”玲瓏”管理人のつぶやき

"玲瓏:羽生善治(棋士)データベース"管理人たいがーの独り言(HP更新情報含む)

第49期王位戦第七局連盟解説会

2008年09月27日 | 羽生善治
 写真撮るの忘れた(*o*)ご勘弁ください(苦笑)

 会社の有給休暇を取得、マイカーの使用権を獲得してまで準備万端だった箱根決戦。現地解説会がないとのことで已む無く連盟解説会に切り替えた。現地解説会は開催してほしいものだ。ま、でも確かに花月園はクルマで行くしかないので集客に不安があったのは否めない。さて連盟解説会、解説は屋敷伸之九段、聞き手は本田小百合女流。

 屋敷九段の解説は昨年の王座戦やらで何度も聞いているが手の見え方が速く技術的解説がわかりやすいので安心して聞いていられる。竜王のような面白さはないが、飄々と淡々とさくさくと解説するところがさすがプロと思わせる。本田先生は連盟時代のマンデーレッスンの先生だったので個人的に親しみがあった。本田先生とは解説会休憩時間も他愛のない雑談をさせてもらった。

 将棋の結果は羽生ファンとしては至極残念だったが、将棋の内容は白熱しておりとても面白く堪能した。

 解説会は16時30分開場、17時開始だったので、自宅を15時過ぎに出てきたわけだが14時前後に王位戦ページで両対局者の様子を確認したところ、たまたま頭を抱える羽生名人を見ていた。羽生名人が劣勢、巻き返せるかという図式ということは認識していた。

 振返ると35手目”攻めてこい”の7七銀が分岐点だったのか?と思われた。角換わり最新型の将棋で前例はこの局面で7七角。でなければ3六歩が厳しい、と言われていたその局面で、羽生名人らしく敢然と挑戦した一局だった。

 しかし深浦王位は羽生名人の注文を受け、角を捨てて飛車のこびんにと金を作って行った、この思い切りが良かったのだと思われる。感想戦で羽生先生も「と金が思った以上に厳しかった」と語っている。駒得になっても先に拠点を作られていたり、その駒を活用できるタイミングが難しいのが将棋、そうなのでしょう。

 でも羽生名人でなければ早くに潰れてしまう形とも思われた。最後まで攻めをつなげて魅せるところは唸った。将棋の内容では随処に見せ場を作った(67手目2三桂不成など)のは羽生名人だと思われる。深浦王位の8八銀からの攻め、そして飛車を取ってからの攻めはわかりやすかった。逆に羽生名人はどう手を作っていくのかわからないところから▲5四歩△同銀▲5二歩や▲3五桂△3四金△2三桂不成▲3一角と手を作っていった。いや、深浦王位の▲5五歩に対する△4五銀、▲5二歩に対する△4二玉、▲3一角に△3二玉など唸らされる応手もあったので、名局でしょう。

 羽生名人の77手目の2一銀はどうだったか?2三桂を玉で取ってくれたら先手勝ちだったが、4一から後手玉脱出の恐れが大きい。本譜もそうなった。ここは屋敷解説のとおり2二馬じゃなかったか?結果論に過ぎないが打った銀が遊んでしまった。2二馬であれば銀は手持ちだった…。あくまでも素人考えだからなあ(苦笑)

 解説会次の一手。奇しくもその77手目。自分は1三角成ではずれ。金取りかつ2三桂を守る手で3一への攻めも可能だからだ。2一銀は屋敷先生も本田先生も予想しなかった手で正解者は5名。10の賞品の5つは抽選となった。なんと!次の一手〆切りぎりぎりで会場に飛び込んできたぐーちゃんが当選。自分と同じ1三角成と書いていたのにね~。確認すると、深浦王位の扇子だから、羨ましいのが半減した(笑)

 解説会後はかたんで呑み会。谷川ファンのぐーちゃんを傍らにTEDさんと残念会。べろべろに酔っ払うぐーちゃんは定跡。でも酔ったらTEDさんやたいがーをバシバシ叩いたり首絞めるなど暴力的になるのは勘弁してくれよ(苦笑)>ぐーちゃん

 世間は早くも”七冠ロード”と騒ぎ始めていた。自分には時期尚早だと思われたし、目の前の勝負に全力を尽くす羽生先生ならなおさらだろう。羽生先生はきっと六冠を取得して七冠目の挑戦者となりタイトル獲得のかかった対局で初めて七冠を考えるのだと思う。きっと永世竜王についても挑戦者になった今でさえまだ考えていないし考えられないと思う。それよりも本局のように、最新型のテーマで力勝負をしよう、それで勝ちたいんだ、譜面を通じてそう語っているように感じた。

システム更新情報(2007年10月~2008年9月)です

2008年09月17日 | 更新情報
ええといつ以来ですかね?(^^;
…と確認してみると昨年の9月以来だそうです(笑)
ちょくちょく『玲瓏』クンいじっていました。
この1年の更新情報です。

◆データ補充
竜王戦組別成績をするための対戦相手の組情報
観戦記情報(NHK杯クリア(^o^)/、王位戦クリア)
書籍、雑誌、トーク、獲得賞金額、揮毫、通算、

◆システム更新情報

①ブログ
メニューからこちらに飛べるようにしました。

②リンク
デッドリンクを削除、いくつか新規追加
#デッドリンクはほとんどお知らせがないのでもぐら叩きゲームと化してます(苦笑)

