個人的には、データ項目(フィールド)数をベースに見積もりを行うことが多いのですが、当然、画面や帳票をベースに規模見積もりを実施することもあります。
画面や帳票をベースにして見積もりを実施するという場合も、基本的にはファンクションポイント(以下FP)の考え方をできるだけ適用して見積もりを行うことを心がけています。
実際のやり方ですが、画面や帳票の一覧を収集するということが、まず一番最初に必要となります。
画面や帳票のレイアウトも入手可能であれば、入手します。(現行システムを運用して業務を行っているわけですから、当然、入手可能なはずですが・・・)
次にこれは、データ項目(フィールド)数をベースに規模見積もりを行った場合と同じですが、必要な画面・帳票に絞込みを行います。
実際、現行システムの画面や帳票を収集したはいいですが、今は使用していない画面や帳票が混在しているということはよくあります。やはり、本当に業務で必要な画面や帳票に絞込みを行った上で見積もりを行うべきだと思います。(この作業はヒアリングしないとわかりませんが・・・)
また、ほぼ同じレイアウトの画面や帳票が多数存在するということも、珍しくありません。ほぼ同じ画面や帳票であるが、それぞれ業務的に目的が存在していて、両方とも必要な画面であるということもあるでしょう。
その場合は、ほぼ同じ画面・帳票であるという認識を、どの程度同じなのかを識別します。(ここから、再利用率を想定します。)
次に、ユーザインタフェースの標準化を検討します。(まあ、あまり大げさな話ではなく、画面や帳票の処理パターンを検討する程度だと思ってもらえればいいと思います。可能であれば、4~5パターンぐらいの処理パターンに集約したいところです。)
画面であれば、例えば以下のようなパターンを標準画面処理パターンということで整理します。
①マスタ保守画面
②一覧データ保守画面
③ヘッダー・明細画面
④コード選択一覧画面
画面と帳票の標準処理パターンが整理できたら、その標準処理パターンでは、どのようなファンクションが存在する(はず)なのかを検討していきます。
例えば、マスタ保守画面であれば、
①マスタデータ登録処理(EI)
②マスタデータ変更処理(EI)
③マスタデータ削除処理(EI)
④マスタデータ一覧表示処理(EQ)
といったファンクションが存在するはずであるという整理を行います。ファンクションの複雑度は固定で考えるとか、画面レイアウトを見てそれぞれ判断するとか、レイアウトの項目数から決定するとかいろいろ方法があると思います。
例えば、複雑度は固定ですべて”中”であるとすると、上記の例でマスタ保守画面は、
7(EIの複雑度”中”)×3+4(EQの複雑度”中”)×1=25(FP)
と計算することができます。
後は、整理した画面・帳票一覧に対してどのような画面処理パターンなのか、帳票処理パターンなのかを画面と帳票レイアウトを元に対応つけていきます。
画面や帳票によっては標準の処理パターンに該当しないものも出てきます。
その場合は、個別にFP法を用いて見積もりを実施します。
ここまで行えば、それぞれの画面や帳票単位にFPを算出することができます。
同じような画面や帳票については、再利用率を乗じて全体から差し引くことによって対象類似画面のFPとします。
上記の値を加えて、画面や帳票をベースに規模の算出を行います。
ただし、この方法はデータファンクションを考慮していないため、本当は、論理ERDをベースにデータファンクションについての見積もりを行う必要があります。
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