寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3318話) 電車から

2022年05月15日 | 行動

 “私は毎朝電車で通学している。窓の外を眺めながら電車に乗るのが好きだ。電車はいつも川の上を通る。その川は、天気や季節によって表情を変える。晴れた日はキラキラと水面が輝き、雨の日はどんよりしていて、川は私の気持ちを表しているかのようにいろいろな顔を見せてくれる。
 そして、もう一つ。大きな庭がある小豆色の屋根のおうち。その家の庭では毎朝必ずおばあちゃんが庭の手入れをしている。私はその庭とおばあちゃんが大好きだ。もちろん話したことはないけれど、庭の手入れをしているおばあちゃんはとてもかわいらしくて、見ているだけで癒やされる。「私もこんなおばあちゃんになれたらいいな」と思わされる。
 まだまだ、これからも新しい発見があるかもしれない。新たな景色を求めてワクワクしている私は、今日も電車に乗って学校へ向かう。行ってきます!”(4月24日付け中日新聞)

 「通学路」という今月のテーマから、美濃加茂高2年の堀江さん(女)の投稿文です。電車から眺める風景を楽しんでいる高校生である。
 今の電車の中の風景は何か異様さを感じる程である。ほとんどと言っていいくらい、皆うつむいてスマホを見ている。自分の周りの状況も知らぬままであり、人に対する配慮もない。ボクも昔は通勤時に本を読んでいた時代はあるが、電車の中で何もしなくなってもう何十年にもなろう。周りの人を観察し、外の風景を見ているか、ぼやっとしている。電車の中まであくせくする必要がどこにあるか、ここまで自分は時間を有効に使っているのだろうか、そう思ったのである。そう思えば電車の中の時間はゆとりである。思わぬ発見もある。特に季節の移り変わりはよく感じられる。それを堀江さんは実現されている。いいと思う。通学時間を楽しんで下さい。


コメントを投稿