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トップダウンアプローチ ④.リレーションの存在分析

2005年05月10日 | データモデリング
エンティティの抽出・定義が終わったら、今度はリレーションの分析を行います。リレーションの分析では、まず、どのエンティティとどのエンティティの間にリレーションがあるかを検討していきます。

リレーションの分析のための元情報としては、「ビジネスルール」と「ビジネスフロー(業務フロー)図」が上げられます。以下、それぞれの元情報からエンティティ間リレーションの存在の分析について記述します。

【ビジネスルールからの分析】
ビジネスルールから抽出したエンティティの場合、そのエンティティに対応するビジネスルールからどのエンティティ間にリレーションが存在するかを検討することができます。

例えば、「得意先から1回の受注で5から20商品程度を受注する。」というルールがあったとして、ここから”得意先”、”商品”というエンティティが捕捉されたとします。
その場合は、「”得意先”と”商品”の間に受注する」という関係が存在することが容易に理解できます。

(図1)得意先と商品とのリレーション

別の例として「各倉庫別に商品の在庫を管理している。」というルールがあった場合、このビジネスルールから「”倉庫”と”商品”との間に在庫を管理する」という関係が存在することがわかるかと思います。

(図2)倉庫と商品とのリレーション

このように、エンティティを抽出したビジネスルールをもとに分析していけば、どのエンティティとどのエンティティとの間にリレーションが存在するかを識別することが可能となります。

【ビジネスフロー図(業務フロー)からの分析】
次にビジネスフロー図(業務フロー)から抽出したエンティティについて述べます。

ビジネスルールから抽出したエンティティの場合、文章や図表で説明があるため、どのエンティティ間に関連がるかを検討することはそれほど難しくありません。 しかし、業務フローのみではリレーションを識別することは困難なため、ユーザにインタビューを行いながらリレーションを識別していきます。

また、ビジネスフロー図(業務フロー)を用いて、業務の中で発生するデータを識別していきますが、業務の過程で随時発生するデータですから、主にイベント系のデータが把握されることになります。

通常、イベント系エンティティ(発生するデータ)は、5W1Hの要素を何らかの形で持っています。何らかの形というのは、属性として表現する場合もあれば、他のエンティティとリレーションを定義することによって表現される場合もあるという意味です。

例えば、受注の場合であれば
①When→受注日(属性)
②Where→出荷倉庫(倉庫とのリレーション)
③Who→受注担当者(社員とのリレーション)
④Whom→得意先(得意先とのリレーション)
⑤What→商品(商品とのリレーション)
⑥How much/many→受注数量(属性)、受注単価(属性)
となり、”受注”は”倉庫”、”社員”、”得意先”、”商品”との間に何らかの関連を認識することができます。

同様に、発注であれば、
①When→発注日(属性)
②Where→入荷倉庫(倉庫とのリレーション)
③Who→発注担当者(社員とのリレーション)
④Whom→仕入先(仕入先とのリレーション)
⑤What→商品(商品とのリレーション)
⑥How much/many→発注数量(属性)、発注単価(属性)
となり、”発注”は”倉庫”、”社員”、”得意先”、”商品”との間に何らかの関連を認識することができます。
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