寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3453話) 患者搬送

2023年02月14日 | 出来事

 “私は緊急性がさほど高くない患者の搬送もしていて、昨年十一月初め、三重県から八十代の女性を転院先の兵庫県の病院まで運んだ。
 搬送に付き添った女性の長女から搬送一週間後に病院で亡くなったと聞いた。涙声で「最期はとても優しい顔でした。無事搬送していただいたことには感謝しています。本当にお世話になりました」と。搬送の日は雨だった。所要三時間の運転に私は気を使い、医療処置継続中のため看護師も同乗した。新型コロナウイルスの影響で久々に顔を合わせたという親子はうれしそうに思い出話をしていた。女性が亡くなったことは至極残念だが、長女の言葉の温かさに救われた気がする。
 今後も安全運転に一層気を付けて業務をするつもりだ。”(1月26日付け中日新聞)

 津市の福祉搬送業・大森さん(男・65)の投稿文です。福祉搬送業、と言う言葉を初めて知った。確かにこうした患者を運ぶ要件はあるはずだから、こうした仕事があるのも当然であろう。そして親切に対応した結果、その身内の方からお礼を言われた話しである。死は人間の最終である。その最終がどのようになるのか、重要な事項である。優しい顔になるのか、苦しむ顔になるのか、遺族の気持ちに大きな影響を残す。多くの死は本人には、又周りの人にとってもどうにもならない。大森さんの遺族は救われたと思われたであろう。
 ボクの父母も妻の父母も苦しむことなく、眠るように亡くなっていった。それを思うと助かる。さて自分達である。前回の話しの続きになるが、どうなるのであろう。リンパ腫と言いながらも、妻の方がボクより長生きするかも知れない。今のところ死が見える状況ではない。しかし、いつ何事が起きても驚かないように、心の準備はしておく必要がある。


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