夜の嘆き(2022.11.1日作)
Ⅰ 夜よこの 果てしない嘆き
おまえは余りに辛い 辛すぎる
命ギリギリ 生きて来て
今はボロボロ ボロボロなのさ
このわたし
2 何処へただ 流れゆく命
浮かべる舟さえ今は 今はない
荒れてすさんだ この川に
未練ごころの 心も消えた
このわたし
3 消えてまた 夢ともすネオン
日暮れを急いで夜が 夜が来る
派手な化粧の その下に
誰も知らない 知らない顔の
このわたし
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華やかな嘘(2)
「住まいですか ?」
「ええ」
「浦和です」
「勿論、結婚はしてらっしゃるんでしょう」
「はい」
「お子さんは ?」
「二人」
「男 ? 女 ?」
「上が男で下が女です」
明子は軽快な口調で歌うように言った。
「もう、大きいんでしょう」
「男の子が十一歳で、女の子が九歳です」
明子の顔には軽い笑みが浮かんでいた。
「そう」
と川野は言ってから、明子との間だけで通じるような感情を笑顔に込めて、
「幸せそうですね」
と言葉を続けた。
「そうですか ?」
答えた明子の顔にも過去への微かな思いを込めて、当たり前ではないかと言って、川野を突き放すような笑みがあった。
川野は明子のその笑顔と口調の中に何故か、自分が拒否されたような感覚を抱いて、ふと、一抹の寂しさを覚えた。
「今でも作詞をしてらっしゃるんですか ?」
今度は明子が聞いて来た。
明子は何気なくその言葉を口にしたようだったが、川野はその言葉の中にもやはり、明子の皮肉を感じ取らずにはいられなかった。
「いや、もう詞は書いていない」
そんな明子に対抗するように川野は、精一杯の虚勢を込めて自信に満ちた口調で答えた。
「でも、音楽関係の仕事はなさってらっしゃるんでしょう」
「ええ、まあ」
川野は曖昧に答えてうなずいた。
「どんなお仕事なんですか ?」
「ブロデューサーです」
川野はたった今、頼み込むようにして十篇の詞を渡して来た、このホテルに部屋を取っている若いプロデューサーの顔を思い浮かべながら言った。
「どんな人の作品を手掛けてらっしゃるんですか ?」
「いや、僕は新人を発掘して育てる方だから、名前の知れた歌手はいないですよ」
川野は如何にも自信に満ちた態度を気取って軽くいなすように言った
「でも、新人を発掘して育てるのも、楽しみが多いんじゃないですか」
明子は言った。
「まあ、それは言えますよね」
敏腕なプロデューサー気取りのままで言った。
ロビーには結婚式の披露宴に出席したらしい人々の姿が数多く見られた。
今日は日柄が良いのだろうか・・・・。
川野はそんな人々を見ながらぼんやりと思った。あつ
「じゃあ、今は御希望が叶えられてお幸せね」
明子は口元に笑みを浮かべたまま自然な口調で言ったが、川野にはそんな口調の中にもなんとはない明子の皮肉を感じ取る思いがあって、その言葉が痛いように胸を刺して来た。
「まあ、ボチボチ、なんとかやっています」
と、川野は言ったが、気持ちは晴れなかった。
明子にしてみれば、皮肉の一つや二つは言ってみたくなるのも当然だ、という思いが川野にはあった。
二年に近い幸福な日々が、たった一つの言葉で、風に消されるローソクの火のように消えていったのだ。
あの時、明子が何処か不安気な、頼りない声で、
「赤ちゃんが出来たみたい」
と言ったのは、既に川野の胸のうちを読み取っていたのだろうか ?
「子供 ?」
川野はまるで不意打ちを食らったかのように、明子の言葉に対して驚きの表情を見せて答えていた。
あの頃、二人は互いに若さを満喫するように生きていた。
明子は女性雑誌の記者をしていた。
川野は作詞家の卵だった。新宿のバーでバーテンダーをしながら、既に二、三の作品をB面ではあったがレコード化していた。
二人はそれぞれの部屋を行ったり来たりしながら、好きな時に会い、好きなように自分達の仕事をしていた。
あの頃、川野には果てしない希望があった。超繁忙の売れっ子作詞家、そんな未来像が川野を酔わせていた。視線は唯一筋に華やかな作詞家人生に向けられていた。
明子との関係はごく平凡なバーテンダーと客という間柄から始まった。
バーのカウンターを挟んでの、ありふれた出会いが、何時しか深い関係になっていた。
当時、明子は雑誌社で社会探訪的な記事を扱っていた。
忙しく日本国中を飛び廻っていて、束縛を嫌う自由な女性に見えた。
お互いがそれぞれ、時代の先端を生きているような思いのうちに、その生活に満足していた。
二年に近い月日の中で二人の関係は揺るぎのないものになっているように思えた。
川野はその間、明子が好きか嫌いか、自分の胸に問うた事は一度もなかった。ただ、日々、作詞家を目差し、気心の知れた女性との自由な生活を満喫しながら生きている、それだけで満足だった。
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桂蓮様
有難う御座います
新作 拝見しました
目には見えないものを見せるエネルギー
芸術の根本だと思います
形の向こうに何かが見える その何かは人の内面に訴え掛けるもの
これが無くてはどんなにきれいな物でも ただの
見世物ではないでしょうか
また真に美しいものには夾雑物の入る余地はない
ただその物の持つ美しさだけが見えて来る
こうなった時にこそ 真の芸術の誕生と言えるのでしょうね
その美しさに到達する為には年齢は関係ない それぞれのものが
それぞれ独自に持つ美しさがあるーー
冒頭のカンディンスキイ いいですね
何が描いてあるのか一見分かりかねますが それでも何かしら
訴えて来るものがある その訴えて来るものは ?
