どこかで作品アーカイブを作ろうと考えながらまったく手をつけていなかったのですが
本日、期末考査が始まりネタがない…。
そしたら、いっそのこと…ということで【作品アーカイブ】のカテゴリーを新設しました。
ということで、記念すべきは第5回道展U21入賞者作品を掲載します。
『のりのりのりの』:バービー(2年)
毎日新聞北海道支社賞受賞作品
まさに奇跡の1枚。笑
美術部であまり良い扱いをされていないバービーが美術部に入部して初めてトップに立った作品です。笑
ここから評価が変わればいいね。
モデルは海苔。実はバービーは美術部に入部して初めて油絵を描いたわけですが、これまでの描いた油絵はほとんど全部海苔。言い換えれば海苔しか描いたことがないという、ゆがんだ愛情を持っています。笑
何かに載せるコメントをバービーに書いてもらったんですが、この海苔へのゆがんだ愛情を顧問が脚色して、かなりの変態文を提出しておきました。笑
事後報告ですみませんがよろしく。
背景にはうねうねと金色の唐草文様が走っております。
校外展に出品した時にはOGのフライデーから酷評された背景のうねうねですが、学校に持ち帰ってからクリムトを考察させ一から描き直させました。顧問としては上手くいったとは思っていませんでしたが、やはりこの肌のヌメリ具合と一見不協和を生じさせる背景処理が審査員の先生の琴線に触れたのかもしれません。
または、そのゆがんだ愛情が伝わったんですね、きっと。笑
問題はこっからだ、こっから。この構図は一回こっきり。
一度上手くいったからって同じ技を使うのは愚。莫迦。自己模倣。退化。何様のつもりだ、死んじまえ。ってなもんです。
さぁ、顧問がここまで言ったんだ。次期待してるぜぇ~。笑
『きっと、ずっと。』:海苔(2年)
優秀賞受賞作品
モデルは顧問です。海苔は顧問を神様のごとく崇拝しているというそうなのでモデルに使うことを許可しました。
…って話ならかっこいいんですが、実はこれは海苔の得意技である盗撮から生まれた作品です。笑
海苔は描きたいものも構図もまったく決まらなくて悩んでいたのですが
ある日、自分の所に「先生、構図決まりました」と海苔が来て、どれどれ…と見てみたら、何これ、俺じゃん。みたいな。
まぁ構図としては安定してたし、死ぬ気でがんばるって言ってくれたのでモデルを許可しました。
いい描き込みです。正直、10月から2月までほとんど休みなく描いていましたからね。描いた時間だけでなく、作品をどうするべきか考えたり悩んだり… にゅーとんと良い勝負だが僅差で作品にかけた時間は北陵で一番でしょう。
実際、海苔が本当に描きたかった雰囲気はもっと違う雰囲気だったんです、実は。
でも、いろいろ考えていろいろ話し合って、「それやめろよ」って言って顧問指示でこの方向に持ってきました。
空気遠近を考えながら… 距離感を計りながら… 海苔はすごくストレスをためながら描いていたと思います。
結果は優秀賞。よくやった!! 顧問が一番ホッとしたんですがね。笑
ちなみに、自分の魂の尊厳のためにここで言っておきますが、顧問はこんなに汚いところで制作していません。そりゃあ汚れていますけど、流石にカップラーメンの食べ残しをそこらに置きっぱなしにはしていませんから~。笑
構図的に削るところは削り、足すところは足した結果です。本来あるべきものがなかったり、ないものがあったり。削るところは削り、足すところは足す…。簡単そうに聞こえるけど、これはやはり時間をかけないとできないことなんです。
顧問は貧乏なのでカップラーメンを食べる時はいつも安いカップラーメンを食べているのですが、描かれているのは日清カップヌードル。これも話し合って決めました。
ある意味、ウソ。でも何も悪いことじゃない。
絵画は記録写真じゃないから。
絵画は写真じゃない。
やめよう。長くなるぞ、この話は。
