V6:岡田さんがナビゲートするJ-WAVE:Growing breed。毎週日曜日24:00~25:00にオンエアされている。この番組に羽生さんが出演された。情報は羽生無双流の掲示板で御馴染みのトンミーの故郷便さんから。いつもありがとうございます>トンミーの故郷便さん。
1時間の枠組みで実質30分くらいのお話だったでしょうか・・・まずV6:岡田さんのナビゲートはなかなかどうしてうまく羽生さんから「勝負の分かれ目について」聞き出せたのではないでしょうか?
羽生さんのインタビュー記事や講演会を数多く経験すると、羽生さんは決まりきった質問をパターン化し定跡化されているなと感じることが多い。例えば「棋士の方は何手読まれるんですか?」という質問。今回のオンエアにもされた。
「確率的には1手80通りあるんですよ。その中で2つ3つに絞り、追いかけていくことになる。例えば10手読むとすると、それでも3の10乗ほどですから。大先輩の大山先生はほとんど感覚で急所に指されるんですよ、これが究極ですよね。」という受け応えはこれまでもよく聞かれたフレーズだ。今回のやりとりの多くは羽生語録定跡だった。
でもその定跡をはずれた今回のこういったやりとりが聞けたのは新鮮でした。
V6岡田さん:「何年も指されていると、気分が乗らなかったりということはありませんか?」
羽生さん:「ええ、ええ、そうですね、やっぱりそういうことはあります(苦笑)。でも、対局場に行くと集中できることもあるんです。まず行ってみることですよね。」
V6岡田さん:「なるほど、将棋の駒を触ると集中すると・・・」
羽生さん:「ええ、ええ、でも年に数回はそれでもダメ、お昼になってもダメ、夕方になってもダメということはあります(苦笑)まあ、ダメな日だったんだなと(笑)」
V6岡田さん:「将棋には定跡があると聞きます。その定跡についてはいかがですか?」
羽生さん:「ええ、ま、将棋って端的に言えばどれくらい”アドリブ”が効くかなんです。」
V6岡田さん:「アドリブ?」
羽生さん:「定跡ではお互いプロなんでわかっていることなんですが、その中で相手の読みにない手を渡す、渡された方はその場で返す、そういうやりとりができないと勝てないんです。」
(4月25日付けたし)
V6岡田さん:「なるほど、アドリブって大事なんですね。」
羽生さん:「定跡からはずれたところでの将棋はたとえ負けたとしても、今日は仕事したなあという充実感があります。」
V6岡田さん:「ああ、勝負よりもアドリブが重要だということなんですね」
羽生さん:「いや、勝ちたいですよ、もちろん勝ちたいんです。でも、定跡から外れることなく終わって勝つよりは、新しい道を築いた方が充実感がありますね」
やっぱり羽生さんは定跡から外れたところに面白さを感じるのだろう。インタビュアーも羽生さんに決まりきった質問をぶつけるのではなく、今までにない質問を投げかけてもらえれば、きっと新しい羽生像が見えてくることは間違いないでしょう。
閑話休題。
竜王戦の畠山戦のあの日程からもしやと思っていましたが、やっぱりチェスオープントーナメントへ参加予定だったんですね。うーん、このハードスケジュール・・・。日本チェス界でも第一人者となった羽生さん、一番熱心に大会参加されていると聞きます。