みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

風籠り

2017年12月12日 | 俳句日記

ここ四、五日の冷えで風邪を引いた。
何せ年のせいで、内燃機関にガタが来て
いるので直ぐに身体が冷えてしまう。
アルコールを燃やすと逆効果になった。

郡山からは積雪の写メが来た。
昨年末も積もっていたよなぁ、と懐かし
くなった。
今朝は、福博も雪が舞っていた。

ということで風邪籠りの体制に入る。
兎に角、暖かくして寝るに限る。
「風邪籠」は冬の季語となっている。
風邪ひきは冬の風物詩ということだ。

風邪、感冒、流行り風邪、流感、風邪声
、鼻風邪、風邪心地、風邪薬、風の神。
どれも季語だから簡単に俳句が詠める。
歳時記にある名句をご紹介してみよう。

《風の眼に 解きたる帯が わだかまる》
和装の女性の、帯をたたむ億劫ささが伝
わって来る。
これが男性になると、

《風邪おして 着る制服の ボタン多し》
直ぐにそれと分かる感情だ。
もっと切実な句もある。

《風邪の身を 夜の往診に 引きおこす》
女医さんの句である。
薬師如来様のお仕事はかくの如し。
ありがとう御座います。
次は、ママの戸惑いの句、

《何を聞いても 風邪の子の かぶり振り》
まだ、一人目のお子さんかも知れない。
こうして母は強くなって行く。
最後は、教師の作、

《風邪気味の 採点甘く なりてをり》
これを読んだ不謹慎な生徒は「先生!来
週も風邪を引いて下さい」というかも知
れないが、どうぞご無理をなさらずに。

何にせよ、あと僅かで新玉の年。
どなた様も、お風邪など召されぬように
お過ごし下さい。

〈風邪籠り ティッシュの箱の 遠すぎて〉
放浪子 季語・風邪籠り(冬)

12月12日〔火〕雪時雨
部屋の温度が上がらない。
電気代と灯油代がかさむばかり。
こんな日にも、消防と救急のサイレンが
通りを行く、大事なければよいが。