蒼生

風のふくまま気の向くまま自然にまかせて生きたいねえ

心の闇

2012-02-12 23:03:16 | Weblog
サウダージを見た感想が、よくわからん・・という情けないものだったが、
ひとつ、思ったことがある。
それは、先日のネパール人、ビシュヌさんが殺害された事件との共通点。

映画の中では、先行きの見えない日本の若者たちと、
地球の裏側という遠いブラジルから働きに来たものの、不況のために仕事がなくなり、
泣く泣く国に帰っていくブラジル人と、
家族を養うためにひとり日本に残って故郷に仕送りを続けるタイ人とが並行して描かれる。
そして、主人公のひとりであるラッパーの若者が、
楽しそうに暮らすブラジル人を憎く思う気持ちが膨らんでいくのだが、
家族も崩壊し、仕事も、ラップもうまくいかなくなって、
ついにはブラジル人を刺してしまうという結末になっていく。
そのブラジル人たちにもたくさんの悩みや困難がある。
でも、それが見えない。
そして、自分たちの暮らしがこんなに悪いのは、外人のせいだと思うようになっていく。

外人を蹴りたかったと、犯人たちは供述したと思う。
その気持ちは、まさにこの映画と同じなのでは。
定職があるわけでもなさそうだし、豊かな暮らしをしていたとは思えない彼らが、
なんとなく楽しそうにしている外人を見て、憎く思ったのではないか。
今日の報道では、ビシュヌさんの財布を盗んだということで、窃盗容疑で再逮捕したということだが、
ほんとうに財布はついでだったのだろう。

人の心の闇を見るようだが、その闇は、貧困についてまわる。
貧困とは単にお金が無いというだけではなく、
心も貧困にしか育たなかったということにつながる。
この犯人たちが、本当に心の底から反省して謝罪する日は来るのだろうか。
同じ日本人としてはそれを願いたい。

九条ディープツアー

2012-02-12 15:05:04 | 食べること
生まれ故郷ではあるが(そんなにたいそうなものではない)、よく知らない街。
B級グルメの穴場として最近知られている。
もとは西の心斎橋と謳われたくらいの繁華街だったが、今はプレ・シャッター街である。



これは、地下鉄九条駅階段下の、立喰うどん・そば 大和庵
なんでも、朝5時から営業しているらしい。
タクシーの運転手、トラックのドライバーなどがよく来ていると聞く。
子供の頃はこの店に鍋を持って買いに来ていた。
鍋におだしを入れてもらい、うどんの丸をビニールに入れてもらって家で温めて食べていた。
そんなもんで、実はここで食べるのは生まれて初めて。
多分、私が子供の頃からおばあさんだったと思われるおばあさんがちょこちょこと動きまわって、現役で働いている。
うどんの出汁がまっとうにおいしい。
この、まっとうに美味しいうどんが最近食べられなくなっている。

この店の横のいも福の芋棒かりんとう(柔らかくて蜜をたっぷり含んだいも)も私にはお馴染みの味。
この辺り一帯の、うどん、寿司、お好み焼き、いもの店は同族経営(今はコンビニになっているところもあり)で、
息子によると、おばあさんがなんだかいっぱいいはるとのこと。
どの人がどの店にいるのかわからんけど、どうも、みんな現役らしい。

その後、九条シネヌーボーで映画。
サウダージが評判が良いとのことで家族3人揃って見に行ったわけで。
ところが、始まるなりダンナは寝てしまうし、私はどう表現していいかわからなくなるし、
息子は途中でトイレ休憩が欲しかったというし・・
感想はと聞かれると、なんといっていいかわからん・・
とにかく、日本の低迷、停滞、夢のなさ、行き場のない鬱鬱としたものを
これでもかと見せつけられる感じ。
初日だったので、出演俳優が最初に挨拶に立ったのだが、
それがどの人だったかもわからない始末。
こういう映画が好きな人もいるんだよね、ということで収めることにした。

夕食は以前行きそこねたえらぶに。
この日は、天然イノシシ!がおすすめのようだった。
盛り合わせのお刺身は豪快盛で、魚の塊を食べている、という感じ。
アワビとぶりがおいしかった。
ムツカマを焼いたものが、身がほっこりとしておいしい。
これはなかなか食べられないと思う。
ただ、白子の天ぷらは衣が多すぎて肝心の白子の味は半減。
お酒が焼酎しかないのも日本酒党にとっては残念。

時間が早かったので、難波まで歩くことに。
商店街を抜けたところに、市電発祥の碑があることもはじめて知った。

それにしても、昔から下町ではあったけれど、下町度がより高くなったなあと改めて思った次第。