遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉291 小説 日常の中の恐怖(4) 他 コロナと十万円

2020-04-26 14:50:15 | つぶやき
          コロナと十万円(2020.4.25日作)

   コロナ対策として 一律
   十万円が支給されるという
   年金生活の 慎ましい日々を生きる身としては
   有難く頂戴するつもりでいるが この十万円
   あるいは 別の手段も 考えられたのではなかったか ?
   真に困窮する人々 日常 一人の国民 市民として 誠実に
   日々の事業に取り組み この国の人々
   働く人々を支える立場 そんな立場にいる人々
   そんな人達が この非常事態 その中で
   事業停止に追い込まれる 明日 生きるのにも困窮する 今
   早急に 何某かの金銭 費用が欲しい
   切実な声を発している 一人十万円
   この十万円は そんな方々 人々にも
   届くだろうが それでは事足りない
   焼け石に水 そんな事業者の方々も
   数多くいるだろう 一律十万円
   政府 政治に係わる者達は あるいは
   この国の経済の行く末を考え 考慮して  
   支給するのかも知れないが だが しかし
   今現在 この国の経済活動は瀕死の状態  
   停止に近い状態に陥っている そのような状況下
   一律支給十万円は 何処へ消えるのだろう 何処で
   消費されるのだろう 消費する場所もない 閉ざされている
   無論 その十万円で 安堵の胸を撫でおろす 人々
   御家庭もあるだろう だが しかし また
   裕福 充分 余裕を持った人々 御家庭も この国には
   数多く居て あるはずだ そんな人々 家庭に廻った
   一律十万円は 何処へ行くのだろう ? 今現在
   総ての行為 行動 活動が制限され 外出もままならない
   そんな状況下 裕福な人々 その家庭に支給された十万円は
   預金通帳に記載された その数字の数を増やすためにだけ
   力を与えるものになりはしないだろうか ?
   眠った金 死んだ金に なりはしないだろうか ? それより
   それよりも 真に 困窮する人々 日々 誠実 真摯に事業に取り組み
   その事業の停止に追い込まれた人々 或いは 教育など 
   多額の費用 現金を必要とする人々 そんな人々への
   早急 迅速な支給手当として 使用
   出来なかったものだろうか ?
   考えて欲しかった 
   改めて 別の手当ても 考えて
   欲しいものだ 
   それにまた
   国都道府県 その各々が発する要請 それを無視して
   開業 営業を続けるパチンコ店 他の店店
   このような事業者 経営者 或いは そこに群がる人々
   そんな者達にも 一律十万円の支給は 妥当なものなのか ?
   行政 医療機関 そこに携わる 専門性を持った人々の意見を無視 
   身勝手な行動に走る者達 そんな者達は この国の国民の多くが
   市民の一人として 自身の為 或いは他者への思いを巡らし 忠実に
   要請を実行する中 傍若無人の行動を繰り返す 国民 市民として   
   その務めを果たさない コロナウイルス禍 
   現在 発せられる要請は 大戦下 あの戦時時代の
   国家総動員指令とは 明らかに異なるもの 異質のものだ
   あの 国を守る為 一部の指導者のメンツを守る為 の
   ものではない 国民 一人一人 各々の 生命 健康 を
   守る為のもの その為の 要請なのだ 
   その要請で 困窮に 陥る人々 そんな人々が 数多く居る中 
   自身の身勝手で 平然と要請を無視していられる その
   神経の鈍さ 鈍感さ 愚かさ もしも 万が一
   彼等の場所で病が発症した時 その時には 責任が取れるのか
   医療行為が出来るのか その覚悟はあるのか !
   日夜 医療現場では 自身の命を賭したような 厳しい
   戦いが続いている そんな人々
   聖者にも等しい人々の活動に対し 言い訳が
   出来るのか !
   国民 市民の一人としての自覚も持ち得ない 愚者 愚か者達
   他者への配慮が出来ない 身勝手な 者達
   そんな彼等に 国民 市民としての権利を主張する資格が
   あるのか そんな者達への
   一律十万円支給 それが妥当なものなのか 理に適った
   対応なのか
   愚か者 愚者 身勝手な者達への対応には それなりの
   対応 それが 必要なのではないか !



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          日常の中の恐怖(4)


