田村一二の『ちえおくれと歩く男』をよんでいたら、相馬御風の『馬鹿一百人』を愛読していたとあったので、取り寄せて読んでみた。
相馬は
早稲田大学校歌「都の西北」、日本初の流行歌「カチューシャの唄」、童謡「春よこい」などの作詞者。糸魚川出身の文人である。糸魚川には、糸魚川歴史民俗資料館(通称を相馬御風記念館)があり、御風の生涯や業績を展示しているが、「明治・大正・昭和の三代にわたり歌人、詩人、自然主義評論家、作詞家、翻訳家、随筆家、郷土研究家、さらに良寛研究の第一人者と、文芸全般にわたって活躍しました」とある。
この本は、相馬が、20年近く心がけて書き溜め書き試しておいた約60篇の痴人行状記。
緒言にいわく・・・
世間から痴者と認められ、阿呆とさげすまれ、馬鹿と嘲られているような人たちの生活ぶりに、異状な興味を感じてきた。本書に収められた物語の大半は、私の見聞したそれらの人々の行状記である。そしていずれも私みずから泣かされたり、笑わされたり。反省させられたり、また教えられたりしたところのものであった。
農村社会が、知的障害や精神障害のある人たちを、ゆるやかに、寛容に受け止めていたことが知られるので、興味深い。
しかし、今の社会と世相にたいして、「何が馬鹿なのか?」「馬鹿はどっちやねん」との、相馬の声が聞こえるような気がする。
相馬は
早稲田大学校歌「都の西北」、日本初の流行歌「カチューシャの唄」、童謡「春よこい」などの作詞者。糸魚川出身の文人である。糸魚川には、糸魚川歴史民俗資料館(通称を相馬御風記念館)があり、御風の生涯や業績を展示しているが、「明治・大正・昭和の三代にわたり歌人、詩人、自然主義評論家、作詞家、翻訳家、随筆家、郷土研究家、さらに良寛研究の第一人者と、文芸全般にわたって活躍しました」とある。
この本は、相馬が、20年近く心がけて書き溜め書き試しておいた約60篇の痴人行状記。
緒言にいわく・・・
世間から痴者と認められ、阿呆とさげすまれ、馬鹿と嘲られているような人たちの生活ぶりに、異状な興味を感じてきた。本書に収められた物語の大半は、私の見聞したそれらの人々の行状記である。そしていずれも私みずから泣かされたり、笑わされたり。反省させられたり、また教えられたりしたところのものであった。
農村社会が、知的障害や精神障害のある人たちを、ゆるやかに、寛容に受け止めていたことが知られるので、興味深い。
しかし、今の社会と世相にたいして、「何が馬鹿なのか?」「馬鹿はどっちやねん」との、相馬の声が聞こえるような気がする。