deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう10‐4

2010年01月23日 23時44分55秒 | 物語系



『…!…ぇってば!大丈夫?!』
「あー…っと、もしかして…、気を失ってました?」
『死んじゃったのかと思ったよ。』
彼女は涙ぐみ、安心したような顔をしていた。
「すみま…せんでした。最後が…、残っているのに。」
無理矢理に体を立たせ、深呼吸をする。
「タバコ…、吸おうかな。」
震える手でタバコを持ち、口まで持っていく前に落としてしまう。それを見ていた彼女は新しいタバコを口に咥えさせてくれた。
「ありがとう…ござい…ます。」
『ううん。…。』
涙を流し、俯く彼女を見たくはなかった。火を付け、上を向いて一息、吐く。

「きっと、天国ってのがあったら…、俺はそこにいけますかね?」
『…。きっと…、いけるよ。…ごめん。ごめんね…。』彼女は、泣きながら謝る。雨は、彼女の涙を隠してはくれなかった。
「地獄だったら…、あなたも…来てくれますか?待ってますから。」
『地獄は嫌だな…。二人で…、天国へいこうよ。』
「じゃあ、少し先に…いって…待ってます。」
『うん…、うん…。』
ピストルを構える。

「【ホワイトブレット】。彼女の【黒い石】に関連する内容は、全て忘れる。」
ピストルを撃った音が響き渡る。俺にしか聞こえない音だろうか。それとも彼女にも聞こえただろうか。

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