TAZUKO多鶴子

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銀杏の葉…ゲーテ詩集より

2008-12-07 | TAZUKO多鶴子からの伝言
京都の朝。
とても寒い京都の街。
TAZUKO多鶴子は青空の下を散歩しました。
暫く歩んでいると…
それはそれは…
眩いばかりの黄金色の道…
美しい銀杏の絨毯の道に眼を奪われました。
その黄金の道をゆっくりと歩みました。
銀杏の葉…
イチョウの葉はとても不思議な形をしています。
その葉に見せられて神秘的東洋を重ね合わせた『ゲーテ』。
二枚の葉が割れて一枚につながっている銀杏の葉を
男女の愛の象徴とみた…また…
叶わぬ愛に結び付けた『ゲーテ』と云われています…。
秋にさよならを告げ、
冬を迎え、
新たな年を前にした今日。
『ゲーテ』の有名な詩『銀杏の葉』をご紹介します。




      < 銀杏の葉 >

東洋からはるばると
わたしの庭にうつされたイチョウの葉は賢い者のこころをよろこばせる
深い意味をもっている。
これはもともと一枚の葉が二つに分かれたのでしょう?
それとも二枚の葉が互いに相手を見つけて
ひとつになったのでしょうか?

このようなことを思っているうち
わたしはこの葉の本当の意味が分かったと思いました。
あなたはわたしの歌を聴くたびにお感じになりませんか
わたしが一枚でありながら
あなたと結ばれた二ひらのはであることを・・・。

 


     
氷河期を生き永らえた銀杏の木は、中国から日本へ、
そして長崎・出島からヨーロッパへと伝わった。
東洋から渡来した銀杏の木を66歳になったゲーテは「西東詩集」の中で
我が家の庭に植えられた銀杏の葉っぱから放つ神秘的な香りと効能を
「研究に勤しむ人のように格調が高い」と言っている。
ドイツやフランスでは銀杏は、認知症の薬として服用されている。
ゲーテも服用した一人でもあり、長生きの要因と思っていたらしい。

 東洋から伝わったイチョウの葉。ヨーロッパの人々はその神秘的な葉のカタチからさまざまな発想を生んだ。
東洋に憧れを持っていたゲーテ、銀杏の木は、東洋の象徴でもあり神秘的な存在だった。
自宅の庭に植えてあった銀杏の葉を添えて
25歳も若い恋人ヴィレマーレ婦人にラブレターを送っている。
 
1815年9月23日、ハイデルベルクで再び、マリアンヌと会ったゲーテは、ハイデルベルク城の庭にあるイチョウの木を彼女と見ながら、その葉を二枚手に取ってこの詩が書かれた紙の上に載せた。ニ十七日、ゲーテはこの紙とイチョウの葉をマリアンヌに送る。その後、二人は二度と会うことがなかった。 ニつの部分が一つに結ばれるイチョウ葉のカタチ。ドイツではイチョウ葉は愛と友情の印とされている。銀杏を心から愛したゲーテ。


 参考資料:『ゲーテ詩集』(井上正蔵訳、旺文社文庫)
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