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簡単見積り手法(フィールド編)

2008年02月04日 | 見積り

現行システムをベースに見積りを実施する場合、現行システムのさまざまなオブジェクトの数から見積りを行うということが行われます。

一般的には、画面の数とか帳票の数、あとインタフェースの数とかをベースにある係数を乗じることにより工数を見積もることが多いのではないでしょうか?
あるいは、プログラムの本数をベースに工数を見積り、それに新規要件対応の工数を付加することにより、工数を見積もるというようなことが行われます。

私は同じような方法ですが、フィールド数をベースに規模を見積もるということをよくやります。(まあ、タスクがデータ分析であることが多いというのも理由ですが・・・)

NEZMA法では、内部論理ファイルと外部インタフェースファイル数さえ把握できれば、規模見積りを行うことが可能ですので、フィールド数から内部論理ファイル数を見積もれば、規模を算出することが可能です。

NESMA法で規模見積りを行うとして、外部インタフェースファイル数は、現行データ項目数から類推するということは無理ですし、仮に行ってもあまり意味はないでしょう。それよりも、外部インタフェースファイルを調査したほうが、正確な値が得られますし確実です。 

NESMA法で見積りを行う場合のもうひとつの要素である、内部論理ファイル数について、現行フィールド(データ項目)数を基に推定していきます。
といっても、大して難しい話ではないですが・・・

まずは現行システムのフィールド数を調査します。
その後、1論理ファイル数にフィールドが何個存在するかを想定し、論理ファイル数を計算します。

論理ファイル数=現行システムのフィールド数÷1ファイル内のフィールド数

外部インタフェースファイルの数と内部論理ファイルの数が把握できたら、以下の計算式に当てはめて、規模見積りを行います。

内部論理ファイル数×35+外部インタフェースファイル×15

しかし、実際には現行フィールド項目数は重複していたり、異音同義語があったり、繰り返し項目として別項目として保持していたりしますので、そのまま単純にフィールド数をベースに見積りを実施すると、どうしても規模は大きくなってしまいます。
(工数を大きめに見積りたいということであれば、そのままの数値をベースにするというのもいいかもしれません。(あまりお勧めはしませんが・・・))

ある程度の精度で見積りを実施しようとするならば、内部論理ファイルの数を見積もる前にフィールド項目の標準化を行う必要があります。

フィールドの標準化では、以下の作業を実施します。

①業務的に意味を持たない項目の排除
②異なるファイルに重複して保持しているデータ項目の統合
③繰り返し項目の排除
④異なるファイルに重複して保持しているデータ項目の統合

これらの作業を実施することにより、論理(業務)的に必要となるデータ項目(フィールド)数を把握することができます。
その数を基に、最初に説明した方法で内部論理ファイル数を見積ります。
(1ファイルに何項目存在するかについては、正確な値というものは存在しません。業種、業態やシステムの規模等から仮定します。私個人は10項目程度を基本数値として採用しています。)

実際に、フィールド(データ項目)の標準化を行ったケースの数字をご紹介しておきます。(個別システム(案件)の内容については、割愛させていただきますが・・・。)

【Aシステム】
汎用機
COBOL
120万ステップ
現行フィールド数:20,000項目
標準化後のフィールド数:1,300項目

【Bシステム】
汎用機
COBOL
?ステップ
現行フィールド数:13,000項目
標準化後のフィールド数:1,900項目

という状況でした。

単純に先ほど説明した①~④の作業を行うだけで、5分の1~10分の1の数に整理することができたというのが実績です。

ある程度の精度で見積りを実施しようとするならば、まず実施すべきは現行システムの中の無駄な部分の整理(排除)を行うべきだと思います。
その後に、そのオブジェクトをベースに見積りを実施する必要があります。
(無条件に現行システムのオブジェクト数を採用して見積りを行うべきではないと考えます。)

データ整理については、以下も参照してもらえるとわかりやすいと思います。
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/6b2b01c0445057a680f5b0b5a96f28bd
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/3c519df81096fa0157c07450c959c15a
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/d728d1a24d59569d81627bc07456faa0
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/d042930f59065e35675d433b935d9887
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/12a655e688d404ac66a259f03817fa97
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/adbb65bfa8beaa7389e8e07f1f8dcc9d
http://blog.goo.ne.jp/tecsup/e/017b47b49fe01701a52ddfabb4840c98

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