Tiangangの毎日

浦和から国分寺に引っ越したフットボール好き。レッズの試合や食べたもの、旅行、読んだ本などをのんびり書いてます。

「PASION」

2005-01-21 09:54:52 | Weblog
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・「マンガ金正日入門2~北朝鮮将軍様の悪夢~」を読んだ。これは前編「入門編」と違いフィクションが多いが金正日の性格や思考をうまく描いている。金正日が身分を偽って日本に潜入して大学の政治学の講義にモグリこむという設定の場面がある。金モグリ学生が教授に向かって質問する。「J.F.ケネディは、国家が国民に何をしてくれるかではなく国民が国家に何をすべきか考えよ、と言った。北朝鮮指導者金正日も、国家あっての国民であると考えているがいかがか。」、教授「指導者はときとして国民統合を叫ぶが、独裁に向かう列車に乗りたくなければ国民は騙されてはならない。」、金モグリ学生も食い下がる。「それではケネディが独裁者である、ということですね。」、教授はフーっとひと息ついて語る。「独裁者も民主主義における指導者も国民を掌握しようという目的は同じだが違う点がある。真の民主国家は選挙制度と任期がはっきりしている。民主主義は選挙によって交代可能な独裁であると言い換えることができるかもしれない。国家あっての国民というのは優先順位が違う。国家ができてから人々が生まれたのではない。国家とは元来無法者たちに踏みにじられる善良な人々を守るために生まれた正義の人々と、彼らに頼ろうとする人々によってつくられた集合体なのだ。国家よりも国民が先に太らなければならない。豊かな国民は豊かな国家をつくることができるが肥えて太った独裁者が国民に豊かさを保障することはできない。フセインのイラクも旧ソ連も金正日の北朝鮮もまた然りだ。J.F.ケネディは同時に、国家は市民の従僕であって主人ではない、とも述べ、W・ペンは、国民をもって国家を統治していると思わせれば統治されるであろう、とも述べたことを忘れないで欲しい。」と答える。金モグリ学生は「国家が市民の従僕だと、ふざけている、ややこしい、資本主義なんてやってられねえ!」と憤慨して教室を出て行く件がある。独裁国家と民主主義国家の違いが分かりやすく説明されていると思うがどうであろう。任期が明確で選挙制度により指導者を交代させられる装置があることが鍵である。また、国民が豊かでない限り強い国家にはなりえないということだ。マンガではそのほか吉林省延辺朝鮮族自治州との国境である図們江をわたって逃れてくる彼らが中国でひっそりと生活をしている実態、そして明らかに経済・政治的な難民である彼らが中国公安に摘発され中国政府が用意した図們市の脱北者収容所に収容され非人道的な行為を受け、北朝鮮へ強制送還される様子が描かれている。筆者は独裁者よりも愚かなのは独裁者と一緒に踊っている隣人(つまり中国)だと批判している。これは過去のことではなく現在進行形で起こっていることである。中国語の翻訳版が出版されて多くの中国の人々にも読んでもらいたい。
・お気に入りのフットボール関連音楽CD「PASION」(La Bombonera によるSelection、東芝EMI)を紹介したい。要はあのウルトラスの植田朝日氏がセレクトしたものである。QueenのWe will rock youから始まりリバプールファンがコップエンドで歌うYou’ll never walk alone、浦和レッズファンが駒場でメロディをなぞるI Can’t falling in love with you、いつだったか日本代表を応援するキリンビール(?)のCMで流れていたChumbawambaのTubthumping、ボカジュニオールズ等アルゼンチンのサポーターが歌いつづけるCulture clubのKarma Chameleon、フランスW杯のときにフランス代表が勝ち残るたびにスタジアムでわきあがったI will survive・・・などどれもフットボール好きには馴染みの曲が入っていておすすめだ。