みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

小晦日(こつごもり)

2017年12月30日 | 俳句日記


新年の準備もいよいよ佳境に入った。
大晦日に歳の神を迎えるお飾りをするの
は、昔から一夜飾りと言って縁起が悪い
とされている。

多分、なんでも先送りにする生活習慣を
諌めたものだろうが、確かに何事も事前
の準備を早めに済ませれば遺漏が無い。
大仕事をする時の鉄則みたいなものだ。

次の画像は、昭和20年暮れの闇市の光景
だが、戦後の師走はここから始まった。

以来70年、この様な写真を見る度に祖父
母や父母の年代に感謝の念をいだく。
祖父母達は再建に勤しみ、父母達が高度
経済成長を牽引した。

忘れてならないのは、彼らが神様と先祖
への祈りを怠りなく、ごく自然に続けて
来られたという事実だ。
手に負えぬ事が起こると神仏が分かる。

しきたりや習慣というものは決して馬鹿
には出来ない。
ご苦労なされた方ほど神仏を大切になさ
れるのは、経験を物語るものなのだ。

でなければ、とうの昔に神社仏閣は無く
なっているはずだ。
素直な気持ちで、歳の神を迎えることに
しましょう。

飾り終えれば家族と共に一年を振り返り
、それぞれの夢を語り合い、来年に希望
を継ないで家族の絆を深めましょう。
その為にこそ、世界平和を祈るのです。

〈小晦日 罣礙無き夜の 第九哉〉放浪子
季語・小晦日(冬)

12月30日〔土〕晴れ 時々 曇り
お飾りを終えると、やはり落ち着く。
今年も終わった感が強い。
「小晦日」を初句切れで起こしたが、
三句は迷った。
心境としては「椿姫」或いは
「ラ・トラビータ」としたかった。
頭の中には終幕にビオレッタが歌う
「Or tutto fini !」が流れていた。
ま、時局柄「第九」とした。