TAZUKO多鶴子

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青山二郎と佐藤俊雄…森孝一編より

2008-06-29 | TAZUKO多鶴子からの伝言
眼利きの天才。
眼の哲学の青山二郎。
凡人がなかなか理解でき、容易に近づける人物でない。
私が尊敬する青山二郎を中でも分かりやすく語った
見事な人物が森孝一だと感じている。
『青山二郎の素顔』森孝一編の
書物のあとがきから今日は紐解きたいと思う。
その中に出て来る人物、佐藤俊雄がいる。
『「青山二郎が解らなければ、佐藤さんは書けない」
佐藤俊雄もまた日本文化を生きた人だと思っている。』
と森孝一編で書き綴っている。
佐藤俊雄は青山二郎と遠からぬ親戚の間柄で、
佐藤の兄嫁が、
青山二郎の最初の夫人の妹であったことから…それも偶然に出会い
佐藤が青山二郎から大いに影響を受けたと記してある。
その佐藤俊雄は
『厄除け詩集』(サヨナラダケガ人生ダ)等で有名な
井伏 鱒二と交友があった。
佐藤俊雄を詠んでいる井伏 鱒二『厄除け詩集』の「春宵」。
縁とは本当に不思議なものである。
青山二郎が影響を及ぼした縁は青山の死後
今も続いている。



井伏鱒二(1898?1993)著。
昭和12年(1937)5月、野田書房より刊行。
主に「厄除け詩集」と名づけられた創作詩と有名な漢詩を訳した「訳詩」から構成されている。
創作詩では、「なだれ」「つくだ煮の小魚」「歳末閑居」「寒夜母を思ふ」等、ユーモラスで味わい深い逸品が揃っている。漢詩訳では于武陵(うぶりょう)「勧酒」の訳がとくに有名。  
   

  『勧酒    于武陵』
コノサカヅキヲ受ケテクレ (勧君金屈巵)
ドウゾナミナミツガシテオクレ (満酌不須辞)
ハナニアラシノタトヘモアルゾ (花発多風雨)
「サヨナラ」ダケガ人生ダ (人生足別離)


 『つくだ煮の小魚』
ある日 雨の晴れまに
竹の皮に包んだつくだ煮が
水たまりにこぼれ落ちた
つくだ煮の小魚達は
その一ぴき一ぴきを見てみれば
目を大きく見開いて
環(わ)になつて互にからみあつてゐる
鰭(ひれ)も尻尾も折れてゐない
顎の呼吸(こきふ)するところには 色つやさへある
そして 水たまりの底に放たれたが
あめ色の小魚達は
互に生きて返らなんだ


 『春宵』
大雅堂の主人
佐藤俊雄が溝に落ちた
…僕がうしろを振り向くと
忽焉として彼は消えてゐた…
やがて佐藤の呻き声がした
どろどろの汚水の溝であつた
彼は溝から這ひあがり
全くひどいですなあ
くさいなあと涙声を出した
それからしよんぼり立つてゐたが
ポケツトの溝泥を掴み出した
実にくさくて近寄れない
気の毒だとはいふものの
暫時は笑ひがとまらなかつた


参考資料:『青山二郎の素顔』
     森孝一:編
     安藤秀幸:発行者
    (株)里文出版:発行所

朝顔が咲いていました…

2008-06-28 | TAZUKO多鶴子からの伝言

京都の町を歩いていると、
可憐な朝顔の花が咲いていました。
その美しさに何ともいえない懐かしさを感じ、
ついつい感傷的になってしまいました。

子供の頃…
毎年夏の初めになると、
母がいつも竹を編んで
土に差し込んだ竹の根元に、
朝顔の種を植えていました。
夏の盛りの庭に、
毎年朝顔の花が満開でした。
季節を感じさせる花…朝顔。
近年はそんな季節を感じる
風流な文化が失われつつあります。
そんな時代だから、
大衆自ら
着物や浴衣姿が流行るのかもしれません。
人である以上、
自然界の掟に従った文化を
忘れる事が出来ない本能のようなものがあるのではないかと…。

朝顔は夏を感じさせる素敵な花。
そんな花を育てる時間や余裕がもっとあればいいのですが…。
忙しい現代…忙しいとは心を失うと書きます。
忙しくても心を失わないよう
常に自分自身に語りかけています。
朝顔を見て…ふと…こんな事を考えてしまいました。


