寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3079話) 自転車

2021年01月13日 | 人生

 “私が高校に入るとき、病気の父が必死で働いて私のための自転車を買ってくれた。「家から三十分かけて坂の上にある学校に通うのだから」。当時高価だった変速ギアが付き、がっしりとした自転車だった。いつも父はパンクしていないか、空気が入っているかと気に掛けてピカピカに磨き上げていてくれた。
 嫁ぎ先も坂の上にあった。昔ながらの重い自転車は父の思いがこもっていただけに手放せず、なかなか新調できなかった。前のかごにはダイコンや牛乳を入れ、後ろにはわが子を乗せて坂道を上がった。寒い冬でも汗が出た。まだ車を運転できなかった私にとって自転車はなくてはならないむのだった。壊れて乗れなくなるまでの三十年以上こぎ続けた。”(12月17日付け中日新聞)

 愛知県豊川市の主婦・鬼頭さん(52)の投稿文です。今度はお父さんの愛の話である。高校に入学したとき、高価な変速ギア付の自転車をお父さんが買ってくれた。それを30年以上遣い続けたというのである。タイトルは「父の愛 詰まった自転車」とある。お父さんの愛を感じられ、手放すに手放なせなかったと言われる。そういうものもある。伝わるのである。
 ボクは中学高校6年間、自転車通学であった。そして大学時代、その自転車で東は神奈川まで、西は岡山まで旅行した。更にはアルバイトをして3段変速自転車を購入し、自宅から山陰道を通って熊本まで行き、山陽道を通って帰るという19日間の旅行もした。今も自転車を愛用し、近場はヘルメットをかぶり3段変速自転車で走っている。自転車には思い出いっぱいである。
 「父の愛」と言うことで言えば、わが家は農家だったので、農業用品など父の残してくれたものがまだたくさんある。先日地元神社のしめ縄に「父が作った遺品だから」と言って使って貰った。


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