寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第3469話) 大役無事終え

2023年03月18日 | 行動

 “菩提寺の世話役である「年行司」を昨年務めた。前回の二十年以上前は、私に仕事があり、同居の義母に任せきりだった。自分の順番が来ることが分かっていた数年前から、寺の全行事に参加し、仕事の内容の理解はもちろん、住職やその家族、檀家との関係を大切にしてきた。
 年行司の仕事の一つは春と秋の永代供養の案内状を四十軒ほどに配ることだ。近所を回る際は配布漏れがないよう、住宅地図のコピーを手にして一軒一軒ポストの位置を確かめながら届けた。会う人には笑顔でのあいさつを励行した。境内の清掃はお茶のペットボトルに参加者名を記した付箋を貼り、手渡す相手の顔を見て覚えようとした。「お疲れさまです」と積極的に声をかけたら初対面でも随分話がしやすくなった。地元で管理する共同墓地も頻繁に訪れ、ごみ拾いや洗い場掃除をした。最後の仕事は年末の門松作り。初めてのことゆえ心配したが、事前に前年のものを写真に撮り、インターネットで作り方を調べておいたおかげで奇麗に仕上がった。
 無事大役を終えてホッとしている。この先も寺の行事に積極的に参加し皆さんに恩返ししたいと思う。”(2月21日付け中日新聞)

 三重県鈴鹿市の山崎さん(女・61)の投稿文です。地域によって組織は違うので、ボクにはスッと理解できないが、それでも1年の年行司でここまでされるとは、驚きである。ボクは3年任期の檀家総代を3期務めたが、とてもここまでしなかったし、考えなかった。そうした体験があるだけに、凄いと思う。全く真摯な誠実な人である。
 年行司の役が来る数年前からいろいろ参加し、予備知識を得、そしてなったらなったで、ペットボトルから墓地の掃除、門松作りとその気配りは凄い。この体験は今後、絶対に生きると思う。人からも当てにされるであろう。いい老後を送られると思う。人によっていろいろあろうと思うが、老後はまずは地域が第一と思っている。
 この文から一昨年のことを思い出した。神社総代をしていて、神社へ行ったときである。掃除当番の組の人が自己紹介をしていた。同じ組でも集まるときがない。近くなのに顔も知らない。いい機会と自己紹介をしていたのである。今はそんな時代である。


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