”玲瓏”管理人のつぶやき

"玲瓏:羽生善治(棋士)データベース"管理人たいがーの独り言(HP更新情報含む)

The Japan Times CLOSE-UP Part-4

2007年01月14日 | 羽生善治
The Japan Times Online>Life in Japan
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英文和訳第四弾


七冠完全制覇を成し遂げたときはどう思われましたか?

自分ひとりの力で成し遂げたとは感じませんでした。その当時は勢いに乗っていけたことが大きかったと思います。2ヶ月後に七冠のうち一つを失ったのですが、実際にはほっとしたというのが本音です。タイトルを多くもつということはそれだけで大変なことです。というのもタイトル戦は2ヶ月ごとに防衛戦が始まりますし、日本中どこにでも行かなくてはならないからです。

対局しているときはいつも自信をもっていますか?ないとするならば、どのように自信を得ますか?

最初はふつうは9級から始めるところをそれより下の13級から始めましたから本当に自信をもつなんてことはなかったです。しかし、勝ち方を覚えてくると自信をもてるようになってきました。

対局の視覚化をされますか?イメージとして捉えていますか?

一筆書きのように対局を見ることはたまにあります。

対局を戦争に例えるとして、あなたの戦略を表現してもらえますか?

わたしの棋風は対局の最初から最後までずっと同じテーマをもつことです。一貫しないような手筋を指さないよう努めます。そうでないと一手一手が違った方向に進んでしまうでしょう。それが自分にとって重要なことなのです。勝利は実際には二の次なのです。

羽生マジックとは何ですか?これまで成功を収めてきたのは何故だと思われますか?

個人的には自分の指した手がマジックだと思ったことは一度もありません。自分からみれば普通な手だと思って指しています。おそらくゲーム感が他の人と異なっているのではないでしょうか。

敗戦をどう捉えて次につなげますか?

誰もが対局すべてに勝つことはできませんし、年間50局から70局対局することになったらなおさらです。負けについて考えることは誰でもあると思いますが、例えばジャパンタイムスの読者に影響を与えることはありません。負けたことをくよくよ考えないようにしていますし、負けたことを家にまで持ち込まないようにしています。自分にとって将棋はマラソンを走るようなもので長いプロセスですし、まだまだ長い年月が残っています。同じペースで対局していければと思っています。

オーストラリア水泳のイアンソープ選手が記録を破ることが自分にとってもう魅力的でなくなったとして昨年24歳で引退しました。このことについてどう考えられますか?

自分と比較することは実際できないと思います。彼は肉体的な部分を多く必要とする競技にいます。将棋はそうではありません。70歳、80歳になっても将棋をすることはできます。自分にまだ引退する意思がない理由はそこにあります。