し出し。そして、そして逆転満塁ホームラン。

 審判がストライクとジャッジしてくれていたら間違いなく結果は異なっていただろう、というたらればはある。しかしそういうものを含めて野球なのだ。広陵高校の捕手があからさまにどうしてこれがストライクじゃないの?というジャスチャーもあった。もっともだと思った。高野連は審判は絶対だと主張する。広陵高校の監督が選手をかばい審判を批判するコメントも出した。高野連は厳重注意をした。

 MLB1年目の松阪選手、そして岩村選手も実はその洗礼にあっている。日本よりMLBの審判の質は悪いだろう。気分でストライクゾーンが変わっているようだ。日本人には考えられないが、MLBのストライクゾーンは外角低めが広く、台形のようなものと解釈されているのが一般的だ。

 それまで常識だと思っていたものが通用しなくなったとき、あらためて何が答えとなるかを考えられるか?なのだ。審判がストライクをボールと判定したから審判のせいにするのでは進歩は望めない。ある意味、それは機械でないファジーな人間社会の縮図かもしれない。

 審判が判定したボール、ストライクからその審判のストライクゾーンを判定し回が進むにつれ変化していくところまで柔軟に読むことができるか、そんなところまでプロはやっているんですとひけらかしてくれたのが江川卓氏だった。高校生にはまだちょっと辛かったか。

 ひとつ言えるのは、甘い球を逃さずそれをホームランした佐賀北3番久保選手が優勝貢献人だということだ。言うのは簡単だがなかなか甘い球をホームランしろと言われてもできない。ましてや決勝戦8回という土壇場だ。プレッシャーは尋常でない。結果がすべて。そんなこんなでやっぱり佐賀北高校ナインを褒めるべきなんでしょう。優勝おめでとう。

第09回京急将棋まつり

2007年08月18日 | 羽生善治
 将棋まつり、今年は京急の初日、2日目に夏休みを取得して行ってきました。初日は、道場の先生が出演されるのでその応援と2日目たいがーメイン(もちろん羽生さん(^^))の下準備ということで。2日間全体を通しての感想。引退された佐伯先生が京急将棋まつりのホスト役、その補佐として精力的に動かれている中村修八段の姿が印象的でした。自分としては昨年の東急東横よりは楽しめました。ただ、購入しようと思っていた布盤がないなど東急東横よりは将棋関連商品の品揃えはイマイチだったかな?

 初日は道場仲間が集合して先生を盛り上げました。テーマは振り飛車。三間飛車の中田コーヤン、ゴキゲン中飛車の近藤六段、藤井システムの藤井九段、そして勝又教授、富岡八段、タカミチ九段。随処にミニ講座などあって面白かったです。コーヤン、ゴキゲン近藤六段のトークははきはきして聞きやすく、藤井九段はぼそぼそなんだけどナンダカ面白くて聞き入りました。がっかりだったのは勝又教授。滑舌がよくて聞き取りやすいんだけど、あの高飛車なもの言いと講座の内容が安易く期待倒れでした。

 2日目、われらが羽生三冠登場。羽生三冠は前日大阪阿倍野の近鉄将棋まつり参加で翌日この横浜と相変わらずのスケジュールです。そんな過密スケジュールを微塵も感じさせないタフネスぶりはただただ感心させられます。道場仲間Estuさんと「やっぱりどんな業界もそうかもしれないけど、トップに立つ人はタフじゃないと勤まらないんじゃない?」二人で頷くばかり。そして羽生三冠人気にあらためて驚き(*_*)、席は初日の2倍に増設。いやあ、凄い人でした。

 まずは特別対局、瀬川晶司四段戦。王座戦挑戦者決定戦、久保八段vs森内名人で見られたあの戦型へ。玲瓏データでは羽生さん将棋まつりバージョンがあって、アマチュアにわかりやすい駒さばき(?)でかつ飛車角が飛び交う空中戦にすることが多いようです。瀬川四段はバランス重視で反撃を試みるも羽生三冠に角をさばかせない形に押さえ込まれ、結果は羽生三冠の貫禄勝ち。瀬川四段「羽生さんはやっぱり強かったです。」

