みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

侘助

2017年12月28日 | 俳句日記

福岡市西南部へのゲートウェイである街
六本松の再開発ビルの公開空地に侘助が
数本植栽されていた。
まだ腰ほどの高さだが花を付けている。

外来種のツバキのなかで、唐椿に属する
この花は、日本固有のヤブ椿や寒椿のよ
うに花弁が全開しない処が珍重されて、
茶室の一輪挿しなどによく使われる。

確かに他の多くの椿が八重の花を全開さ
せるのに対して、五弁一重の花を控えめ
に開くところは、楚々とした情趣を醸し
て静謐な茶席に合うのであろう。

そこが利休と同時代の茶人侘助から好ま
れて、そのまま花称となったという。
歳の神を迎える準備を万端整え、静かに
時を待つ座敷によく似合う花である。

〈侘助や 今年も咲いたか 後少し〉放浪子
季語・侘助(冬)

12月28日〔木〕曇り
病んだ後輩を見舞うつもりでいたが、
先方の都合で明日にした。
明日は晴れるらしいから丁度いい。