みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

さみだれと国家意志

2018年05月18日 | 俳句日記


野暮用で福岡市の中心部まで出た。
昨日とは打って変わって、皐月の雨が
街行く人を急がせている。
まだ梅雨の走りでもあるまい。

大陸や朝鮮半島の気圧配置も、時局同様
に不安定なのであろう。
若い人は、この際国際情勢の変化を題材
に外交のあり方を学ぶことだ。

私が生きた二局構造の時代は、核戦争の
危機はあったものの、ある意味分かり易
い時代でもあった。
米ソ対立の現場を見ておけばよかった。

今は違う。
基本、米中露の三極だが、各国共に内政
に問題を抱えている。
比較的安定しているのはロシアだろう。

だが、米中はここ暫く本音の部分で対立
を深めて行くだろうから、欧州も中東も
軸足の置き所に苦慮するに違いない。
世界秩序の回復はまだ先の話になる。

そこで我が国のあり方だが、今年は明治
150年、巡る巡る時代は巡るである。
外交史を学ぶには、年表をめくる事だ。
明治維新前夜の国際情勢にさも似たり。

あの時期、欧州での打ち続く戦乱、米国
の南北戦争等によって、日本は国防体制
を整える時間が出来た。
明治の近代化はそれが眼目であった。

今の日本人に、それが出来るか?
そこのところが心配なのである。
日本人が目覚めなければ、安倍外交も単
なるパフォーマンスに過ぎなくなる。

民主国家では、国家意志は国民が示す。
政府はその意志を具体化して行くのだ。
早急に総選挙でも、国民投票でも行った
方がいいような気がしている。

〈雲早し ビルの谷間の さみだるる〉放浪子 季語・さみだる(初夏)

5月18日〔金〕さみだれ
「さみだれ」と言うのは、「さ」は皐月
の「さ」、「みだる」とは水垂れの連体
形、五月の雨そのものを表す。
不定期に降る雨である。

だから「さみだれ方式に」なんて言葉が
流行るようになった。
北朝鮮のコメントは「さみだれ方式」以
外の何物でも無い。