平成23年1月末現在の倶知安町人口は15,435名です。
これに外国人登録数569名を加算して、倶知安町における外国人の割合を求めると、
3,5パーセントです。
この3,5パーセントという数字は、おそらく全道で一番だろう、とのことです。
ちなみに、ちょっと古い数字で恐縮ですが、
平成19年の札幌市での割合は0,48パーセントですし、
この年の全国の平均値は1,69パーセントでした。
ね、倶知安町って、ビジネスなどで生活滞在する外国人が多いんですわ。
そして、倶知安町における平成21年度の外国人観光客宿泊者数は29,657名です。
ダントツはオーストラリアからのお客さま。
続いては香港からいらっしゃる方が多かったです。
さて、「トラベル(旅行)」の語源は「トラブル」だって、ご存知でした?
旅行って、日常の慣れ親しんだ生活から離れるわけですから、
事故や病気になりやすい、なので、この言葉が出来たのでしょうね。
旅先で事故や病気になることぐらい、心細いことってないです。
倶知安ではこれだけ多くの外国人が滞在したり訪れたりしているのだから、
事故や急病になられる方も多いのではないかと、
羊蹄山麓消防組合倶知安消防署のデーターを見てみました。
すると、昨年の救急搬送の7,4パーセントは外国人の方でした。
これは倶知安町のみのデーターですから、ニセコエリアとなると、
もっと数字はあがるかもしれません。
救急車では、ほとんどは倶知安厚生病院の救急外来に搬送されます。
救急以外でも、風邪をひいちゃったとか、スキーで転んで捻挫しちゃった、
という外国人が数多く訪れます。
そんなとき、助けてくれるのが、このヒトです!
條々克己さん、神奈川県出身、東京育ち、48歳。
彼は冬期間のみ、倶知安厚生病院で外国人の患者さんの対応をしています。
もちろん、英語ペラペラです。
近年はアジアからの観光客(患者さん)も増えていますが、
ほとんどは英語で対応できると言う事です。
病院のロビーで初めて彼を見た時、
彼のディスクの回りは、外国人で黒山の人だかり状態でした。
あの時の状態を喩えるなら、
成田のツアーディスクか、ANAの国際線出発カウンター、といったところかな。
健康管理士一般指導員のライセンスを持つ彼ですが、
「僕はドクターじゃないし、外国人の患者さんに、
痛い思いをして帰国させてしまうのが心苦しいこともあるけれど、
完治して笑って帰国してもらえることが出来たときには、
良かった、手助けすることが出来て、本当に良かった!って思う」
ことも多いそうです。
またまた語源の話となりますが……、
ホスピタル(病院)の語源は中世ラテン語のホスピターレであり、
ホテルと同一語源だそうです。
このホスピターレとは「巡礼、参拝者、旅人をもてなす大きな家」であり、
古代ローマ人は旅に出るとここで宿泊し、旅で受けた傷や病を癒して
心身ともにリフレッシュして新たな旅へと出発したそうです。
なるほど、ね。
観光は、倶知安町の基幹産業と位置づけられています。
條々さんのように、
日本人のみならず、
外国のお客さまにも安心して旅を続けてもらえるような役割を担う方は、
ホスピタルなヒトって讃えてあげたい!!!