今年1冊目です
佐江衆一著
「江戸職人綺譚」
江戸の職人のプライドが光る作品です
9つの職人の話
高橋勲さんの挿画がとってもいいんです
解錠綺譚 錠前師・三五郎
自分の作ったからくり錠は誰にも開けさせね~
そのプライドで危ない頼みを引き受ける三五郎の話
笑い凧 凧師・定吉
流行の凧は作らない
鳶凧しか作らない為、女房は子どもを置いて逃げてしまう
う~ん、子どもが・・・泣けてきます
一会の雪 葛籠師・伊助
おすぎの茶店に一人の女性が倒れこむように入ってくる
病気をおして葛籠職人の伊助に会いに行くというのだ
しかし、息を引き取る
彼女の思いをとげさせてあげようと伊助に会いに江戸に向かうおすぎ
そして伊助に会ったあすぎは・・・
職人伊助の手をおすぎと一緒に見ているような感動を覚えました
いや~これが一番好きでした
雛の罪 人形師・舟月
余りにも亡くなった母親に似た女雛の出来が良すぎたために起きた悲劇
対の鉋 大工・常吉
初めて独り立ちした定吉
余りにも気合を入れすぎる定吉にハラハラします
でも、そのストイックな姿に惚れてしまうおさよ
江戸の化粧師 化粧師・代之吉
今でいうメイクアップアーティスト
病気の亭主を抱え疲れ切っている女性を見事なまでの女性に仕上げる
しかし・・・
水明かり 桶師・浅吉
今日でおしまいと最後のお客をとるおりん
その最後の客が桶職人の浅吉
おりんの望みは一つだけある
据風呂に入りたい
昇天の刺青 女刺青師・おたえ
江戸でも名の知れた刺青師達吉に刺青を仕込まれた娘おたえ
おたえの父が吉五郎の刺青の仕上げ途中で亡くなった
その続きをおたえは吉五郎に彫る
おたえの体にも父の手によって羽衣の天女が彫られている
いや~この昇天の刺青、官能的です
そして最後に
思案橋の二人 引札師・半兵衛
元武士の二人
隠居後に物書きになろうとする男と
女の為に剣の腕を磨こうとする男
水と油のような二人が最後には・・・・
どの話も仕事内容がとても詳しく書かれていて
へ~そうなんだと勉強にもなりました
サスペンスあり、ロマンスあり
どの作品も生き生きと描かれていて
職人さんの息遣いまで感じてきます
お勧めです
今日の私の小さな幸せ
え、長野さんがカープへ?
赤いヘルメットをかぶっている長野さん
イメージできません
でも、ウエルカムです