出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

連休に本を読む人

2005年05月02日 | 発売前
身内のごたごたのせいで、久しぶりのブログ。

本日は、見本納品(部決)に行ってきた。ところで、本日のように見本を持っていく日は、部数は決定しないが、やっぱり部決なんだろうか。6日に電話して確認するので、その電話が「部決電話」という気がする。

今回は、著者にいついつまでに出したいと(自分が書くのが遅いくせに)言われることもなく、非常にスケジュールが楽な本だった。見本も4月末には私の手元にあった。

で、いつ持ってくか自由なので、悩む余裕もあった。

4月中旬に「今度出す本に関するお伺い」に行ったとき、トーハンからは「連休前に入れろ」と言われた。別に命令じゃないんだけど、「連休前に書店に行って連休中に本を読む人が多い」から、だそうだ。同じくお伺いに行った日販では「連休前は新刊が多いので後で入れろ」と言われた。

さあ、どっちだ。

うちはどっちでもいいが、できれば混んでいる連休前納品は避けたい。見本納品のカウンターも混んでるし、書店に送られる新刊も、少ないときのほうが見てくれそうな気がする。

新刊が多かろうが少なかろうが、見て置いてもらえる本を作るのが筋だ。けど、「あまり多いと、箱を開けもしないで返す」なんて、2ちゃんに書店員の書き込みがあったりして、結構気にしてしまう。ちなみに2ちゃんは、正確な情報が必要なときはあてにしないけど、こういうちょっとした本音っていうのは、本当に本音じゃないかと思って読む。

実際、どうなんだろう。

私の場合、以前勤め人だった頃は連休と言えば旅行で、旅先で読むための文庫をいつも連休前に5冊くらい買っていた。家で読むのは、ゴールデンウィークより正月休みのほうが多い。こういうときは、重くても構わない。

ただ、新刊っていうのは出たときに読みたいので、「連休に読みまくる」となると、ちょっと前に出た本とかが多い。

などなどと考えて結局、本日見本納品にした。つまり連休後納品。それも連休後ちょっと経ってから書店に並ぶ。

結果は、とにかく仕入部のカウンターはすいていた。いつもと違って、ほとんどお休みモード。ちなみに私が行った10時頃で、トーハンの「10日納品新刊数」だったかなんだか、入り口の少し奥にある看板、あれは「280冊」だった。普段もだいたい同じ時間に行くけど、もっと多い。

いや、数だけが理由じゃない。今回の新刊の内容が、連休に合わないから。

天気のいい5月の連休中にちょっとベランダに椅子でも出してビール片手に読むって感じなら、連休前納品にした。ところが、作ってる最中は「5月病の季節! 時期ピッタリ!」と思って作ってたうつ病関連の本だから、休みが終わって仕事に戻った頃に…と考えたわけです。

どう転ぶか、楽しみではある。

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