取引先や担当者(社員)に連絡するために、住所を管理していると思います。住所の管理の方法については、いくつかの方法が存在しますので、以下に住所の管理方法(パターン)について説明していきます。
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【属性による管理】
最も簡単な方法は、取引先や担当者(社員)エンティティに”取引先住所”とか”社員住所”といった住所を管理するための属性をもたせる方法です。
(図1)住所を属性として管理
このように属性として住所を人的資源(取引先、担当者、組織)に持たせる場合は、人的資源の住所は一つだけであることが前提となります。
もしも、人的資源の住所を複数管理する必要が出てきた場合は、必要な属性を追加しなければなりません。(テーブルにカラムを追加する必要があります。)
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【住所エンティティとのリレーションによる管理】
次によくあるパターンとしては、住所エンティティを別に定義し、人的資源(取引先、担当者、組織)と住所エンティティの間に1対Nの参照リレーションを定義するというパターンです。
(図2)住所エンティティとの参照関係を定義するパターン
こうしておくことにより、住所名が変更された場合、住所マスタの住所名だけを変更すればよくなります。
(図3)住所エンティティと取引先住所のテーブルイメージ
<<参照関係の関連説明>>
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【住所エンティティによる管理】
以前、あるプロジェクトで取引先や個人に複数の住所が存在していて、住所を複数管理しなければならないということがありました。
管理すべき住所の個数が特定できれば、まだ問題はありませんが、取引先や個人によって何個の住所を管理しなければいけないか特定できない場合があります。
例えば、法人の場合は、各営業拠点ごとにそれぞれ住所があるはずですし、顧客が個人の場合も自宅の住所と会社(勤務先)の住所は別々なことがほとんどだと思います。
また、逆にあるオフィスビルに複数の取引先が入っているということもありますし、個人顧客の場合も、家族で会員になっているというような場合は、同じ住所に複数の個人顧客が存在しているということになります。
(図4)住所と取引先の関係
このように取引先や個人に対して複数の住所を管理する必要があり、しかも、ある住所には複数の取引先や個人が存在しているというケースは”住所”エンティティを分離して管理します。
(図5)住所を複数管理するパターン
この例では、“人的資源住所”を“人的資源”単位に複数持つことができるようになっていますが、これだけでは十分ではありません。
どのような住所(拠点)がどのような目的で利用されているのかを管理する必要があります。
例えば、文書の内容によって、自宅に送付すべきものなのか、あるいはオフィスに送付すべきものなのかを区分して送付するというようなケースでは、どの住所が自宅の住所でどの住所がオフィスなのかを管理できるようにしておく必要があります。
そこで“住所役割タイプ”というエンティティを追加し、住所(拠点)がどのような役割を持てるのか(どのような目的で利用されているのか)を管理できるようにします。
さらに、ある住所(拠点)は営業オフィスとして使用されると同時にサポートセンターとしての役割を果たすかもしれませんし、出荷ヤードとして使用されると同時に在庫場所としても使用されるかもしれません。
そこで、“人的資源住所役割”を追加することにより、各住所(拠点)ごとにどのような役割を持っているのかを管理するようにします。
(図6)住所役割の管理
このようにすることで、人的資源ごとにどのような住所(拠点)が存在しているのかを複数管理できるというだけではなく、各住所(拠点)がどのような役割を持っているのかも管理することができるようになります。
住所エンティティによる管理のテーブルイメージを以下に示します。
(図7)人的資源の住所管理のテーブルイメージ
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【人的資源の住所パターン整理】
人的資源の住所を管理するためのパターンとして、以下のパターンが存在します。
(図8)人的資源の住所管理パターン
①属性による管理
人的資源の住所が一つだけの場合には“人的資源”エンティティの属性として「住所」を持たせます。
②住所エンティティとのリレーションによる管理
住所エンティティとの間に1対Nの参照リレーションを定義することにより、人的資源の住所を管理します。
③エンティティによる管理
人的資源に複数の住所が存在する場合、“人的資源住所”エンティティを追加し管理します。
また、住所の役割(利用目的)を管理するために、”住所役割タイプ”と”人的資源住所役割”エンティティを追加し管理します。
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