セイナルボンジン

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怪奇大作戦③

2017-04-23 20:21:34 | 特撮
1968年制作のSFミステリー「怪奇大作戦」
全話レビューその③。


■第13話「氷の死刑台」
人体実験により超低温の肉体をもつ「冷凍人間」に
なった男が、街を恐怖に陥れる話。

7年間冷凍されていた男が家に帰ろうとするものの、
元の家族は既に引っ越していて…というシーンが切ない。
「可哀想に、あの男は7年間殺され続けていたのだ…」と、
狂った科学者たちの犠牲になった冷凍人間に同情する牧さんが良いです。

冷凍人間が歩くとき、地面に凍り付いた足を
ベリベリ引きはがして移動するとか、芸が細かかったです。

常識的に考えたら人体を冷凍したらカチカチになるだけで
動きだすってありえなくね?とか、
最後は豪快に必殺ビームで焼き殺しちゃうの!?とか、
燃えてる遺体の上をパトカー走って行っちゃうの!?(ヒドイ!)
とか、ツッコミどころも多いんですけども、わりと好きな話(´∀` )

イカれた科学者を演じるのは、「宇宙刑事シリーズ」の
コム長官こと西沢利明。冷凍人間よりもこの人の方が恐ろしかったです。


■第14話「オヤスミナサイ」
山荘で男が殺される。居合わせた2人の人間……
男の婚約者と、SRIの牧は異口同音に言う。
「私が彼を殺してしまったのだ」と…

若き日のアニソンの神・ささきいさおがゲスト主役。
ちょっとアクの強いイケメンぶりがたまりません。
キャンドルが灯された殺人現場や、死体がゆっくり
バスタブに沈んでいく幻想的なビジュアルが印象に残りますが、
何よりもラストに牧さんがささきいさお神に向かって
容赦なくショットガンぶっ放すシーンが強烈。
何してくれてんのよアンタ。
普通( ^ω^ )!


■第15話「24年目の復讐」
船の沈没後、水の中でも生きられる体に
適応し生き延びた旧日本軍の兵士が、
戦後23年を経てアメリカ軍への孤独な復讐を開始する。

戦争が人々の心に落とした影が描かれる話。
牧が、幼い頃アメリカ軍の機銃掃射で死んだ姉を想う場面が1番のハイライトかな。
肝心の水棲人兵士はほとんど何も語らないし、
クライマックスで大惨事を引き起こしてる事も
サラッと流されちゃってるのだけれど、
これは事件を追う牧の内面がメインの物語だから、
あまり大した問題ではないのでしょう。

兵士を演じたのは、仮面ライダーの死神博士で有名な天本英世。
出てくるだけで画面に怨念がみなぎってくるのでこわいwww
猿島のロケーションも美しかったです。
脚本家 上原正三のメッセージが込められた
「怪奇」を語る上では外せない一本(´∀`)


■第16話「かまいたち」
若い女性が真空の刃でバラバラにされる、
連続殺人事件が起きる。捜査線上に浮かびあがるのは
「大人しくて、オドオドして、イタチのような目をした」
ごく平凡な青年だった。

キレキレの演出が、一言も喋らない鬱屈した青年の闇を衝撃的に描く。
好きなエピソードです(=´∀`)

なぜ青年が犯人だと思うのか、と問われてうまく
答えられない牧さんが、すごく危ういキャラクターに
思えてドキドキします。この話に限らず、彼は犯罪を
犯す人間に精神的に惹かれるというか、同調していく面があるのよね。


■第17話「幻の死神」
ネックレスの盗難事件と、瀬戸内海の亡霊事件の関係を追う話。
久しぶりに三沢がメインの話ですけど、
話の出来は「フーン(´_ゝ` )」って感じかな…

ホテルのご飯がおいしそうでした。
怪奇大作戦は別名「タイアップ大作戦」とも言われていたそうで、
予算不足を補うため、各地のリゾートを舞台にした作品が多いです。

〜つづく〜



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