『 被写体とは何だといひますと、
…………… 中 略 …………
だけども元来何かが見えるとか見えないといひますが、
見えるといふことは何かそれが見える前に、
例えば写真を写す人が何かを見る、
その前に知っていることです。
何を知っているかといふと、
簡単にいひますと、
発見とは発見の前に発見することになるのです。
発見が……
発見とは偶然に見付かるといふことも発見でせうけれども……
何かなければ発見できないものを発見するのが発見で、
さういふことを
私は被写体といひたいんです。 』
上記文章は青山二郎が
ラジオの出演中(昭和35年10月NHK第二放送ラジオ講演)
喋った言葉の一部です。
TAZUKO多鶴子はこの言葉でも天才だと痛感しました。
<参考資料>『青山二郎 全文集 上』
著者:青山二郎
発行者:菊池明郎
発行所:(株)筑摩書房