*『アサガオ(朝顔、英:Japanese morning glory、学名:Ipomoea nil、シノニムPharbitis nil )』*
ヒルガオ科の一年性植物。つる性。日本で最も発達した園芸植物。古典園芸植物のひとつでもある。
葉は広三尖形で細毛を有する。真夏に開花し、花は大きく開いた円錐形で、おしべ5、めしべ1を有する。
<朝顔の花言葉>
「明日もさわやかに」「はかない恋」「貴方に私は絡みつく」「愛情の絆」 「堅い約束」 「愛着」。
(花言葉…花の色や花の形や花の香り等をイメージした言葉で、古くから伝わる神話・民話・伝説等の花に込められた感情を反映させた言葉が多く、特に日本の場合は万葉集・和歌・日本書紀等を参考に考えられました。又、国や地域により大きく異なります。)
<歴史>
日本への到来は、奈良時代末期に遣唐使がその種を薬として持ち帰ったものが初めとされる。朝顔の種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、漢名では「牽牛子(けんごし)」と呼ばれ、奈良時代、平安時代には薬用植物として扱われていた。和漢三才図絵には4品種が紹介されている。
なお、遣唐使が初めてその種を持ち帰ったのは、奈良時代末期ではなく、平安時代であるとする説もある。この場合、古く万葉集などで「朝顔」と呼ばれているものは、本種でなく、キキョウあるいはムクゲを指しているとされる。
<種子>
種子は「牽牛子」(けんごし)と呼ばれる生薬で日本薬局方にも収録されている。粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。煎液にしても効かない。
朝顔の種は、煮ても焼いても炒っても効能がある。
ただし、市販されている栽培用の種子は、消毒がしてあったり、なんらかの人手が加えられている可能性があるので、服用するのは控えたほうが良い。


*朝顔の茶会*
千利休は満開のアサガオを一輪を残して全て摘み取り、見物に来た豊臣秀吉を迎えた。秀吉はいぶかしんだが、茶席に生けられた一輪の朝顔に感動したと伝えられる。利休が茶の心を示した故事である。

以前描いたパステル画です(^-^)

2008-06-27 | パステル画
ブログ写真は…
これも…
以前描いたパステル画です。
この方も優しい温かな方で、
もう一点の他のテーマでご注文を下さいました。
確か…これは…
紀伊國屋書店の岡山店のご注文だったと思います。
年に何度も行った岡山店の個展イベント。
今では過ぎ去った懐かしい思いでばかり。
広島店だけでなく
岡山店でも沢山の方々が応援を下さいました。
そのご縁…今でも続いている方々がいらっしゃいます。
本当に有り難い…有り難い…の言葉ばかりです。
現在は
次の時期が来ている為、
岡山店とは少し距離があるのが寂しいですが
岡山店での個展イベントがあったからこそ!
今のTAZUKO多鶴子があるのだと思います。
岡山店でご注文下さった多くの方々…
そして応援下さった方々…。
この思い出は決して忘れません!
今後のTAZUKO多鶴子の飛躍を楽しみにお待ち下さい。
これからも
どうか応援宜しくお願い申し上げます。

以前描いたパステル画(^o^)

2008-06-26 | パステル画

ブログ写真も以前描いたパステル画です。
写真を整理していてやっと出て来たパステル画。
先日から皆様にご覧頂いていますが…。
ネット公開しているのは
ごく一部の注文作品。
何度か皆様に呟いていますが…
余りにもご注文頂いたパステル画が多すぎて、
全てのパステル画写真を残す事が出来なかったのです。
でも…整理整頓の苦手な私…
ブログを書き込む事で
少しは…ほんの僅かですが…
何とか…克服出来そうですよ。

ブログの注文作品は
確か…紀伊國屋書店の広島店でのご注文だったと思います。
とても可愛い姉妹で
ご注文下さったお母様も、とても素敵な方でした。

本当に…ほんとうに…
第二回目の広島店の個展イベントは最高でした。
広島で出会った
紀伊國屋書店のお客様は本当に最高でした!

以前描いたパステル画(^-^)

2008-06-25 | パステル画
先日からご覧頂いている
以前描いたパステル画の続きです。
ブログ写真のパステル画は、
以前、
紀伊國屋書店の岡山店でご注文頂いたものです。
このパステル画は、
とても感性の鋭いスポーツ選手からのご注文でした。
今までのご注文の方々で、
最も多いのは音楽関係や文学関係の方でしたが、
優れたスポーツ選手からのご注文も時々あったのですが…。
今回のパステル作品は、
その中の優れたスポーツ選手からのご注文。
芸術に感性が何よりも必要なのと同時に、
優れたスポーツには、
どうも感性に絡みがあるのではないか…と。
そんなことを痛感したご注文でした。