 次に羽生三冠お一人でのフリートークと鈴木環那女流司会での「羽生さんに聞いてみよう」コーナー。それではフリートークの内容を…。

 恒例化している夏のイベント「将棋まつり」ということではじめに主催者の方後援者の方に御礼の辞。「将棋まつり」、将棋ファンとしてはこれからも継続してほしいイベントです。対局する瀬川さんにまつわりアマプロ問題。将棋と相撲は古来アマ・プロの差は歴然と言われていたものの昨今は違うとのこと。やはりアマがプロ棋戦に参加できるようになったことが大きいとは羽生さん弁。羽生さんとしては、広く門戸を開くことになったプロへの道、瀬川さんのように実力もあって人柄もよくプロにふさわしい人にはもっと出てきていただきたいとも語っていました。

 この日行われていた羽生三冠杯将棋トーナメントにちなんで、ご自身が子供の頃にいろいろな大会に出たことについて。神奈川、東京、千葉(真っ先に神奈川をあげるなど細かいですが気遣いですね)の大会に参加して、森内名人、郷田九段、先崎八段と出会ったエピソード。「30年近く経ってもおんなじように将棋指してたりします(笑)」いやいや、なかなかそんな関係作れません(笑)

 将棋の良さの1つ、世代を超えられるということ。15歳でデビューして羽生さんのプロ2年目、御年72歳になる小堀先生と順位戦。終局自体深夜午前様になったがなんと朝5時まで感想戦をし、さすがに疲れて自ら「お先に失礼します」。いい思い出になったとのこと。また日本にある伝統的な存在であることも述べられました。お茶、お花と同じ家元制度から端を発している将棋。400年もの間ルールが不変であり続けること自体綿密さを物語っている。それから着物。タイトル戦で着物の着用が義務つけられていないがそういう不文律こそ伝統であり格式で大事にしていきたいと。

 将棋上達について。詰将棋を簡単なものでも毎日解く。ご自身が十代の頃は将棋図巧と将棋無双を解いたエピソード。3年半もの長い期間であったが、続ける重要性、「継続は力なり」を身をもって経験したとのこと。

 将棋はメンタルな戦い。そのときの状態に影響されやすい。一手詰めをうっかりして負けたことが鮮烈な思い出。プロとしては失格であり、相手もまさかの手にアワアワした様子。よく揮毫する「玲瓏」の心境、平常心でいること、冷静でいること、それを心がけている。

 そして「羽生さんに聞いてみよう」コーナー。

Q1.お子さんに将棋を教えたいですか?
A1.1度やらせたけど興味ないみたいです(苦笑)。他の世界に比較して将棋界は2世や兄弟は少ないように感じますしどうでしょう?でも、身内には厳しくなりがちなので、最初はやさしく教えてあげることがいいかもしれませんね。

Q2.渡辺竜王(現在23歳)と羽生三冠の23歳の頃ではどちらが強いですか?
A2.敵わないんじゃないですか?(笑)(会場から”そんなことないっ”という掛け声に)いや、ありがとうございます。なんか、今日はノリがいい人が多いですね。でも、渡辺さんはしっかりしていると思います。将棋もそうですし、人間性もそうです。ブログで情報発信し続けているのはなかなかできそうでできないことと思います。

Q3.女流棋士と対戦するときは目のやり場とか大変ですか?
A3・公式戦では経験ないですが、非公式で20局ぐらい経験あります。ただ、そうですね、将棋の対局が始まってしまうと男女の違いがあるわけでなく同じ将棋、気になることはないです。目というとよくニラム、ニラムと言われますが、目つきが悪いだけですので(笑)

Q4.中だるみ、集中力を保つ秘訣は?
A4.タイトル戦などの対局で5時間ぶっとおしで集中力を維持することは無理です。考えどころでは考え、休むときは休む、そういったメリハリが必要と考えます。普段の勉強もそうですね。無理なく続けることが肝要だと思っています。(いつもはどれくらい研究されているかの問いに)わかりません(即答)。気分次第でやりたいときに集中してやることが多い。それが”長い”棋士生活を考えるとベストと思っています。

Q5.スランプの抜け出し方は?
A5.それがスランプか、はたまた実力がないかの見極めを先にすることが大事です。実力がなければそれを補う勉強することです。これしかありません。スランプのときは気分転換でしょうか?そして勝っても負けても引きずらず忘れることでしょうか?