 翌朝、島田は眼を覚ますとすぐに下へ降りて行き、朝の食事の支度をしていた夏子の背中に向かって声を掛けた。
「昨夜、何か変わった事はなかったか ?」
 俎板の音を立てていた夏子は島田の問い掛けに振り返ると、
「ゆうべ ? 変わった事 ?」
 意味が分からないという様に、怪訝な顔をして問い返した。
「うん」
 島田はぼそりと言った。
「何 ? 何かあったの ?」
 夏子の顔が少しの緊張感で引き締まった。
「うん、ちょっと。昨夜、俺が帰って来た時、門の間から家の中を覗いていた奴が居たんだ」
 夏子の顔から一気に血の気が引いた。
「どんな人 ?」
 息を呑むように夏子は言った。
「良く分からない。中背、痩せ型で、若い男だったような気がするけど、俺の姿に気付くと慌てて門から離れて逃げて行った」
「それで・・・・、門の中へ入ったのかしら ?」
「いや。門の鍵のいじられた様子はなかった」
「ただ覗いていただけなのかしら ?」
「うん。そうらしいが、良く分からない」
「嫌だわ。また、何か起こるのかしら ?」
 夏子は不安と恐怖の入り混じった声で言った。明らかに怯えていた。
「うん。分からないけど」
 島田も憮然として答えるよりほかに出来なかった。
 或いは、昨年、秋口の出来事がなかったら、こんなにも神経質になる事はなかったのかも知れなかったが、前例があるだけに、単純に、何かの間違いと断定してしまう気持ちにはなれなかった。
「警察に知らせた方がいいかしら ?」
 夏子は怯えたままの表情で言った。
「そうだなあ」 
 大袈裟には考えたくないという思いもあったが、迷いは消えなかった。それからようやく決心したように島田は言った。
「もうしばらく、様子を見てみよう」
「そうねえ」
 夏子も煮え切らない表情のまま呟くように言った。
 島田はそんな夏子をあとに残したままシャワーを浴びるため浴室へ向かった。
「光一や美雪にはよく注意するように言っておいた方がいいぞ」
 浴室から声を掛けた。
「そうね」 
 夏子も気の重そうな声で応じた。
「あまり神経質になってもいけないから、その辺は旨くいっていた方がいい」
「ええ」
 夏子の声は消え入りそうだった。
 島田自身にしても、気の重い事だった。昨日までの何事もなかった爽やかな朝が、まるで遠い夢であったかのように感じられた。春霞に覆われた穏やかな空気が一辺に、大きな黒雲に覆われてしまったようだった。
 島田はそれからの毎日、今までは忘れていた、自分の周辺に気を配るという、昨年、秋口以来の習慣を再び自分に課すようになっていた。深夜の帰宅時には無論の事であった。
 だが、あの日以来、再び、島田の身辺に著しい変化の起こる事はなかった。
 無言電話の掛かって来る事もなかった。
 光一も美雪も、以前と変わらずに明るかった。
 そんな日が十日も続くと島田は、一片の安堵感と共に、あれは単なる自分の思い過ごしであったのかも知れない、と思うようにまでなっていた。ただ、単に酔っ払いが、自分の家の門にもたれ掛かって、体を休めていたのかも知れない。
 と同時に島田には、この平穏が当然の事でもあるように思えた。
 一家が、他人の恨みを買うような行為は、誰もしていなかった。訳の分からない恐怖で苦しまなければならない理由など、何処にもなかった。家族の誰もが精一杯に、慎ましく、毎日を生きていた。そんな一家がささやかな幸福と平穏な日常を手にするのは、誰にも咎める事の出来ない当然の権利であると思った。


          三


「島田さん、島田さん」
 誰かが門扉に取り付けられたチャイムを鳴らしながら懸命に叫んでいた。
 夏子は眠りから醒め切らない頭でチャイムの音を夢うつつに聞いていた。
 叫んでいる人はチャイムではもどかしかったのか、どんどん門扉を叩き出した。
 余りの激しさに夏子はようやくはっきりとした目覚めを覚えて体を起こし、その音に注意を凝らした。
 門扉を叩く音には只ならぬ気配があった。
 夏子は途端に生まれる緊張感と共に立ち上がった。
 布団の上に掛けてあったナイトガウンを羽織り、階段を小走りに降りて行った。
 その時初めて、島田がまだ帰っていない事に気が付いた。
 深夜の気配が濃かったが、何時になるのかは確認していなかった。
 玄関の灯りを点け、すぐにドアを開けた。
 門の傍には新聞の配達員が立っていた。
「大変です。お宅の旦那さんが、頭から血を流して倒れています。来て下さい」
 配達員は血相を変えて言った。
 集金などで顔馴染みになっている配達員だった。
 夏子は配達員の言葉になんと答えたのか、自分でも覚えていなかった。気が付いた時には、配達員の後に続いて走っていた。




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          takeziisan様

          コメント 有難う御座います
          何時もお眼をお通し戴き感謝
          申し上げます
          チャップリン いいですね
          前回 「街の灯」についての感想
          失念してしまいました
          ラストシーン もう何回も見ていますが
          思わず胸が熱くなります
          人は上辺 外見だけで判断してはいけないという事
          チャップリンのヒューマニズム
          共感します
          ロコモーション 懐かしいですね
          よくこんな映像をお持ちです
          これからも楽しみにしております


          hasunohana1966様

          いつもご声援 有難う御座います
          今回の記事 深いですね
          人間に取って避けて通れない死
          人間に取っての宿命ですが
          考えてみれば 死があるからこそ
          人は救われる そんな見方も
          出来るような気が致します
          永遠の生もまた 救われないような気が
          するのです あるいは 地獄であるのかも知れません
          また改めて 辞書を片手に英文の勉強も
          させて戴きます 有難う御座いました