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IT業界におけるCM方式

2008年02月26日 | つぶやき・・・/独言

建設業はIT業界とよく似ているといわれますが・・・

建設はそれこそ有史以来数千年の歴史を持っていますが、ITは高々数十年の歴史しかもっていません。建設業界からしてみれば、「何いってんの、IT業界なんて比較の対象にもならん!」といわれるかもしれません。

まあ、そうはいっても下請けの階層構造とか、いろいろ似ている部分があるので、IT業界としては参考にさせてもらうとい対象にはなるんですが・・・

それで、建設業の中で参考になるかな?という話にCM(コンストラクション・マネジメント)方式というものがあります。

これは、従来の一括発注方式(一括請負形式)において、設計者、発注者、施工者がそれぞれに担っていた設計、発注、施工に関連する各種のマネジメント業務を、発注者側で実施するというものです。

IT業界で言えば、発注者(顧客)がプロジェクト開発のマネジメントを主体的に行うということです。
そうはいっても、ユーザは本格的な開発などほとんど行ったことがありません。そのような中で開発プロジェクトをマネジメントするということは実際には不可能です。
そこで、CM(コンストラクション・マネジメント)をサービスとして提供するという考え方が出てきます。

つまり、プロジェクトマネジメントを専門とする会社がPMもしくはPMをサポートするという立場でプロジェクトに参画し、発注者側の立場にたってマネジメントを実施していくということです。

そうすることによって、ユーザ側の専門知識の不足をカバーしたり、ベンダーと対等な交渉も可能になり、ベンダー側も余計なマネジメントコストをかける必要がなくなります。

建設業界の事例では、コストは20から30%減少し、開発プロセスや開発費用の透明化を行うことができたとし言われています。

ベンダーによって、得意とする業種や業態、技術範囲とかが異なるはずです。
うちは、金融系のアプリケーションを得意としているとか、基盤構築が得意だとか、DBだったら任せておいてほしいとか、WEBシステムの経験が豊富であるとか、コールセンターシステムやIVRは得意だとか・・・

CM方式では、ユーザ側がアプリケーションの特徴によって、必要なベンダーを選択していきます。当然、委託先であるベンダーは国内企業である必要はまったくありません。

コストを重視するのであれば、海外のベンダーを使うということも自由です。(もちろんユーザ側の責任で・・・)

それを可能とするためには、ベンダーを選択する能力やベンダーをコントロールする能力等が必要になってきますが、それらのリスクをユーザ側もとる覚悟がなければ、CM方式など所詮無理な話といわざるを得ません。

IT関連費用を削減するというのであれば、ユーザ企業側もリスクをとる覚悟を決めてより抜本的な取り組みを行うべきではないでしょうか?

そのひとつの方法がCM方式だと思います。

「われわれはリスクをとるつもりはありません。ベンダー側でコスト・スケジュール・品質についてより高度なサポートをお願いします」といわれてもベンダーも対処のしようがありません。
結果として、単価に上乗せを行うことになり、一向にIT関連費用が削減されないということになり勝ちです。

「われわれもリスクをとります」といのであれば、上記のCM方式を採用する等を行い、開発ベンダーの負荷を軽くさせる努力も必要ではないでしょうか?
そうすることによって、開発ベンダーが本来能力を発揮すべきシステムの開発(構築)のみに専念させてあげたいと思います。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
(前提として、開発ベンダーは要件に従って、いかに効率的にシステムを開発(構築)するかをタスクとしているのであって、要件定義はユーザ側のタスクであり、管理も可能であれば、やりたくないということを考えています。ちょっと、虫が良すぎますかね?でも、そうすれば、多分もっとリーズナブルな金額でシステム開発が可能になると思うのですが・・・)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (鴨兎)
2008-03-07 15:07:16
住み分けがしっかり出来れば、少なくとも建設業並みなリスクの分散と言うか、責任分解点を明確に出来るでしょうね。
でも、この業界は設計と構築が、パシっと分かれて無いので、なかなか難しいでしょう。
構築で入っていながら、設計をさせられる事に有るし、またその逆に設計なのに構築をさせられる事が起こり得る業界なので。
(これ、建築業じゃマズ無い話しでしょ?)

あと、開発の末端の数字をこれ以上下げちゃったら、業界的に不安定になりますよ。
返信する
難しいと思いますが・・・ (管理者)
2008-03-08 01:45:33
コメントありがとうございます。

この業界はすみ分けが難しいというのは、そのとおりかもしれません。
また、契約どおりの仕事をさせないっていうことがあたりまえっていうのは、やっぱり変だと思います。

開発の末端の単価を抑えるというのは、話としては逆で、何もしないのに(一応、管理している建前?)中間マージンを取っているベンダーを中抜きするっていう話です。
ですので、技術力・営業力(ユーザに直接食い込める力)があるSIerは単価が上がるという想定です。
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