出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

「返本の中に献本が…」の事後報告2

2005年11月21日 | 出版の雑談
しつこいようだが、本日もムカついたので書く。

出版共同流通センターというところから電話がかかってきた。電話を取り次いだ人間が「返本だそうです」とだけ言ったので、書店かなと思って出たら違った。

ちょっと前に書いた返品流通革命で触れた、新しい日販の返品伝票を振り出している会社である。そのときにも書いたが、いろんな取次の返品をまとめてするところらしい。伝票にはその他の取次の名前がずらりと並んでいる。ただ、トーハンとは足並みを揃えられなかったらしく、トーニッパンだけのうちにとっては、それ以前と何も変わってない。返品おじさんも同じだし、うちとしては「日販の返品」として認識している。

そのとき(伝票が変わったとき)にも、「受領印を押した伝票がみつからない」とふざけた電話をかけてきたところだ。そのときは確か、1冊分の伝票だったが、受け取ってないし伝票の保留もしてないと返事しておいた。

今回も同じことを言うので、そのつもりで、返品伝票ファイルを取り出して調べ始めた。が、11月9日と言われてハッとした。あの、返品おじさんがそのまま持って帰った一束である。

ちなみにその日応対した人間は、「数量を修正をして受領印を押し、他の返本は受け取るつもり」だったが、おじさんがそのまま持って帰っている。

で、出版共同流通センターの人に「ああ、あれはですね・・・」と、ほのかな期待をしながら説明し始める。

すると、「ということは返品も受け取ってないってことですね」と言う。

あたりめえだろ!と思うが、よほどのことがない限り、声は荒立てないようにしている。昔は喧嘩っ早かったんだが、今やってる別の商売で、その業界の人たちが「とにかく言いたい文句はすべて大声で相手を罵倒しながら言う」のに閉口して、自重している。

「受け取ってませんよ、献本ですから」と言うと、そうじゃなくて…という雰囲気丸出しで、「返本の束を受け取ってないんですね」と確認する。

ほのかな期待をした私がバカだった。出版共同流通センターとしては、ブツと伝票の数さえ合っていれば問題がないらしい。

日販のホームページにこの会社についてのニュースリリースが載っていて、業務内容は「書籍・雑誌等出版物の返品に係わる物流業務の請負いと、出版物等の返品データの収集と計算・事務処理の代行」だそうだから、確かにこの会社に責任はない。少なくとも、「伝票がないぞ」と思って確認の電話をしてきたおっさんには、「責任」はない。

責任はないが、親会社じゃないんだろうか。

「そういうことがございましたか、それは大変失礼いたしました。何かの間違いかと存じますが、調査中と思われますので・・・。申し訳ございませんが、今回の伝票については束そのものもお受取にならなかったということで、よろしゅうございますか」

そこまで言えとは言わない。電話応対能力の問題かもしれないし。

でも、ハァ~。なんか電話を切ったときにはムカついてたが、こう書いてみると力が抜ける。

とにかく、気分の悪いことはしばし忘れる(許さないが、とりあえず黙るって感じ)ことにする。

私だってもっと建設的な記事を書きたい。しつこくお付き合いいただいてありがとうございました。