わたくしに見えて来るものは音楽です
何時もお眼をお通し戴き有難う御座います
それにしても冒頭の掲載写真 毎回 楽しく拝見させて戴いております
takeziisan様
有難う御座います
ハーレムノクターン
ヌード劇場の定番 思わせ振りな踊り子の姿が浮かびます
サニーレタス 摘まんでみたくなります
ノラボウ菜 牛糞 ? 肥料として売られているんでしょうか ?
昔のように道端に転がっているわけでもないでしょうから
それにしても秋の収穫 柿と共に自然の恵みの豊かさ
都会生活者には羨ましい風景です 御当地は遠方に山らしきものの見える風景といい
モミジバフウの並木といい 自然が豊かなようです
それだけに気候も厳しいのか 水道管の凍結防止 ちよっと驚きました
こちらでは四 五十年前 布を巻いた記憶がありますが
現在 そんな心配は昔物語で無用です ですから
ちよっとびっくりしました
大賞爺 おめでとう御座います
川柳 やっぱり爺川柳の方が充実しているようです
人は逝き わたしは残る・・・・
こんな短い文章を書いてありますので 何時か
掲載したいと考えているところです
ハウゼ わたくしもレコードを持っています
懐かしいですね
セナコウチ ? 雪国の人々の映像ではよく見かけますが
わたくし共の方ではなかったですね
ワラ草履は祖母が得意で よく造っていました
祖母の草履はかっちりしていて 履き良く型崩れがしないと評判でした
記事を拝見して思い出しました
今回もいろいろ楽しませて戴きました
有難う御座います
開いてもYouTubeだけ観て
そのまま電源切っちゃたりしてました。
カンディンスキーの絵
音楽だと解釈なさったのでしたね。
そうかもしれませんね。
私が十代の時に、書店でカンディンスキーの絵を初めて見ました。
美術の教科書に乗っていたつまらないものと違って、
図形?が美しく描かれていたので、
その後、ずっと好きになりました。
彼の本も結構読みましたね。
黄色い色について書かれていたことを
今でも鮮明に覚えています。
私の十代はカンディンスキーの理論に
基づいていたと言っても過言ではないほどです。
その絵を添付したのは
バレエの舞台での動線に似ているからです。
幾何学の絵は、そうですねー
彼氏しか描けないでしょうね。
ところで昨日の3コマ連続のバレエレッスンの2コマ目に
先生にポワントシューズでバーレッスンしてもいいかときいたら
先生がOKしてくれたので、
初めて普通のレッスンにポワントシューズでうけました。
普段は3こまめだけポワントレッスンなのですが、
ポワントは30分くらいだけで
残りは体力訓練に当てられます。
なので、ポワントだけのバーレッスンは
実際のポワントレッスンより長かったのです。
まあー結論から言うと
私はポワントシューズにやっと負けなくなったのです。
今までは、私の足より
シューズのほうが強く
履くだけでも、足が痛かったのですが、
やっと、楽になりました。
6月の2週目から始めて
楽になれたのは11月入ってからです。
今はセンターで立てるようになりましたが、
あやふや、ふにゃふにゃです。
しっかり、きちんと立つようになるには
まあー3ヶ月はかかりますかね。
週2回のポワントレッスンにしては
遅い進歩ですが、
高齢としては早いかもです。
写真撮れるようなレベルまでいけるのは
あと、3ヶ月くらい必要ですかね。
というのは、足の甲を作らないといけないし、
足裏のアーチを明確に、強くしないと
写真で頓着に見えるからです。
脂肪がついた丸こい足だと
バレエでは本当にみっともないですしね。
ところで、物語の展開に速度感が
早くなっていく気がします。
ただの会話でも
スピード感がありますね。
面白いです。