でも表現にしても何にしても、海苔にとっては良いきっかけになった絵だと思います。
これを機に顧問を崇拝してください。笑
『ふふん。』:Ω(2年)
奨励賞受賞作品
モデルは友人。驚くことに初めは縦置きで、いろいろ光とか入る予定だったんですけど、顧問が反対しまして横置き&光はなくなりました。
正直、Ωの技術は自分が北陵来てからの美術部員の中では1位だと思います、マジで。
だけど、おまえはそれを活かしきれてねぇ。仙道が流川に言ったように。
あ、そしたら顧問は仙道か?笑
1年生の頃はキリンだのペンギンだの描いていたのですが、練習を除けば今回初めて人物を完成させました。それを考えればこの完成度は高くないですか? 顧問は全道を見てもここまで人物を描ける高校生はそういないと思います。
背景には誰にも気づいてもらえない階段が描き込んであります。細けぇ~。だからこそ、その技術を活かすために構図にもっと時間をかけておけばなぁと顧問も反省しきりの作品です。
Ωの制作は子どもなんだよなぁ、子ども。
そこさえ何とかなればよ。
これでこのままいってくれれば良いと思っていたのですが、やっぱりΩの病気が再発。
今度は鹿描くって。おまえカメレオン描いてこけたの忘れたのかよ~。俺は反対だ~。
正直、顧問は動物の絵、あんまり好きじゃないんだよ。
…というか、高校生が動物の絵を描くのは良くないと思うんだ。
この話もまた今度。
『廃れた空間』:サビコ
奨励賞受賞作品
実は部員を引き連れて道展を鑑賞しに行った時、サビコは錆ついた金属を描いた絵にザックリはまっていたのですが、まさかここまで表現が合っていたとはね。これをきっかけにハンドルネームも「魔法少女」から「サビコ」になったのです。笑
写真から描き起こしたものですが、実際はこの階段状の部分は本来ないものです。本当は地面があったのですが、サビコはまったく手をつけず。明らかに描きたくないオーラが出ていたので、階段状にして想像をフルに発揮してさび付かせていけと指示。
結果がこの描き込み。
“錆”というモチーフを見つけられたのは、ほんと幸運だと思った方がいい。
“錆”表現は未来があるテーマです。3年生になった時、どんな作品を描いているか楽しみですね。
右下にいるのは“蜘蛛型生命体”
ここは真っ黒なデッドスペースで「何とかしろよ。空間の奥を描くとかさ~」って言ってはいたのですが、ある日気づいたら蜘蛛が描いてあったという。笑
まぁ蜘蛛もね。ありっちゃありだが、ないっちゃない。“意味”がないのだ。いろんな意味で。
画面の中にある存在はどれ一つとっても無駄があっちゃいけません。
どんな絵だってそう。絵の中に描かれているものは一見“無駄”の様に見えて必ず存在しなければいけない“意味”をもっているんです。
もし、それが本当に“意味”を持たないのなら、それは描く必要がない。削ぐべき存在ということです。
まぁ今後は金属のみを進めていった方がいいと思いますよ、ほんと。笑
とまぁ、こんな感じで今後は入賞した作品だけではなく、部員の作品をできるだけ紹介していきたいと思います。
ほんとはもっと大きな画像にした方が良いのだろうけど、画像もパンクしそうだし。
そろそろブログも整理整頓の必要が出てきました。こども、音楽、本などのカテゴリーも整理しました。現在、古い記事を削除中。
ちなみに、この美術部アーカイブを作ろうかと考えたきっかけは誰あろう、昨年卒業した丼なのです。
彼が初めて描いた作品はコードネーム「かまきり」と言われていまして、知っている部員にとってはまさに伝説の作品。笑
でも、丼にとっては黒歴史だったようで、彼は大会終了後すぐに潰してしまいました。
もう誰もかまきりを見ることはできません。それを知っている我々の心の中にだけ生きています。
それはけっこう悲しいことだと思いましてアーカイブを作ろうかと考えたわけです。
だって、すごいんだぜ? かまきり…笑