Q6.また七冠になれますか?
A6.近くになったら考えます(苦笑)。何と言えばいいんでしょう、例えば100連勝できますか?と質問されるのと同じなんです。考えるのも億劫になるというか(苦笑)。それが90連勝できたら少しは考えることができるかもしれません。マラソンでも、あと50kmだよと言われると途方に暮れそうですが、1kmずつ目標を刻めば気持ちが楽になります。目の前の一歩一歩をまず着実に進みたいです。

Q7.(お子さんの質問で)何段でプロになりましたか?
A7.四段になったらプロと呼ばれます。でもアマからイキナリはなれません。まず奨励会というところに所属することが必要です。そうですね、アマ四段が奨励会6級くらいでしょうか?(管理人弁:羽生さんはアマ五段で奨励会6級に入会されました)

Q8.スーツはコナカで購入されましたか?
A8.みなさんと同じようにスーツは購入します。ええ、みなさんはぜひ京急百貨店でお買い求めください(笑)

Q9.将棋は辛いものですか?
A9.”将棋”というと”長い”という言葉が浮かびます。例えば他の人の対局を見ていると1時間の長考があるとまだ指さないのかなあと思ってしまいます。好きなことを続けてこられているので辛いと印象はありません。

Q10.(お子さんの質問で)得意な戦法は何ですか?
A10.横歩取りですね。子供のときは急戦でやっていました。すぐ勝敗が決まったりしました。(一番勝率のいい戦法は何ですか?の質問に)ええっと、何でしょう?
(今度調べておいてもらえますか?の問いかけに)はい、わかりました。(羽生さん、玲瓏DBに項目増やしました。(^^))

Q11.(お子さんの質問で)将棋は何が一番大事ですか?
A11.いい質問ですね~。やっぱり気持ちですね。大事なところでも"踏み込んでいく勇気”が重要じゃないかなと思います。(自分を信じることが重要なんだと?という問いかけに)それが一番難しいんです。でも、そうですね。自分を信じて踏み込んでいくことができればいいですね。

以上、羽生さん、お疲れ様でした。

先達に聞く

2007年08月07日 | よもやま
 昨晩は、私生活でいろいろ大変なことがあって、その筋の専門家のれなすけさんにご相談しながらの呑み会。たまたま池袋に出てこられていた女流棋士のH・S先生もご一緒して3人で…。

 H・S先生のはじけたコメントを聞きながら、れなすけさんの適切なアドバイスに耳を傾ける。ふむふむ、なるほど、自分が思っていたことをズバリ指摘してくれたりして素直に聞ける。H・S先生のお茶らけは一服の清涼剤に(^^;;

 今日の教訓「金を使うときは気を使うな、金を使わないときは気を使え」

 

K-1 WORLD GP 2007 IN HONG KONG

2007年08月05日 | 桜庭和志
 主役は武蔵だった。藤本にKOで敗れた。一線から退く決意もしかけた。選手生命後がない。そんな中のトーナメント初戦、金的蹴り3発。本来ならドクターストップ。それを押し切り試合再開。闘志をむき出しにしたかつての、かけあがる頃の、武蔵がそこにいた。最近陰を潜めていた1、2,3の攻撃が出る。失神したパク・ヨンス(韓国)に、武蔵が吠え、怒鳴り、襲いかかる。セコンドが止めに入っても、興奮はおさまらない。これだ、これだよ、武蔵っ。

 いつの間にか、相手を見るようになった武蔵。5本の指に入るとされた防御が逆に仇になる。二の次、三の次の攻撃が出てこない。スウェーバックするだけ。じれったい武蔵となった。結果は当然のごとくそれに追随した。あげくの果てに藤本にKO。

 試合序盤、金的蹴りを3発、最後の1発はファウルカップも割れたかというくらいまともに入った。試合中断。ドクターストップもかかった。しかし本人は「このままでは終われない」と拒絶。3試合を消化した後に再びリングに立ち、左ハイキック、左右フックの速射砲で“反則男”をマットに叩きつけた。どん底にあえぐ03、04年世界GP準優勝者の闘志が蘇った。

 準決勝王戦、またしてもひざ蹴りを金的に受ける不運でダウン。セコンドがタオルを投入。これは後味が悪かった。武蔵本人は、苦悶の表情を浮かべながら、試合続行を主張したが、見ているものとしてはTKO負けだろう。審判団も1度はタオル投入は無効と判定したが、当然対戦相手の王は「勝ち」を主張する。試合放棄とみなされ武蔵の決勝進出が決まったが釈然としない。そんな中、武蔵のドクターストップとなった。

