”玲瓏”管理人のつぶやき

"玲瓏:羽生善治(棋士)データベース"管理人たいがーの独り言(HP更新情報含む)

頂上対談「羽生善治四冠vs渡辺淳一氏」③

2006年02月23日 | 羽生善治
テーマ2:長所と短所

羽生さん本「決断力」には”短所をなくそうとすると長所も同時になくなる可能性がある”と書かれている。それが第二のテーマ。羽生さん曰く「こうも言うことはできるんじゃないでしょうか?勝ちを意識して慎重になる、ということは、大胆さをかげらせることに通じるかと。。。」

なるほど、例えばプロ野球選手のスラッガーに置き換えることも可能かも。よく聞くのは、苦手なコースは、得意なコースのわずかボール1個ずれたところにあるという。長所と短所は紙一重かもしれない。

大相撲の力士もそうかもしれない。新人のときは荒削りなところが目立つ。しかし、その荒削りなところが目立つ力士ほど後になって出世する。昔、北天佑という名大関がいた。豪快な左投げが魅力だった。けど大関になると取りこぼしが命取り。師匠に言われてかまわしをとって頭をつけての寄り、大関になって相撲が小さくなった。唯一、日の出の勢いだった小錦を左上手投げで豪快に土俵下にふっとばしたくらいか…。しかし開き直りがそうさせたかも。

話題を元に戻して…(^^;; つまり、無理に短所をなおさなくても長所を伸ばそうという気構えの方がいいかもしれない。

関連して羽生さんはこうもいう。「若いときは記憶力もあるし大胆に攻めていけた。しかし経験を積むと、勝負の怖さがわかってきて慎重になりすぎることもある一方で、余分な枝葉を切り落とすのが早くできるようになる。また棋士仲間に聞くと40歳を過ぎるとケアレスミスが多くなり、それがポイントで負けることが多くなると聞く。長所と短所をとらえてうまくバランスをとっていきたい。」


頂上対談「羽生善治四冠vs渡辺淳一氏」②

2006年02月20日 | 羽生善治
テーマ1:才能

渡辺氏が羽生四冠を評して「鋭さと豊かさが同居している」と。”豊かさ”とは、ある種の鈍さ、というか自然体でいることを指しているようだ。続けて「大山十五世名人や中原永世十段もよく知っている。中原さんは鈍い。大山さんは自分勝手。鋭さだけではトップになれないし維持できない。自分勝手や鈍いに共通するのは、他人から嫉妬されても批判されても打たれ強さがあるということ。」だとも。氏曰く新人の有望作家もそうだと。①に体力、②に回復力、③にナルシズム。

羽生さん。「子供との指導対局をしていると手の早見えがする子がいる。けれどもその子が5年後才能が伸びているとは限らない。案外コツコツやる子が伸びていることもある。興味を持続させてあげることが重要ではないか。」「尊敬する人に加藤一二三先生がいる。同じ戦型を続ける。同じ食事を注文する。それでいて今だにすごいモチベーションを保たれている。同じことを続けることは凄いことだとある種圧倒されている。」

渡辺氏。「ファンからの反応も必要。編集者や関係者からの感想・意見はだいたい察しがつくし、ここまで来ると当たり障りのない意見も多い。夜の街へ繰り出して若い子の意見は結構新鮮。」「羽生さんは他人からの嫉妬を感じたことはないの?」「ないですね(羽生さん)」「将棋は勝ち負けがはっきりしているしデビューしてすぐトップだったからね。常にトップということはほとんどないけどね。(笑)文学の世界は他人の評価なんてあいまいだからしっとが渦巻くよ(苦笑)」

羽生さん。「長時間というと2日間の対局。でもよくよく考えるとまるまる2日間無言で二人向かいあって座っているのは変かも(笑)盤があるからいいですけどね。谷川さんとは150局以上対局して阿吽の呼吸ができてきている。ああ、こう考えているのかなあというのがそんなに話していないにも関わらずお互いわかるようになってきていると思います。」

渡辺氏。「鋭い人は実は結構いる。しかしそういう人は繊細な人が多い。鋭い人を鈍くする、つまりgoing my way でというスタンスをもたせるのは才能を育てるのには重要だと思う。」

つづく

頂上対談「羽生善治四冠vs渡辺淳一氏」①

2006年02月19日 | 羽生善治
千代田区公会堂行ってきました。12:15に現地到着。茶々丸さんは先着。まだホールのある9階に行けないとのことでちょっとだけ待ち。間もなく9階へ。そして受付け。開場は12:45だったけどちょっとだけ早めに開場。最前列に陣取る。

トークショーは1:30から。1時間くらい茶々丸さんと駄弁る。ありがたいお話も数々。そして開始時間。羽生さん目の前に来てくれるかなあ、と思って幕が開いたら目の前でした。

司会は将棋まるごと90分の司会で御馴染み山田史生さん。最初は軽く二人の関係から。何でも16年前から知り合いだとか。最初のタイトルである竜王の就位式、昨年の王座の就位式でも祝辞をしている。

「一度羽生さん対局したかな。飛車角落ちでこてんぱんにやられました。(場内爆)」と渡辺氏。氏曰く「将棋ソフトも最近強くてね~。近頃ではめっきり勝てやしなくて囲碁をやるようになりましたよ。囲碁では中原永世十段には勝てますよ。」それを受けて羽生さん、「コンピュータ将棋も強くなるばかりではなく接待将棋のようなプレイヤーを気持ちよくさせてくれるものが出てくるといいと思うデスよね。」

この後5つのテーマごとに二人のトークが炸裂しました。
①才能
②長所と短所
③決断力
④女性観
⑤集中力
最後に二人への質問コーナーでお開きになりました。

つづく