読売新聞より
大阪府の財政難から橋下徹知事が来年3月末での廃止を決めた府立国際児童文学館(吹田市)が、27日で府立中央図書館(東大阪市)への資料移転準備のため閉館し、25年の歴史に幕を下ろす。約71万点の書籍・資料を収蔵する同館の廃止には、文化人や住民らから「橋下知事の文化軽視だ」として反対運動もあった。府側は「移転で利便性は増す」とするが、利用者からは「なぜ廃止を急ぐのか」との声もなお少なくない。
1階の閲覧室は26日も、絵本や紙芝居を子どもに読み聞かせる家族連れでにぎわった。家族で訪れた兵庫県加古川市の女性(38)は「素晴らしい施設。本当になくなってしまうんですか」と残念そうに話した。
宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」の初版本や、長嶋茂雄さんが表紙の「週刊少年サンデー」の創刊号など貴重な収蔵品も多く、吹田市の主婦(66)も「全国に誇れる施設だったのに」と惜しんだ。
解雇される運営財団の職員約10人の再就職先や廃止後の建物をどうするかなども決まっておらず、向川幹雄館長は今も、「性急に廃止する必要はない。橋下知事は方針を凍結するべきだ」と訴えている。
同館は児童文学研究家の鳥越信さん(80)が寄贈した約12万点の資料を基に1984年設立。開館直後は年10万人以上いた利用者が、最近は5、6万人に減り、橋下知事は「運営努力が足りない」と2008年6月に廃止を決めた。鳥越さんらは寄贈資料の返還を求め、民事訴訟で争っている。
大阪府の財政難から橋下徹知事が来年3月末での廃止を決めた府立国際児童文学館(吹田市)が、27日で府立中央図書館(東大阪市)への資料移転準備のため閉館し、25年の歴史に幕を下ろす。約71万点の書籍・資料を収蔵する同館の廃止には、文化人や住民らから「橋下知事の文化軽視だ」として反対運動もあった。府側は「移転で利便性は増す」とするが、利用者からは「なぜ廃止を急ぐのか」との声もなお少なくない。
1階の閲覧室は26日も、絵本や紙芝居を子どもに読み聞かせる家族連れでにぎわった。家族で訪れた兵庫県加古川市の女性(38)は「素晴らしい施設。本当になくなってしまうんですか」と残念そうに話した。
宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」の初版本や、長嶋茂雄さんが表紙の「週刊少年サンデー」の創刊号など貴重な収蔵品も多く、吹田市の主婦(66)も「全国に誇れる施設だったのに」と惜しんだ。
解雇される運営財団の職員約10人の再就職先や廃止後の建物をどうするかなども決まっておらず、向川幹雄館長は今も、「性急に廃止する必要はない。橋下知事は方針を凍結するべきだ」と訴えている。
同館は児童文学研究家の鳥越信さん(80)が寄贈した約12万点の資料を基に1984年設立。開館直後は年10万人以上いた利用者が、最近は5、6万人に減り、橋下知事は「運営努力が足りない」と2008年6月に廃止を決めた。鳥越さんらは寄贈資料の返還を求め、民事訴訟で争っている。