 密かに期待していた金泰泳。彼の眼窩底骨折の疑いによるドクターストップは残念だった。先日HERO'Sで田村に善戦した。その勢いで戦闘竜、藤本と見事にKO勝ちしていただけに武蔵以上に残念だ。

 ピーターアーツ、暴君復活だ。ニコラスペタスはよく3度のケガから復帰し、老獪な試合を組み立てた。しかしそれがピーターに火を点けたと言えよう。力でねじふせた試合を見て、今年のGPが楽しみになった。

 崔洪万は、よほどKO負けしたことと、ラスベガスで試合できなかったことが悔しかったのだろう。ニュースタイルが見えた。ピーターと同じ、いやそれ以上の完封劇だった。ゲーリー・グッドリッジに何もさせないで勝ったのはヒョードルくらいなもの。このまま行けばGP大本命だろう。

 バダ・ハリ、徐々にチャンピオンとしての風格がついてきたか。因縁のピーターに判定勝ち。先日のHERO'Sでの所英男vsブラックマンバ戦のように、アゴを砕かれた相手との再戦は精神的に打ち克つことができるか、相手のみならず自分との戦いも必要だ。この男はそんなものは無縁なのか、いやいやよほどチーム、スタッフに恵まれているのだろう。信頼できる仲間がいて次に向うことができる。欲を言えば、荒削りなところが魅力だったので、無難な戦いはちょっと残念か。

 藤本祐介、TVでの放送が王だけとは淋しい。棚ボタ優勝だし、印象が薄かった。実際、金にKO負けしていては先が思いやられる。どうも藤本には期待がかけにくい。

 意外にも武蔵への応援が多かった香港大会。香港のファンも同じ東洋人で世界に通用する可能性をもった選手を見極めているのだろう。後は推薦枠であるが、武蔵、もしくは金、この二人から1人は選ばれてほしい。

安打製造機

2007年08月04日 | イチロー
 イチローが、本来おそらく参考記録ながら、日米通算2787安打となり、日本球界通算安打では、あの世界の本塁打王:王貞治氏を抜いて歴代単独3位となった。

 子供の頃、安打製造機と言うと現日本記録保持者:張本勲氏のことだった。イメージとしては、しなやかなバッティングフォームで安打を量産した篠塚和典氏も思い浮かぶ。

 冒頭で”おそらく参考記録”としたのは、日米では年間の試合数や移動距離、投手の傾向や、使用するボールの大きさなどいろいろな点で異なるから、単純に合算してはどうかと思うからだ。

 名球界入りの条件に、米国メジャーリーグ公式記録を加算できる、としている。その記録のもっている意味は、米国球界を上と認めているの日本球界側から見れば合算してもいいが、米国球界では合算は認めない質のものだろう。

 いや、いや、それでいいのか?いけない。年間の公式戦の数が違うからである。張本・王両氏は高卒役22年間現役生活を送った。日本球界は年間130試合の時期が続いた。米国球界は160試合。約30試合違う。1試合で1.2本安打すると計算すると年間で36本、22年では792本まで膨れ上がる。かの張本氏も単純計算では4000本近く記録できたかもしれない。ただあくまで机上の空論であって、実際には試合数が多くなればコンディションを維持することが困難になったり精神的にもタフでなければ乗り切れない。現実に残った数字が紛れもないその人なのだ。

 イチローが米国球界で歴代3位のスピードで1500本安打を達成したときに「達成スピードで1位じゃないのは悔しい」と語った。イチローが凄いのはその驚異なる達成スピードにある。1試合平均の安打数に直せば日米年間公式戦件の問題も関係ない。

□日本球界通算安打トップ5
①張本 勲 3085安打(2752試合)
②野村克也 2901安打(3017試合)
③イチロー 2787安打(2014試合)
④王 貞治 2786安打(2831試合)
⑤門田博光 2566安打(2571試合)

 あと5年コンスタントに記録を積み重ねれば、日米通算でメジャー記録にも手が届くようになる。米国は実は日本以上に記録マニアが多い。そのときどのようにイチローの記録を米国側が取り扱うか興味津々である。いや、イチローのことだから、メジャー記録をメジャーでの活躍だけでも追いついてしまうのかな?