③揮毫
第66期名人戦、第57期王将戦、第79期棋聖戦、記念扇子など

④記録室
従来5傑までを10傑に拡大

⑤通算
公式戦通算1400局達成

⑥年度別
大和証券杯最強戦でのプロ初時間切れ負けによる反則負け、
従来よりあった故大山15世名人と故村山九段の不戦勝があり
不戦・反則勝敗枠を追加

⑦竜組別
各年度の竜王所属組別成績を追加

⑧振り駒
棋戦別の振り駒先手・後手結果を追加

第56期王座戦第1局連盟解説会

2008年09月06日 | 羽生善治
 解説は渡辺明竜王、聞き手は熊倉紫野女流の解説会、もう最高でした。渡辺竜王、今解説会をさせたら棋界ナンバー1でしょう。ファンに喜んでもらえる自分なりの解説者の基準を述べると、①手の見え方、②技術解説、③裏話・棋士の素顔、④話す間、かと思われます。この4つの素養をすべて兼ね備えているプロ棋士の方は自分が言うのは恐れ多いですが少ないでしょう。渡辺竜王は数少ないそう言ったプロ棋士解説者かと思います。

 また聞き手の熊倉女流の自然体もとても好感が持てました。変に隠すよりは「羽生ファンです。」とはっきり言ってしまうのはその人の雰囲気によってはありだと思えました。そんな自然で嫌味のない熊倉女流でした。

 自分の勝手な基準と照らし合わせて解説会振り返って行きましょう。①とは次の一手問題みたいなものを想定してください。素人からすればその予想が少なくともさっと3パターン出てきて欲しいのです。その中に正解があることも必要です。②とは今指された手の持つ意味、もしくはすでに指されたある手が及ぼす影響を理論的に素人と言ってもアマ初段くらいにわかりやすく説明することを期待するのです。①②については竜王を向こうにして言うのはおかしいですが、テンポよくリズミカルに淀みなく解説してくれます。そして③④。③は解説会でしか知りえない情報だとよりお徳感が出てグッドとなります。あのプロ棋士が意外なことにそうだったとかいう丸秘情報も効果ありです。しかしこう行った話しを指し手の合間にうまくお客さんをだらけさせずにテンポよく喋ることは案外難しいかと思われるのです。しかし竜王は流石でした。そんな中で忘れないうちに(^^;、竜王の語ったウラバナシっぽいのメモっておきましょう(笑)

【さすが受け師】
 人気コミック『ハチワンダイバー』の受け師から、今や”千駄ヶ谷”の受け師と言えば王座戦挑戦者の木村一基八段。控え室のお話。木村八段が一手指すとみんな「さすが受け師」と言う。「でもただ言いたいだけなんですよ(笑)でも、立会人の森九段までもが「さすが受け師」って言っているのは面白かった。たぶんハチワンダイバーを知らないんだけど、みんなが言うから言ってたと思います。」短いキーワードで話を展開する。聴取者がわかるネタ。そして出演者の意外性の組み合わせ。素晴らしい~。

【高すぎるアイスコーヒー】
「佐藤天彦とケーキ食べに行ったらなんとアイスコーヒー1100円ですよ。”竜王ごちそうさまです”というから彼の分まで払いましたが高すぎますね。」嫌味にならない程度の高額取得者の庶民感覚っぽい発言のギャップ。それとなく驕っていることでケチじゃないこともアピール(笑)。

【さすが神】
 佐藤天彦は羽生名人を崇拝していて羽生名人の指す妙手を見てすぐ”さすが神”というんですよ。」上の【さすが受け師】も伏線となっている。人気アニメ「デスノート」から来ている。

【羽生さんの手の振るえ】
「目の前で見た唯一の人間ですからね。こんなに震えてましたよ。」※渡辺竜王しか知らない貴重な体験。

【羽生さんとのタイトル戦秘話】
 第5局のこと。タイトル戦では食事もおやつも主催者持ち。高価なものも出てくる。19歳の渡辺五段は来るなりむしゃぼりつく(苦笑)でも羽生先生は700円のアイスクリームを食べないんですよ。「あああ、とけちゃう、とけちゃう」って。※上のアイスコーヒーとかけている。凄くわかりやすい場面を持ち出して精神的なゆとりのなさを表現している。

【佐藤康光棋王が言ってますからね】
 この開幕局の新聞解説担当が佐藤康光棋王だった。その時点の手の展開を竜王もバシバシ読んでいるにも関わらず、付け足してタイトルホルダーであり新聞解説である佐藤棋王を持ち出してのコメント。

【やった、合ってた】
 次の一手、竜王がバシバシ読んでこうなればこうだという仮定を立てて、次の一報を連盟職員の方からもらって「やった、合ってた、ってこれじゃあ将棋ファンと変わらないですね(^^;」(爆笑)

【おかしいなあ…】
 控え室の検討では後手優勢とホームページに書いてあるが、熊倉女流の指摘や竜王独自の読みで行くと先手の方が優勢となり、「おかしいなあ、解説では後手優勢って書いてあったんだけどなあ…」(場内爆笑)

 あと、ながの東急将棋まつりのウラバナシや竜王戦のお話など興味深い話もありました。解説会は70人規模の部屋に最終的に立見も出て100人以上の集客だったようです。こんな楽しくて面白い解説会がもっと増えればいいですね。