みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

母の日と子供達の自殺

2018年05月13日 | 俳句日記


雨をよけながら、メールボックスに朝刊
を取りに下りた。
読売一面の「自殺相談SNS 自治体3割」
という大見出しに怒りを覚えた。

よりによって、今日は「母の日」、その
小賢しさにである。
しかも、ご丁寧に98自治体を調査して、対応の難しさや遅れを指摘している。

確かに、年間500人を超す若者が自死す
るなどと言うことは、社会の歪みだ。
ならば、ここ百年間の人数と原因、社会
の対応を示し、解決策を提言すべきだ。

27面の事例を読めば、当人が可哀想で涙
が出てくる。
何時からこんな事になったのだろう。
本人も仲間も心に闇を抱えてしまった。

「物で栄えて心で滅ぶ」現象と言える。
昔は貧しさに負けての一家心中が、私の
郷里筑豊で多くあった。
石炭から石油への転換期の頃である。

そんなニュースを見て、社会の在り方を
考えたものである。
今は違う、物や情報が溢れかえり、子供
達はその処理に追われ自己を喪失した。

だから、その不安を解消する為に仲間を
求める、ある時は恋人を。
それを失った時に闇の悪魔が死へ誘う。
しかも、別の仲間まで誘い合わせて。

心理学者のアドラー先生に言わせると、
自己承認欲求が強い者ほど、その陥穽に
はまってしまうそうだ。
要は甘えっ子なのである。

そんな時家族は何処にいたの?母親は?
「母の日」に、祖母と懇ろに睦み合う母
の後ろ姿を見て育った子供らが、自殺な
ど考えるだろうか?

友達と母の日のプレゼントを、ワクワク
しながら選んでいる子供が失踪する?
互いの誕生祝いに行き来する友達の家庭
は、究極的の駆け込み寺だろう。

そんな子が、よしんば不幸にも天涯孤独
となってしまったとしても、他人の愛情
をキャッチするアンテナが育っていれば
決して孤独の淵に堕ちる事は無い。

こないだの大震災では、そんな子供達が
大勢生じた、皆たくましく生きている。
読売に物申す、お為ごかしに教育現場や
自治体に物申すな!

購読者に直接訴えてみよ!
「物で栄えて、心で滅ぶ」社会を作り上
てきたのは君達マスメデアではないか!
「母の日」よ永遠なれ。感謝合掌

〈母の日や モーツァルトに 愛を込め〉
放浪子 季語・母の日(初夏)

5月13日〔日〕雨
1908年に世界で初めて「母の日」のミサ
を行ったのは、米国のアンナ・ジェービ
スさんというお方(右)。


南北戦争の時に、敵味方なく看護された
敬虔なクリスチャンであられた母親アン
を偲んで始められたという(左)。
それが世界中に伝播した。

しかし後年、この行事が余りにも広がり
政治的、商業的に利用される事を嘆いて
おられたという。
それから110年、天国でどうお思いか?
マスメディアは大いに反省すべきだ。